3か月も空くのはさすがにマズい…。とりあえずやっていきます。なるべく抜けの無いように、思い出しながら…
ちょっと量があるので2パートに分けます。パート1は原稿作業(2010年代の200枚のやつ)に伴う10年代の作品の聴き直しで見つかったお気に入り曲と、あと普通に自分で購入・入手した音源からのお気に入り曲です。
ということで、2010年代の作品より…
Linkwood / Hear The Sun
Linkwood & House Of Traps / Barely Eagle
Firecracker Recordingsの初期コンピ『The Early Emissions (EPs 1-4)』より。「Hear The Sun」は2分半くらいからぼや~っと出てくるコードの響きが良すぎる。「Barely Eagle」は3分くらいから徐々にメインのメロディーが出てくる、8分近くある壮大な曲。なんか映画のオープニングとかで流れていそう。
Real Estate / Horizon、Navigator
2014年作『Atlas』より、ラスト2曲。今回取り上げる曲はアルバム中盤~終盤の曲が多いです(聴き込みが足りなかった曲たち)。
「Horizon」ちょっととぼけた調子のAメロとは裏腹の疾走感とエモさのあるコーラスがかっこいい。たぶんアルバム中で一番テンポが速い。「Navigator」アルバムを締めるにふさわしい、のどかでどこかノスタルジックな響きのある佳曲。「I'll meet you where the pavement ends」の一節が切ない。たぶん10年代のこのバンドに関しては『Days』派と『Atlas』派に別れるんだろうなという…(自分は後者)。
Ought / Around Again
2014年、デビュー作『More Than Any Other Day』より。良すぎる…キャリアでもトップクラスの名曲だと思う。3分過ぎたころに一度ブレイクが挟まるんだけど、その後の展開もめっちゃ良くて…。Oughtのギターサウンドが一番好きかもしれない。。
Pulse Emitter / Volvo、Far-Off Bliss
Beer On The Rugからの2015年作『Digital Rainforest』より。「Volvo」Foodmanの「Yami Nabe」しかり、こういうリズムに乗って変調していくタイプの楽曲がツボっぽい。「Far-Off Bliss」はクラウトロックに通じるスペーシーなアンビエント。
RODRIGO CARAZO / PASANTIA、MIRANDO ARRIBA
これらもアルバム『Oír e Ir』終盤の曲。この曲に限らないけどサウンドがもう……キラキラしてるんだよね。アコギのアルペジオが太陽の光を乱反射している。。 フィールドレコーディングか?虫の声なども入っている。この爽やかすぎるサウンドが衝撃で文脈を無視していろんなリストに突っ込んでいる次第です。ANTONIO LOUREIROとかここら辺のアーティストってPitchforkなどのメディアは取り上げないんだろうか(こういう領域に関しては日本のメディアは優れているなと思う)。
Radiohead / Decks Dark、Desert Island Disk、Identikit、
Tinker Tailor Soldier Sailor Rich Man Poor Man Beggar Man Thief
(挙げてないけどこの曲も本当いいリズムをしている…)
今回の聴き直しでようやく掴めてきたアルバム『A Moon Shaped Pool』より。どの曲もミニマルながらリズム的な快感がしっかりあってすごい。必要十分感。
「Decks Dark」のイントロなんてすごく控えめだけどそれでもしっかり気持ちいい。ピアノのリフがドラムのアクセントの間にちょうど嵌るから…? 「Desert Island Disk」はシンフォニックなボッサという感じ。「Identikit」はロック的なかっこよさがある。トムの最新ソロに通じる部分もあるような。「Tinker Tailor Soldier Sailor Rich Man Poor Man Beggar Man Thief」もね…最小限のドラムサウンドでEDM的なスケールの大きさを表現できてるのが…すごい。ちゃんとビルドアップの快感がある。
いや本当に……細かなニュアンスのコントロールが完璧。こんな小さな音でメジャーフィールドの派手な曲群と同じ雰囲気が出せるのか!?という。あと全体的にギターの使い方がうますぎる。そんなに出番があるわけでもないのにめちゃくちゃ存在感がある。ソングライティングの良さは従来通り(最高ということです)だけどサウンド・アレンジのクオリティがちょっと異次元レベルに達している。そんな感じ。
Black Spasmodic、Movin Backwards、Conrad Tokyo、The Donald
