2021年に聴いてよかった作品

 2021年の年間ベストです。

 

 

選抜範囲

・自分が2021年1月〜2021年12月の間に聴いた音楽作品。
※旧譜もバリバリ入っています。

 

 

選抜基準

・作品の完成度

・自分の好み

・音楽性のユニークさ

 

 評価基準の中では上2つがメインで、3つ目の「音楽性のユニークさ」はボーナス点みたいな扱いです。繰り返しますが旧譜も普通に入っていますので注意。特に今年は00年代まとめみたいな作業をしたので、00年代の作品が例年より多いです。

 

 

 コメントは「その作品の推しポイント」や「なぜその順位にしたのか」について書いています。

 ここで挙げられる作品のほとんどは過去にブログで取り上げたものであり、またそのときに作品の音楽性や周辺情報はまとめているので、もし気になる作品があったらブログ下方の検索窓でアーティスト名などで検索してみてください(たぶんPC版のみです!)。それか特集タグの付いてる記事を順に当たっていけばそのうち出てきます。

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 試聴用にYouTubeの動画を貼っているので閲覧はPC推奨です。

 

 それではどうぞ~。

 

 

 

 

 

 

 

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25.

KIRINJI / crepuscular

(2021)

 

www.youtube.com

 堀込高樹のソロプロジェクト移行後最初のアルバムで、15作目。アルバム単位でサウンドやテンションに統一感があり(それも自分好みの内省的な感じな)、サラッと一枚聴き通せるのが良い。加えて数曲の神曲の存在……それも冒頭の配置という、聴き手を初聴からガシッと掴んで離さないアルバムの構成が巧みだなあと思いました。というか15枚もアルバムあるのか、過去作聴かないと……

 

 

 

 

 

 

 

 

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24.

The Drones / Wait Long By the River and the Bodies of Your Enemies Will Float By

(2005)

 

www.youtube.com

 オーストラリアのバンドの2nd。ブルージーなガレージパンク。錆びた刃物を連想させる凶悪なギターサウンドが特徴。こういう電気~!といった感じのサウンドが個人的なツボ。繊細なノイズのコントロールと、それを活かした楽曲の構成にはSonic Youthに通じるところがある。スロウな楽曲における深い情念の籠ったパフォーマンスの凄まじさ。聴いていて背筋が凍る思いがする。アルバムの最初と最後の曲が飛び抜けて名曲、という構成も良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

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23.

Dear Nora / Mountain Rock

(2004)

 

www.youtube.com

 アメリカはポートランドのバンドの3rd。ほぼほぼ弾き語り?なローファイ・ポップ。最低限のアレンジが歌の持つ力をダイレクトに伝える、「歌心」のアルバム。歌心が作品の中心という意味でGuided By Voices『Bee Thousand』や後に出てくるGrouper『Shade』に通じる。音楽的な“圧”のようなものが全くないのでどんな気分のときにもフィットする。よく聴きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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22.

Phoenix / Alphabetical

(2004)

 

www.youtube.com

 フランスのバンドの2nd。おしゃれなロック/ポップ~R&B。人によってかなり評価が異なる作品(実際、メディアの評価が高い作品というわけではない)だが、自分が本作を評価するのはひとえにその音楽が非常に洗練されていると感じるから。特に#2「Run Run Run」、#8「If It’s Not With You」は文字通り完璧な出来。蛇足ですが後者はSpotifyによれば自分が今年(Spotify上で)一番再生した楽曲らしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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21.

Calum Bowen / Pikuniku Original Soundtrack

(2019)

 

www.youtube.com

 bo enとしても知られるアーティストによる、2019年に発表されたゲーム『Pikuniku』のサウンドトラック。基本的にはミニマルな作りで楽曲がスッと入ってくる。そういう意味では上述の『Mountain Rock』と似通っているのだけど、こちらはよりムードが楽し気で楽曲も素直にポップ。用途別、みたいな感じでこちらも日常でよく聴いた。ゲームもそのうちやるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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20.

