お気に入り曲まとめ(2022.2~5)

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 2022年2月~5月のお気に入り音楽のまとめです。腰が重い。薄い本作ってるしええやろ……とまとめるのをサボってるとこうなる。

 1080p関連のお気に入り曲と分けようと思います。こちらでは1080p以外のお気に入り曲をまとめます。

 

 

 

長瀬有花 / 駆ける、止まる、とろける哲学、オレンジスケール

 from『a look front』

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riot-music.com

 

 

 

 

 29日が文フリなので、マジで修羅場……たしかミックス用の選曲作業中に出会ったアーティストですね。偶然TLで委員長のツイを見かけて聴いたら神曲だったという。

 RIOT MUSICという音楽事務所があって……「RIOT」と聞くとそれこそスライの暴動とか剣呑なものを想像してしまいますが、どうやら「奔放」「多彩」「おもしろい」などといったポジティブな意味もあるらしく、そういう意味も込めた名付けらしいのですが。話を戻すと、その事務所にバーチャルアーティストという、VTuberと音楽アーティストの中間のような存在が現在6人所属していて、長瀬有花はそのうちの一人ということらしい。

 他の5人の楽曲も聴いてみたけど、すごいね……すごいんですよ。曲もMVもアーティストのパフォーマンスもぜんぶ超一流でヤバい(みんな歌上手すぎ)。方向性がメインストリームど真ん中なので個人的な趣味ではないのですが、クオリティはすさまじいです。

 長瀬有花は6人の中ではインディー寄りというか。キャラ付けとしては不思議ちゃんみたいな感じなのかな?(まだ自分も知ったばかりなので合ってるかは微妙) ツイのプロフィールでは「だつりょく系アーティスト」を自称しています。とりあえず事実として、他のメンバーよりはクール!美麗!!みたいな圧の強い表現は控えめなようです。

 

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 音楽についてとりま2曲。「駆ける、止まる」(作編曲・作詞:高城みよ)(上の表記ではわかりにくいですがこれで一曲です)「陰キャの教祖になりたい女の子の歌」らしい(なんだそれ)。今はもう慣れちゃったけど、初聴時はその不思議なコードとメロディーの流れに驚いた。メロのミニマルなアレンジと途切れ途切れのリズムが相対的にサビの疾走感を演出している。というか曲名の「駆ける、止まる」ってこのリズムのストップ&スタートのことも示唆しているのではないか。クールでかっこよくてちょい神秘的。

 「とろける哲学」(作編曲:ねこむら、作詞:ねこみ)(ねこコンビ!?というか二人合わせてcat napというユニットらしい)委員長に感謝案件。アルバムでも一番ゆるふわな楽曲で、上の「駆ける、止まる」に続く配置なのでアルバムで聴くと雰囲気のギャップがすごい。ゆるふわと書きましたがそれは雰囲気とサウンドのみで、楽曲自体はアルバムでも一番テクニカルです。機敏に微妙に移り変わるコードと……あとリズムの抜き差し! とにかく編曲がすっごいです。各パートの変遷もものすごくさりげなくて、ふと気づくとサビに突入している(『あれ、ねこだ』じゃあないんだよ、サビだよ!)。本人のボーカルや、間奏で1フレーズだけ出てくるシンセなどサウンド面ももちろんだけど、この有機的すぎるというか、メロやサビなどのパートが少し溶けてくっついちゃっているかのような構成も含めてすごく「ゆるふわ」です。

 この曲は自分の性癖(?)にどストライクでした。ヤバい。もし自分がこのレベルの曲を作れたとしたらもう人生満足しちゃいそうな気がする。こういうクリティカルな曲を作ったアーティストはすべからくその後一年分くらいは安定して暮らせる額の報酬を手にするべきですよ、政府はなにやってんだ政府は(暴走)。それはそれとして委員長は早くcat napにオリジナル楽曲を依頼してください。

 

 最後に皮肉というかなんというか、これだけメインストリームを意識している(と思われる)事務所の中で、一番最初にアルバムを出し、かつブレイクしそうなのが"アンチ"メインストリーム……というほどでもないけど、ちょっとしたメタ的な路線の長瀬有花だというのが少しおもしろい。まあ路線としてはこっち(長瀬有花)の方がいろんな音楽性の楽曲を許容する余地があるようには思えるのだけど。

 

 

 

 そしてどうやら実写で!?ライブをやるらしいです。実写で登場するのも事務所で一番早いのでは、わからんけど。それに合わせてなのか、最近ツイのアイコンも実写風になったのが個人的には少し寂しかったりするのですが。とりあえずライブは覚えておこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