最終作『We got it from Here... Thank You 4 Your service』より。「Black Spasmodic」ピアノのコードとシンプルなベースがリードする軽やかな曲。「Movin Backwards」ベースメインのファンキーなトラックが、中盤あたりからピアノが入りだんだん華やかになっていく。「Conrad Tokyo」ちょいシリアスなムードの楽曲はやがて丸い音色のシンセによるソロに突入していく。最終曲「The Donald」初期の代表曲「Can I Kick It」を彷彿とさせる、ユーモア溢れるゴキゲンな曲。アルバム冒頭の「The Space Program」のコーラス部のリフレインも交え軽快に進んでいくが、だんだん混沌と…。
前にツイで書いたけどやっぱ1st・3rdにあったユーモアが戻ってきたことが大きい。サウンドはドープでありながらもスムースでキャッチーで…どうなってるんですかね、このバランス感覚は…。
ドラゴンハーフ(新田忠弘) /
シチテンバットウね…してるの、
海辺でトランペットの音をあわせながら口笛を吹いているカッコウ、
うきうきわくわく、草原はどこだ?、
純情通り商店街を遊園地の汽車がマーチで横切る、
動かない動けないピアノが一服する。「ふぅ〜」、
色違いの5人組が描いてある扇子で踊りまくる水の王様&兵士
10年代聴き直しは上で終わり、ここからはいつも通り。
ゲーム音楽ディスクガイドの刊行記念トークイベント、およびイベントで頒布された『ゲーム音楽レヴュウ Vol.01』で出会った作品。ドラゴンハーフという漫画作品を原作としたゲームのサウンドトラック。読んだことないですがギャグが主体の作品らしく、音楽もそれに合わせたコミカルな曲が多いです。というか曲名(長い)からしてそんな空気が…。
ハチャメチャでめちゃくちゃ忙しない曲調が特徴と言えば特徴なんだけど、代わりに放し飼いにされた奔放なメロディーが独特のきらめきを放っている。「シチテンバットウね…してるの」が作品全体のメインテーマみたいな感じ? それをもう少し牧歌的にした「うきうきわくわく、草原はどこだ?」ではメロディーの美しさ・楽しさが堪能できる(「シチテンバットウ…」はアレンジ含め忙しなさ過ぎて落ち着いて楽しめない)。
一度ハマるとやみつきになってしまうタイプの作品。とにかくメロディーが強烈で頭に残る。あとめちゃくちゃテンションが高いので気分転換になります(小学校の運動会を4倍速くらいで見てる感じ)。「シチテンバットウ…」のサビ部分、バンジョー?のアルペジオが伴奏で入っているのだけど、それがあまりにも速すぎて聴くたびに笑ってしまう。アマゾンのマケプレで中古1円で買いました。
NAMCO SOUNDS / アトラクトミュージック、モードセレクトミュージック、撮影後待機ミュージック、らくがき中ミュージック、テーマ系撮影・雨、テーマ系撮影・教室
【新譜配信】新譜『花鳥風月シリーズ「雪月花3」』を配信中!まさかのプリクラシリーズからリリースです。プリクラといえど、サウンドはこだわっていますよ。おじさん達が、普段なかなか耳にしないサウンドばかりかも!? - https://t.co/RinZkj67XO #iTunes
— NAMCO SOUNDS (@NAMCOSOUNDS) July 9, 2013
ゲーム音楽ディスクガイドで紹介されていた作品。ナムコによるプリクラ機『花鳥風月シリーズ「雪月花3」』のサウンドトラック。トークショーでもこんな作品まで掘ってるの!?と話題になっていた(アップルミュージックで配信されています)。当時(2006年)のナムコのキラキラしたサウンドを短い時間にギュッと閉じ込めたイケイケなポップミュージック。ゲームセンターでみんなでワイワイするために作られた楽曲は楽しい雰囲気でいっぱいだ。
アルバム後半は撮影時のフレームに合わせたテーマ別の楽曲が収められている。どれも30秒足らずでしっかりと特定のムードを演出している。 前半の元気な楽曲に続けて聴くとその雰囲気の落差に思わずうっとりとしてしまったり。
Sandro Perri / Time (You Got Me)、God Blessed The Fool、Back On Love
なんかあんまり話題になっていない感のあるSandro Perriの新作『Soft Landing』より。かなり(曲的に)ふわふわしていた前作に比べて曲が掴みやすくなっている。「God Blessed The Fool」は極限までレイドバックしたソフトなファンク。極上のとろとろ感を味わえる。「Back On Love」優し気なムードのフォーク。いずれにしても浮遊感のあるアレンジが気持ちいいです。
ソングとしての体裁が整ってる今作に比べると前作(『In Another Life』)は実験的な気がする。未消化なので聴いていかねば…。『Soft Landing』はとても聴きやすくてすぐに好きになってしまった。ジャケットからして『Impossible Spaces』のアンビエント版という感じがする。
James Blake / Assume Form、Into The Red、Power On