Fugazi / The Argument

(2001)

 

www.youtube.com

 ワシントンDCを拠点とするバンドの6作目(最終作)。自分はまだ掴めていないけどジャンルとしてはポスト・ハードコア。それまで(ふーん)くらいに思っていたものが輝いて見えだしたのはアルバム後半、特に#8「Oh」から終わりまでの流れが掴めてから。4曲ともに名曲で、かつ流れが良く、最高の形でアルバムを締めている。序盤の楽曲の振り切れた勢いも良いが、中盤以降の構築的な曲にも渋い味わいがある。バンドの多様な側面の詰まった名作。

 

 

 

 

 

 

 

 

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19.

Grouper / Shade

(2021)

 

www.youtube.com

 アメリカのSSWの、別名義の作品も含めると12枚目の作品らしい。シンプルなフォーク。過去15年間で録りためた楽曲のコレクションであり、あまりサウンドに統一感はないが、純粋な歌心だけは全編に共通している。Dear Nora『Mountain Rock』もそうだけど、この手の音楽は作品を再生する際の精神的なハードルが低いのが良い。いつでも聴けて、じんわりと心を温めてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

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18.

Scott Orr / Oh Man

(2021)

 

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 カナダのSSWの3rd? 浮遊感のあるアンビエント~ジャズ~フォーク。ボーカル含め、アンビエンスを極端に重視したプロダクションで、楽曲もそれを活かすように隙間がたっぷり取られている。単純に柔らかなサウンド自体が心地よく、なにはなくとも部屋空間に流しておきたくなる。そういう意味で個人的にはKhotin『New Tab』やJerry Paper『Fuzzy Logic』に通じる作品。サウンド的にどうしても籠もった感じは出るが、同時に爽やかなフィーリングもあるのが良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

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17.

Faye Webster / I Know I'm Funny Haha

(2021)

 

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 アトランタのSSWの4th。カントリー風味のドリームポップ。楽曲はこれ以上ないほどにシンプルだが、アレンジや録音がこれ以上ないほどに(二度目)充実している。そのシンプルさゆえに曲だけに注目しているとファストに消化できてしまうが、豊かな音の響きや演奏のタイム感に注目すればそれこそ永遠に聴いていられるだろう。一流の、円熟したサウンドを堪能できる逸品。

 

 

 

 

 

 

 

 

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16.

Bjørn Torske / Feil Knapp

(2007)

 

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 ノルウェーのプロデューサーの3rd。陽気なダブ・レゲエ~ハウス。このアーティストについてはele-kingにて野田努が丁寧にまとめている。それを踏まえた上で、繰り返しになるのだがやはり、なんでもアリなユニークな音楽性と、明るく楽しげなフィーリングが一番の魅力と思う。ここまで屈託のない、爽やかな音楽も珍しいだろう。その価値は聴き手を取り巻く環境がシリアスになるほど増していくのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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15.

小袋成彬 / Strides

(2021)

 

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 日本出身ロンドン在住のアーティストの3rd。現代的なプロダクションで作られたネオソウル。現代社会を構成する一人の当事者としての強いメッセージが刻まれている。自身の平均以上の成功を告白するなど歌詞にはポジティブな部分もあるが、全体的にはより切実さを増しており、なんというか世知辛い感慨を抱かされる。「Work」は「Gaia」に並ぶキャリア屈指の名曲で、詞・フロウの小気味よさが振り切れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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14.

ゑでぃまぁこん / 綿の煙の招待状

(2009)

 

 姫路のバンドの、アルバムとしては3枚目だか4枚目。前にも触れましたが作品がぜんぜん流通していないのでYouTubeで視聴しています(Bandcamp配信希望)。穏やかで夢見心地なフォーク。一般的なバンド編成にサックス・フルートを加えた柔らかなサウンドが特徴。「くさり」「てんとちと」といった名曲の存在やまとまりのあるアルバム構成があり、よく聴いた。YouTubeでしか聴いていない作品を入れるのもどうかと思うけどマジで作品が流通していないので許してくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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13.

Jazmine Sullivan / Heaux Tales

(2021)

 

www.youtube.com

 フィラデルフィアのアーティストの4th。折衷的で芸術的なソウル~R&B。バラエティ豊かでありつつも引き締まっており、アルバム単位でダレることなく聴き通せるのが強い。ピッチフォークの年間ベストでL’Rain『Fatigue』とトップを争っていたが、(アルバム単位だけでなく)曲単位でも完成されている点と、単純な「歌」としての強度でわずかに勝ったのかな、と勝手に想像している。個人的にも、初見時の衝撃では負けるが、より長く聴けるのは確実にこちらだと思っている。……と、ピッチ関連の記述は蛇足です。今年一番アルバムというフォーマットを活かした作品。

 

 

 

 

 

 

 

 

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12.

