FEZ(2012)感想・評価

 90°視点切り替えパズルプラットフォーマー

 

 

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評価:10 /10

プレイ時間:13時間(196.9%)

 

 IGFの記事で名前を見かけ、調べてみたらめちゃおもしろそうだったのでプレイ。上にトレイラー貼ってますが、どうでしょう。おもしろそうでしょ?

 

 (ここは言葉の意味とか間違ってるかもしれないけど勘弁)3Dで、3次元で作られたボクセル世界を並行投影した2Dの画面を探索していく。だから基本はよくある(星のカービィとかの)2Dアクション……なのだけど、FEZ独自のシステムとして「90°単位での視点変更」があり、これが世界に驚きと深みをもたらしている。

 

 クリアだけならそれほどでもないけど、コンプリートとなると途端に難易度が跳ね上がるという、初心者からやりこみ勢まで満足できる内容。パズル部分だけでも個人的に9点以上は堅かったのだけど、加えて音楽ビジュアル含めたゲーム全体のデザイン面がべらぼうに良かったので満点にしました。ひとつの世界として完成している。ワールドマップの見づらさなど犠牲になった部分も少々ありますが、全体のテイストを統一することで生まれる良さの方が余裕で上回ってると思います。

 

 個人的には言語・文字の解読やコマンド入力など、『Tunic』に通じる要素が多々見られたのが感慨深い。系譜というかラインが一本見えた感覚があります。FEZRPG要素加えてクォータービューにしたらTunicになる…? これのちょうど10年後にTunicが出たのかあ……というか、10年も前にTunicと同じくらいの高みに至っていたゲームがあったんだなあ……と驚いています。FEZは2012年のIGF大賞で、Tunicは2023年にノミネート止まりだったのですが、なるほど、この人たちは10年前にFEZを通っていたんだな…。

(なんてことを書いていますが、プレイ順とかは特に気にしなくていいと思います。ただ片方を気に入った人はもう片方も気に入ると思うよ~、というそれだけです。)

 

 とにもかくにも神ゲーでした。ちょっと踏み込んだ内容になりますが、個人的にはこのゲームは数字とコマンド部分の解読さえできればプレイヤーとしては十分じゃないかなと思っています。実際、その二つさえできればゲーム内の95%の謎は解けるでしょう。文字の解読はアルファベットに関する特定の知識が必要で……だから非英語圏のプレイヤーには厳しいものがあると思います。文字の解読が必要な謎解きはごくわずかな超高難易度のものだけ……なのでそんなに気にしなくていいんじゃないかと。

 

 しかしポップなデザインの求心力を感じるゲームだ。間口がめちゃ広いというか、ぱっと見でのおもしろそうな感じがすごい。この先どれだけの時間が経過しても、そのデザインの良さによって今作が埋もれるようなことはないでしょう。