新作『Assume Form』より。ようやく馴染んできた感じがある。どれも特定のフレーズを繰り返してゆっくり盛り上がっていくスタイルの曲で、自分の好み(Jamesの好み?)がよくわかる。アルバムは全体的にゴスペルなどの教会音楽的な要素が強く、そういう意味ではカニエの新作とも通じるところがあるかもしれない。アルバム中盤の「Can't Believe The Way We Flow」~「Are You In Love?」の流れや、「I'll Come Too」~「Power On」の流れの祝祭感にはすごいものがある。というかもう曲名が宗教っぽいよね。サウンド的にもテーマ的にもd'Eonを思い出すところがある。これ8.0点はいきますけどね~…
Yoshino Yoshikawa /
Cycling、Taking Shelter (with Yunovation)、Don't Leave Me (with Noto)
大好きな芳川よしのの新作…というか初のメジャーフル『Ultrapop』より。とても流れのよく練られた作品で、良質なミックス作品のようにすらすらと曲が流れていく。アルバムは「Night Ride (with LLLL)」~「Entertainer」で前半のハイライトを迎えた後、若干テンポを落としてチルに向かうのだけど、ちょうどその部分にあたる中盤の3曲をチョイス。はじめてまともにボーカルによる歌が出てくる場面でもある。特に作中いちばんテンポのゆっくりな「Taking Shelter (with Yunovation)」が好きで……めちゃくちゃ癒される……。「Yoshino Yoshikawa」とつべで検索してこの曲がトップに出てくることがとても嬉しい。アルバムには収録されてないけど「Green Hill (with ONJUICY)」も超名曲なのでこれも聴いてください。
AUAUA / Pretty Pop Party-Pastel
英涼太 / Sky Island-Sea
動画の5分半くらいから挙げた曲が流れるよ。
9月の下旬に開催されたバーチャルマーケット3のサウンドトラックより。やっぱカラフルだったり牧歌的だったりする曲が好み。なんかすごいペースで開催されてるんですけど、これ開催されるたびにサントラが作られるのヤバいですね…。
【拡散希望・Vケット4のComposer募集】
— バーチャルマーケット /Virtual Market (@Virtual_Market_) November 24, 2019
会場のBGM製作という形で関わって頂けるスタッフ「Composer」を公募致します。
・担当したい会場
・得意ジャンルやポートフォリオ
等をご記入頂き、ご応募下さい。
楽曲は会場BGMとして使用される他、OSTにも収録予定です。https://t.co/I5cPJdYvSk#Vケット pic.twitter.com/jzgh9mNYZ1
次回のバーチャルマーケットのBGMのお仕事も募集しているようなので興味があればぜひ…。
豊平区民TOYOHIRAKUMIN AND COLORFUL INTONATION /
カラフル・イントネーション、パイキー・シャーキー・ショーキー
知らぬ間に出ている豊平区民TOYOHIIRAKUMINの新作『BIARD LAND』。今作ではCOLORFUL INTONATIONという……なんだろう、家族?的な存在との共作。共作というか、子どもの無邪気な音声がめっちゃ入っている。ある家庭で昔撮られたビデオテープ、あるいはフォトアルバムを覗き見ているような、そんな作品。豊平区民のトラックも音声に合わせたキラキラしたエレクトロニカに寄っており、かつての蒸気な感覚はほとんどない。
表題曲の「カラフル・イントネーション」は変哲の無い…というとアレですが、まっとうなエレクトロニカ良曲。「パイキー・シャーキー・ショーキー」は子どもの声を大胆に使用した牧歌的な曲。癒される~。音色に以前のような曇りはなく、ジャケットのクラゲのように透き通っている。
小泉今日子 / 魔女
会社の社員旅行にて車で移動中にラジオでかかって一目ぼれした曲。当時(85~86年)のプリンスの作品を彷彿とさせるシンセのサウンドが印象的。というか普通に曲がいい(松本隆と筒美京平というめちゃつよのコンビによる)。小泉今日子なんて意識して聴いたのこれが初めてだ。中古でこの曲が収録されているアルバムを買ったのだけど聴いてみたらめっちゃ音飛びしててしょんぼり。
あいみょん / 葵
映画「空の青さを知る人よ」のエンディング主題歌。映画の内容もめっちゃ良かったのだけどエンディングで流れたこれがとびきり良くて最高の体験となりました…。あいみょんも意識して聴くのはこれが初めて…。すごい真っ当な青春ソング。なんか名前からすごくトリッキーな音楽作ってるのかな…?とか思っていたけどそんなことなかった。サビの歌メロが良すぎる。いやーこういう曲久しぶりに触れた。アレンジも爽やかで…。歌詞もいかにもJ-POPという感じ(抽象的でなんとなくエモい)なんだけどさ~これはいいです…。
Tot Taylor & Mick Bass / Sidewalk Symphony
Lynnのミックスで使われていていいなーと思った曲。アルバム『Music for the Left-Handed』より。グネグネしたシンセ?を使った捻くれたポップで、Graham Kartnaなどのサウンドの流れにある。これは90年発表の作品だけど、おれはこの流れをもっと遡らねばならない…。
続きはパート2で。