『アリスとテレスのまぼろし工場』感想

 おもしろかった! 感想のまとめです。

 

 

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 基本、ツイートのまとめ。埋め込みはめんどいのでテキストのみコピペする。

 結局、世界観について正確には理解できてないと思うので、もしかしたらトンチンカンな感想もあるかもしれないです。

 

 

 

設定的に剛腕なところがあるけど、それで結果的にすごい表現ができてるから全然アリ 設定まわりの情報を小出しにするペースはちゃんと調整されてると思うけど、それでもけっこう混乱する 情報が出るたびに前提を修正してキャラの行動や思いを再検証しなきゃなので脳は忙しい

 

具体的に言うと雪が雨になるシーン(少し配慮した表現) 世界が物理的に入り混じるからこそできる表現で あのシーンだけでも観てよかったなとなる

 「それで結果的にすごい表現ができてるから~」のすごい表現について。

 

メタファーを組み込んだシーンもバッチリと嵌まっていて いやこれがしっかり決まると本当に印象が良い 一番は痛い~!って叫びながらトンネルを抜けるシーンです

 最終盤のシーンですが。端的に生まれ直しのメタファーですよね。トンネルは産道。

 

アリスとテレス、辻村深月くらいの剛腕設定なんだけど、ちゃんとその設定でしか描けないものが描けてるから納得しちゃう 話的にも絵的にも

 

さよ朝でもあったけど今回も家族間でのインモラルな視線があって もうこれは性癖なんだろうな…

 

なんでこんな行動を?→あ~なるほどね……なんでこんな行動を?→あ~なるほどね……が無限に続く けっこう置いてかれる人も出る気がする 自分も100%は追えてないし 感動できる=納得できるくらいには追えたけど

 

前も言ったけど話の筋に納得できないと気持ちが動かないからね

 

最初 父と叔父さん区別できてなかったな 事前情報なんも入れてなかったのもあって 一人の人物かと

 

公式サイトのストーリーをあらかじめ読んどくと楽だと思う

 

湿度が高いシーンの湿度が尋常じゃない エロマンガの導入だろこれ!なシーンも序盤にあったけど 深い情念を描いてるという意味ではエロマンガにも近いよ

 

切り捨てられてるところも多分けっこうあると思うんだけど それ以上に決めのシーンがしっかり決まってるから 視聴者に刻み付けにきてる

 

 こっからは与太。

佐上の動機の強さについて 単純に権力を維持したかったのだろうか 観てるときは(こいつ現実では爆発で死んでたのでは…)とか思ってたけど(つまり現実に戻って死にたくないから頑張ってたのでは、という) 原作読まないとわからんかな

 前述した辻村深月(『冷たい校舎の時は止まる』)やリトバスからの連想でした。

 

もう思考実験の領域なんだよな 少なくとも4年以上経ってる…よね その間ずっと子どものロールしてんの? 食糧の方も気になったけど、まあそこはまた設定でカバーできるからスルー

 

倫理観の強さがすごいよ 子どもがずっと子どもしてるのはまあいいけど、大人がずっと大人してるのがすごい まあ大人じゃなくなった人からあの世界から追放されてるんだろうけど(だからあの世界には常に元の世界での倫理観を保った人しか存在しない)

 断言してるけど個人的な考察であってぜんぜん間違っている可能性があります。

 

いやでも子どもが子どもしてることの方がすごいかもしれない 思春期真っただ中じゃん いやまあこっちも変わってしまった人から消えてってるんでしょうが

 これはマジで思う。逆に変わらなかったら変わらなかったでそんな灰色の青春過ごしてるのかよって思っちゃうし。いや過ごしてるんですがね。。

 

そういう意味だとあの世界に残ってる人たちってつまり踏み出せてない人たちなのかな 最終的にはやはり変化を祝福する方向に行ったけど 昭宗、仙波くん、園部さんはすごかったんだなって

 

