Youth Lagoon『Heaven Is A Junkyard』

 

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 Youth Lagoonが登場した頃(2011年)にはもうピッチフォークをリアルタイムで見ていて、だから彼の活動の高評価ぶりは知っていたのだけど……なんと今回が聴くの初めてです、彼の作品…(少し恥ずかしい)

 

 もっと早く聴いてればよかったね~と思いました。良い…。一番の特徴は幽玄で儚さを感じさせるサウンド全体の処理。アタックをできるだけ丸めて、全体を中低域に収めて耳当たりを良くして……その上で、ピアノにおけるプリペアド・ピアノみたいな、少し音をひしゃげるような加工が一部で施してある。そのおかげで、例えばBoards of Canadaが作る小曲のような、浮遊感のある、なんとなく懐かしいような雰囲気が生み出されている。

 

 とにかくこのサウンドの独特な味付けが良くて……このテイストがアルバム全体に渡って統一されており、作品をまとまりのあるものとして強く印象付けている。回りくどいね。傑作ということです。曲が良いのはもちろんだけど、やっぱアルバム単位で独自の、一定のサウンドがばっちり決まってると印象が良い。「この作品は他の作品と違う」ということがはっきりと分かるからな~。おそらく過去作から続くサウンドのテイストだとは思うんだけど、記名性があるというか、ネームバリューが生じるレベルでキャラが立っていると思います。

 

 さらっと流したけれど楽曲もシンプル&キャッチーで良い。アルバム終盤(#8以降の3曲)はエモに振れていくので、そこだけが個人的に少し不満というか好みじゃないのだけど、それまでは完璧ではないでしょうか。全10曲中7曲が名曲だったらもう名盤だろ。名盤です。

 

 1曲目の「Rabbit」がちゃんとキャッチーなのも偉い。好きな奴!って一瞬で分かった。あと、なんとなくシンプルなリズムのキャッチーさがよくわかる作品でもあるなと思った。なにもリズムがないところにドラムが入ってくるだけで乗っちゃうもんね。自分がチョロいだけか。