Pastor T. L. Barrett & The Youth For Christ Choir /

Like a Ship、Wonderful、It’s Me O Lord、Medley、Jesus Is All The World To Me、I Want To Be In Love With You、O Sinner、Here I Am

 from『I Shall Wear A Crown』

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kenta45rpm.com

 

 ↑の萩原健太氏の記事をまずは見ていただきたい。だいたいの情報がまとまっているので。……と済ますのもアレなので軽く書くと、70年代の、とある牧師さんの自主製作盤です。10年代に1stの『Like A Ship... (Without A Sail)』だけLight In The Atticからリイシューされていたのですが、16年にカニエが彼らの曲を大々的にサンプリングしたこともあり、再発の機運が高まってたのかな? ということで去年ヌメロからボックスセットでドでかいリイシューが為されました。

 

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 5枚組のかなり大きなセットなので、まだ2枚目までしか聴けていませんがとりあえず。とにもかくにもパワフルなボーカルがすばらしいです。上に貼った「Wonderful」は3:40あたりから合唱が入ってくるのでそこまで通しで聴いてほしい。もちろんそれまでのソロパートも良いのですが。そしてすぐ真上に貼った「Jesus Is All The World To Me」。こちらは女声のソロがまた凄まじい……。二人目、1:10あたりからのパフォーマンスはマジで聴くたびに鳥肌立つ。

 本当に圧倒的です。こんな声出せたら気持ちいいだろうな~と思うし、出せなくてもこんな合唱を聞いたら悪いことする気持ちなんて無くなっちゃうよなと思う。

 曲も良いしアレンジも良いしなによりパフォーマンスがすばらしい。ナイスリイシュー!(?)と言わざるを得ない。そんな感じです。有無を言わせない圧倒的な音楽なのでカニエのサンプリングも解釈一致。全体的にディスク1よりは2の方が曲が粒ぞろいだと思います(二作目だから当然?)。

 

 

 

 

 

 

 

Dillard & Clark / Out On The Side、She Darked The Sun、Train Leaves Here This Mornin'、Something's Wrong

 from『The Fantastic Expedition Of Dillard & Clark』

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ameblo.jp

 

 ツイ経由で知ったとあるブログ記事……から知った作品。The Byrds脱退後のGene Clarkがソロ1stの後にバンジョー奏者のDoug Dillardと組んで発表した作品。

 個人的にThe Byrdsは3作目『Fifth Dimension』以降ちょっとパッとしないなと感じていて、その理由がもしかしたらGene Clarkにあったのかもな(Gene Clarkは二作目の『Turn! Turn! Turn!』発表後にバンドを脱退した)……と思わせるくらいの滋味深い歌心が本作で炸裂している。オープニングトラックの「Out On The Side」の歌メロどうすか、すごくないですか? 歌ってて気持ちよくない瞬間がない。メロを歌っているメインのボーカルがコーラスで一番下のパートを歌ってるっぽいのもすごい。おじいちゃんか? いやそのパートもすごい気持ちいいんだよな…。

 #4「Train Leaves Here This Mornin'」なんかもそうなんですが、なんかもうマジでいつでもビブラートを利かせられるみたいなメロディーなんですよね。それが本当に気持ちいい。そういう意味で完全に人間のボーカルのためのメロディーもとい曲です。他の楽器のためじゃない。

 ジャンルからして渋いですが、それはそれとして名作ですね。先ほどのブログを参考にここら辺もゆっくり聴いていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

Aldous Harding /

Ennui、Tick Tock、Fever、Lawn、Staring At The Henry Moore、Bubbles、Leathery Whip

 from『Warm Chris』

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www.ele-king.net

 

 一昨年くらいに前作をお気に入りに挙げていましたAldous Harding。相変わらず牧歌的な音楽で助かります。

 前作に続いて非常にミニマルなアレンジで、なんかもう余裕というか自信のようなものを感じる。「このくらいでも聴かせられるし良さは伝わる」という。で実際そのようになっている。強い。