命に関わる……かもしれない、という状況だから難しいんだけども

 

構図としてはやっぱ辻村深月リトバスの系譜で アニメとしては世界が物理的に交わる様を描いたこと、それをストーリーの演出にうまく嵌めたことが大きい 個人的な整理

 セカイ系の、世界と個人が繋がっている様を、絵で直接的に表現して体感させられるってのがアニメの強みですよね。セカイ系に限らないんだけど、とにかくテキストオンリーよりはずっと強い……

 

アリスとテレス>いやでも改めて あの天気が入り混じったキスシーンが強かった 二人の幸福が五実の「痛い」と表裏一体で、そしてそれがそのまま世界の崩壊につながるという 良い感動と悪い感動の二つの極みが同時に来る あのシーンだけで優勝

 個人的にはやはりここが印象に残った。自分の気持ちと正面から対峙して、やっとスタート地点。ここからはもうノンストップだ。

 

あんなシーン見たら心が張り裂けてしまうよ 悪いがこれも仕事なんでな?そうですね…

 

個人的には最高傑作だと思う 心がざわざわして過去作を再見できないのであまりアテにならんけど

 

今は見終わった直後だからいいけど こういう作品は心がざわつくので無意識レベルであまり思い出そうとしなくなるんだよな

 

 

 

 

 

・その他

 

aninado.com

 「匂い」については確かに作中で頻繁に言及されていた。ただ自分は視聴中、キャラクターたちがする匂いについての言及が単に事実を話しているのか、それともなにかの比喩なのか、いまいち判別がついていなかった(明確に判別がつくシーンもあったけど、そうでないシーンもあった)。

 特定の重要なシーンの長さについて言及している。ここはね~~それまでのストーリー展開やキャラの感情の動きにしっかりとノれていれば全体のハイライトでありご褒美なんだけど、そうでなければ冗長かつ気持ち悪く映るだろうな、とは思う。この二つのクライマックスにノれたかどうかで作品の評価は分かれるかもしれない。そしてノれない人も多少は出ると思う。前述の通り、状況や前提がコロコロ変わるので。真面目に、能動的に情報を整理しながら観ないと展開にノれないだろう。

 

 

 

 

 

amberfeb.hatenablog.com

 『オデッセイ』とかでの理系なアプローチ、とでも言うか、前提条件を確定→その条件ならアプローチはこう!後は手を動かすだけ! みたいな感じになることがない。すべてが不確実な中での判断なので、常にモヤモヤが付きまとう。しかしそれはメリハリの一部でもあって、想いが固まったときには強いカタルシスを生む。

 目的を固めない=視聴者の評価を許さないってことでもあるのか(目的が決まらないと評価できないので)。作中のキャラは当然だけど、視聴者にもなんらかの答えを途中で出させない。

 よくわからん文章になった。色々とふわふわなまま話を進めることについての考察です。具体的にどういう効果があるのか、という。

 記事でも言及されているけど、単純に先が見えないことにより期待・不安を煽れることと、キャラと視聴者の状態(持ってる情報量)を近づけてより共感しやすくなることか。

 

 『ビューティフル・ドリーマー』との対比は確かに。観たのが昔すぎて頭に浮かばなかった。

 「まぼろしの世界」自体がフィクション概念の隠喩かも、ってのはなるほど。うまく嵌まるなと思う。

 

 

 

 

 

news.denfaminicogamer.jp

 視点がマクロ・メタに寄り過ぎではないか。自分とは対照的な映画の観方をする人だなと思った。冒頭で挙げられる『君の名は。』の系譜って具体的には何。もしかして国産長編アニメ映画全てについて言ってる? 自分は『空の青さを知るものよ』も『心が叫びたがっているんだ。』も『君の名は。』と似てるとはまったく思わないので…。よくも悪くも型に嵌めてものを見すぎと思う。それでも筆致から作品自体は楽しんだ感じがするのでまあいいか。……