ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(2023)感想・評価

 オープンワールドアクションアドベンチャー

 

 

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評価:10 /10

プレイ時間:90時間(ストーリークリアまで)

 

 文フリも終わったし……と満を持してプレイ。まだまだ遊び尽くした感じではないのだけど、ストーリー部分はクリアしたので、忘れないうちに感想をまとめておく。……しかし、クリアのタイミングが引っ越し作業と完全に被っており(まさに引っ越しの前日にクリアした)、引っ越し自体もかなりインパクトのある出来事だったので、ちょっと印象が薄れているかもしれない。

 

 基本的なシステムや世界観は前作であるブレワイから地続き。基本的な能力のマイナーチェンジはあるものの、ゲーム部分のおもしろさの質は変わらない。散歩楽しいし探索要素は無限だし。一応、能力の一つに「ウルトラハンド」という、物と物をくっつけるものがあり、それがいわゆるクラフト要素を生んでいて、実質無限の遊び方ができるようになっていて本作のトピックの一つだと思うんだけど~~~ここではこれ以上は触れません。クラフトってそれだけで一本ゲームが作れるようなすごいシステムだと思うんですけども。(後から思ったけど、このクラフト要素って実況プレイと相性が良くて、それはけっこう狙ったものかもな、とか。他人がウルトラハンドで意味わからないもの作ってるの見るの楽しいです。プレイヤー一人一人考え方が違うってことが可視化される。プレイヤー側、ひいては人間の多様性をそのままおもしろさに接続するのがクラフトってシステムなんだなあ、とか。まあ祠の謎解きも似たような側面がありますけども(解法が人によってぜんぜん違う)。それで言うなら看板立てるあのイベントもそうか。と、横道ですね。)

 

 探索のおもしろさはそのままに、単純にボリュームが増えました。それも3倍以上に。アホか。ブレワイだけでもプレイに100時間以上かかっとるんやぞ。どれだけ時間を奪う気なんだ。

 

 水平方向は変わらずに、垂直方向にダイナミックに世界を拡張。空と地底、そして中間地点として井戸や洞窟を含めて3倍以上ということです。頭おかしいよ~~~。ゲーム的なギミックに生態系などの世界観面はもちろん、なにより景観が地上とまったく違っていて、冒険の楽しみがいや増している。地底は文字通り真っ暗な世界なので、手探りで探索している実感がすごい。オープンワールドということでそれらの世界はシームレスに繋がっていて(これもすごくないですか)……だから時には空から地底まで一直線に落下したりすることも。ダイナミックすぎるだろ。

 

 探索面以上に強化されたのがストーリー面。ブレワイ唯一の弱点とも言えたストーリー関連ですが、今作ではむしろゲーム全体で一番のストロングポイントと呼べるまでになっている。ゲーム体験に深くかかわる部分なので詳しくは書けませんが、とにかくプレイヤーのモチベーションを上げてきます。オープンワールドゲーでここまでストーリーの圧が強いのも珍しい。個人的にも、ここまで(クリアしなきゃ…!)と思わされたゲームは初めてです。「使命」っていう言葉の意味を噛みしめる。他の誰でもない、自分自身がやらなくちゃいけない。

 

 プレイ時間90時間ってなってますが……これ、早いんですよね。いつもの自分ならもっと世界を探索してからクリアに向かうと思うんですよ(クリア時点で全体の半分も探索できていない)。それでもクリアに向かったのはゲームの、ゼルダのストーリーを知ってしまったから。知ったら、もう動かないわけにはいかなかったんです。探索なんてしてる場合じゃなかったんだ(とはいえ、それまでの道程も決して無駄ではないのだけど)。

 

 ということで、もし未プレイ者がいたらアドバイスなんですけど、メインストーリーを追うタイミングは少し考えた方がいいです。ストーリー見たらクリアしたくなっちゃうので。あともう一つ書いておくと、剣の絵柄の記憶は最後に見た方がいいです。自分はプレイ中にこのアドバイスを頂いてとても助かりました。改めて感謝。

 

 またちょい横道なんですが、ゲームのシステム面……ワープや祠、モドレコや果ては回避ラッシュなど、そこらへんを上手くストーリーに結びつけてるのもすごかった。回避ラッシュって、傍から見たらそれこそキングクリムゾンやスタープラチナみたいな人間離れした芸当なわけですが、それを敵に使わせることでリンクと同じレベルの格を表現するという。逆に(やっぱリンクって異常なんだな)と再確認することにもなるんですけど。

 

 全体のボリュームは爆増し、クラフト要素も備え、唯一弱かったストーリー面もこれ以上ないほどに強化。ゲームとして本当に完璧になりました。紛うことなき神ゲーだと思います。しかし全体を振り返っても、やっぱりストーリー面が一番語りたくなっちゃうな~。そのくらい刺さりました。そんなにムービーが多いわけでもないのに超感動した。ラストバトル以降のプレイとストーリーが完全に一致した演出も本当に素晴らしい(改めて振り返ればマスターソードを抜くシーンもすごい…)。話自体もまさに「伝説」の名にふさわしいスケール感。「ゼルダをさがして」チャレンジ完了のタイミングよ…。

 

 寂しいのは、ブレワイ~ティアキンの舞台となっている世界を、世界観を今回のストーリーで全て使い切っている感じがすること。うまく言語化できてないかもしれませんが、とにかくティアキンは全力投球してて、完全燃焼しているんですよ。常人にはできないすごいことなんですけど、同時に「終わり」って感じもすごくするんですよね。そこだけがちょい寂しい。せっかくならブレワイ~ティアキンのストーリーをまとめて映画にでもしてくれないかな、と思ったりするんですけど……そういえば少し前にゼルダの伝説の映画化のニュースがありましたね。それがブレワイ関連のものになるかは分かりませんが、期待しています。長くなりましたが、文字通り神ゲーということで。