 曲ごとにボーカルのテイストがかなり変わるのがおもしろい。「Fever」と「Lawn」なんて(これ同じ人が歌ってるの?)と思っちゃう。

 いきなり変な言葉出しちゃうけど、なんというか”空間支配力”のようなものがほぼなくて、それゆえになんのストレスもなく日常的に聴けている。流すとその場の空気がパッと変わってしまう音楽があるじゃないですか、そういうようなものが非常に少なくて、それゆえにいつでも誰でも出入り自由だし、作品を再生する際の精神的なハードルがない。まあ言ってしまえば持続的な音遣いの有無が大きいのだと思いますが(あとそもそもの音色の変さ?)。なんとなく常になにかしらの音が鳴っていないと不安、みたいなのがあるような気がしますが、全然そんなことないんですよね。

 雰囲気が強くないのも特徴だと思う。ポジティブでもネガティブでも、暗くも明るくもない、みたいな音楽。曲自体はポップなんですけどね、味付けが精進料理みたいな感じ(?)。ゆっくりじっくり味わいましょう。

 

 

 

 

 

 

 

小林さん(CV.田村睦心)、トール(CV.桑原由気)、カンナ(CV.長縄まりあ)、エルマ(CV.高田憂希)、ルコア(CV.髙橋ミナミ)、イルル(CV.嶺内ともみ)、ファフニール(CV.小野大輔)、滝谷 真(CV.中村悠一)、真ヶ土翔太(CV.石原夏織)、会田タケト(CV.下野 紘) /

GIVE ME LOVE、Hey,lad!、朱色のプロムナード、うぃすぱー・うぃずゆー、ピースフルデイズ、I love your love,my love

 from 「小林さんちのメイドラゴンS」キャラクターソングアルバム『L・O・V・E』

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 アーティスト名クソ長いが致し方なし。バージョン違い楽曲を除けばお気に入り率が5割を超えているのでもうこれは問答無用の名盤です。

 上に挙げた曲の中では佐藤純一 (fhána)が2曲、伊藤真澄が1曲で、まあここらはもうあらかじめ決められた神曲たちみたいな感じなのですが、星銀乃丈という超若手が残り3曲を担当していて、自分は今回初めて知った方なのですがこれが一番大きな出会いだったのかなと。

 大昔に書いたのだけど自分はルコアさんの声にめっぽう弱いので関連楽曲はだいたいお気にに入ってしまう。といって「Hey,lad!」の全パートが好きかというとそうでもないのだけど(サビが良すぎるので総合的にお気にに入っちゃう)。「うぃすぱー・うぃずゆー」は才川リコがボヘるマイナスを踏まえても神曲。歌詞と曲調マッチしすぎだろ泣いちゃうぞ。「ピースフルデイズ」はブリッジ部分(「ほらね 出会えた」)のコードが舞い上がるところがfhánaだ!ってなる。でサビは徐々に下がっていくわけだけど、それがまるで空を滑空しているみたいで気持ちいい。

 良いアニメは音楽も良い。といいつつアニメを全く見れていないのでオタクとしてはおれはもう終わりです。おわり。

 

 

 

 

 

 

 

Stevie Wonder / You've Got It Bad Girl、Big Brother

 from『Talking Book』

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 なんか二月にピッチフォークがStevie Wonderのアルバム5作のレビューを急にまとめてアップして、そのときに聴きました。前にも聴いたことのある作品なので、今回初めてお気に入りになった曲だけ挙げてます。全体的にシンセの音と粘りが特徴だけど、まあ純粋に曲がいいですね。特にこの2曲は特段ドラマチックだったりポップだったりするわけではないですが、やたら中毒性が高いです。特に「Big Brother」は当時やたら脳内でリピートされてた。曲の構成的には、続く『Innervisions』の「Jesus Children of America」や「Don't You Worry 'bout a Thing」と同様の、繰り返しの中で徐々に盛り上がっていくタイプで、ある意味その2曲の青写真みたいな感じもある、かも。

 今さらですが「Don't You Worry 'bout a Thing」(神曲)の和名って「くよくよするなよ!」らしいですね。曲中の人を殺しそうな高さのテンションと乖離があるなと思いましたがまあビックリマークあるからいいのか。

 

 

 

 

 

 

 

サイレンススズカ(CV.高野麻里佳)、アグネスタキオン(CV.上坂すみれ) / transforming

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 インパクトあるのでライブ版貼ってますが音源はショート版なので注意。

 

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 ゲームウマ娘のメインストーリー5章『scenery』(スズカとタキオンメインの話)のテーマソング。普通に読んでて、クライマックスでこれが流れてきて死んだ。作編曲はMONACAから独立した田中秀和。この記事のあたまで取り上げた「駆ける、止まる」とは逆で、メロでは地に足着けて走っているけど、サビでビートレスになり空を飛ぶ。……ということで委員長の「光る地図」とかMythmakerが好きな人にハマるやつです。

 めちゃめちゃいい曲。あとやっぱタキオンかっこいいですね。これは夢女になってしまってもおかしくない。

 

 

 

 

 

 

 

Suburban Lawns / Flying Saucer Safari、Pioneers、Not Allowed、Anything、Mom and Dad and God

 from『Suburban Lawns』

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 カリフォルニア芸術大学の学生バンドの唯一作。今年のはじめにピッチのSunday Reviewsで取り上げられたのがきっかけ。

 反射神経の良いポストパンクで、言ってしまえばTalking Headsがもっとパンクに寄った感じ。「Mom and Dad and God」はボーカルの歌い方も相まってかなり”ぽい”。「Pioneers」30秒あたりのギターカッコよすぎんか? どの曲も1~2分しかなく、アルバムトータルでも30分切ります。名盤だと思う。悪いところがあるとしたら作品の少なさです。

 

 

 

 

 

 

 

Portable『My Sentient Shadow』(アルバム)

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Portable | ディスコグラフィー | Discogs

 

 こちらはRAのオススメから。Portableなるアーティストのアルバム。自分は初めて知りましたが、調べてみるとどうやら相当なベテランで、過去には~scapeやPerlonからもリリースしているらしい。

 非常に上品かつ上質なハウス/ポップで、感じとしてはDJ Kozeなんかが近いだろうか。ただあっちよりはずっと大人の落ち着きがあるけど(ジャケットイメージはよく嵌っています)。1曲選ぶならNiQ Eをフィーチャーした#3「Foreign To You」ですが、全体の流れがとても良いのでアルバム単位でも聴きました。

 

 

 

 

 

 

 

Woo『Paradise In Pimlico』(アルバム)

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https://jp.ra.co/reviews/18684 ←なんかいい感じ埋め込めないんですけどRAのレビューです

 

 Woo……って改めて確認するとこのブログではあまり名前は出てこないのですが、個人的にはRicardo VillalobosやSun Arawと同じくらい性癖に刺さっているアーティストで、ちょうど上に貼ったRAのレビューで知って、それからちょくちょく聴いたりしていたのですが。この前にふと聴きたくなってSpotifyで検索したらなんか新譜が出たらしいとのこと。でなんとはなしに聴いてみたらこれがかなり良かったです。

 自分の中ではそのレビューで取り上げられている『Awaawaa』のサウンドから音のイメージが更新されてなかったのですが(というのもAwaawaaとそれ以前の音源しか聴いていなかったので。まあAwaawaa自体も過去音源をまとめた編集盤なのですが)、今作ではなんかニューエイジっぽいとても綺麗な、きらきらしたサウンドが追究されています。もともとの音楽性の根幹であったクラウトロックはそのままに、サウンドのガワだけが恐ろしく綺麗で神秘的になった感じです(それまではゆるいサイケデリックロックという感じのサウンドでした)。

 たぶんですがノリと雰囲気で楽曲を展開していると思っていて、だからキャッチーな曲構造とかはなくて、ただゆらゆらと流れていってるだけみたいな感じなのですが、それでも全く問題がないくらいにサウンド自体が気持ちいいです。ピアノやチャイムなどのきらめくチェンバーサウンドが点描的に空からパラパラと降ってくるようなイメージです。これは彼ら的にも新境地だったのではないか。

 調べてみると10年代前半のリイシューブームが過ぎてからも、年に1~2作くらいのハイペースで新作を出し続けていたっぽいです。今作の内容も踏まえるとなんか全然”今”が最盛期っぽいですね。すごい。どうせ定期的に聴きたくなる音楽性なので過去作も気長に聴いていこうと思います。

 

 

 

 

 

 他にもメモっていた音源がかなりあるんですが、まだ消化しきれてないし、それにもう疲れたので次回(6月分で)取り上げることにします。

 近況ですが、YouTubeに生活が侵食されました。エルデンリングの実況をいろいろ見てたのがきっかけ……いやまあそれ以外にもホモサピとかあったのですが、とにかく日常が動画コンテンツで汚染されていて(いや別に動画が悪いわけじゃないんだけどね!)、当然それと引き換えになる形で音楽を聴く量が減っています。マジでオタクとして終わった感ありますが、一方でシンプルに時代の流れに乗っているのかな?という感じもあります。というかおもしろい動画あったらそれもここで紹介すればいいんだよね。そんな感じです。ではまた。