Sam Prekop / Who's Your New Professor

(2005)

 

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 シカゴのアーティストの2nd。牧歌的なソフトロック。世紀の傑作であった1作目を意図的に無視することで本作独自の良さが浮かんでくる。それは中盤以降における朴訥さ……テンションのフラットさであり、本作以上に「なんでもない日常」にフィットする音楽作品はないだろう。自他の、そしてこの世のあらゆる作品に籠められた過剰な感情に疲れたときに聴くといい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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11.

Steely Dan / Can't Buy A Thrill

(1972)

 

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 アメリカのバンドのデビュー作。これはあくまで自分のケースですが、戒めのためにも書いておくと、Steely Danは『Aja』以前も……というかファーストの時点から完璧でした。その上で本作にユニークなポイントを挙げるなら「風通しの良さ」。映画の主題歌に使えそうなほどのドラマチックさと、日常でも聴けるような軽やかさが同居している。「一流のロック」なんていう胡乱な概念がここに顕現している。

 

 

 

 

 

 

 

 

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10.

君島大空 / 縫層

(2020)

  

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 日本のSSWの2ndEP。煌びやかなサウンドと劇的なソングライティングが輝く、うーん……J-Pop! 曲単位の強さでは間違いなく今回のリストのトップなのだけど、複数曲でまとまったときのシナジーがそこまでなかったのでこの位置に。EPだけどベストアルバム的な味わいがある。七尾旅人の1stのファンはマストです。個人的に、アーティストとしての総合力という意味なら白紙や諭吉を抑えて日本の若手(?)でトップだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

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9.

Lil Ugly Mane / Volcanic Bird Enemy And The Voiced Concern

(2021)

 

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 バージニア州リッチモンドのアーティストの……これまでの作品を考えると異色作となる新作。ヒップホップのビートの上でコミカルな音が転がるキュート?なポップス。スカムな感性が光るキワモノ的な音楽性はここにきて一転し、クリーンかつ爽やかな路線へ。ファンからは賛否ありそうだけど、この完成度の高さの前では文句も出ない。中盤の流れの良さには目を見張るものがある。今後の動向がいま最も気になるアーティスト(マジでなんでもできそうなので)。

 

 

 

 

 

 

 

 

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8.

諭吉佳作/men / からだポータブル

(2021)

 

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 若手SSWの、二作同時リリースされたデビューEPのうちの片方。単独記事でだいたい書いた。今年自分が触れた作品の中では一番「新しさ」がある。EP最後の3曲の流れが非常に良く、作品を聴き通したときの印象を鮮やかなものにしている。これからどんどん音楽性変わっちゃうかもしれないけど、今作にも(特に終盤の流れを聴くと)すでに到達点のような風格があるので、後腐れなく活動を追っていくことができそうな気がしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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7.

Max Tundra / Mastered By Guy At The Exchange

(2002)

 

 イギリスのアーティストの2nd。奔放なエレクトロ・ポップ。賑やかで楽しげなフィーリングやなんでもアリなスタイルはBjørn Torskeに通じるところがある。一つのすばらしいアイデア固執せずにおもしろいアイデアをどんどん放り込むところなど、なんというか「(自分の思う)ポップ」の実践者、という感じがする(他人に伝わるかはわからない)。今回のリストの中では一番ポップな音楽です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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6.

Lewis Taylor / Lewis Taylor

(1996)

 

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 イギリスのアーティストのデビュー作。格調高いネオソウルにJeff Buckleyを彷彿とさせる劇的なソングライティングを導入したもの。曲の構造がある程度複雑なので少しハードルが高いけど、一度盛り上がるパートが掴めるとぐいぐい引き込まれていく。君島大空もそうですけど、カタルシスのデカさがね、他とはちょっと桁違いなんですよね。果たして新作は出るのでしょうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

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5.

James Holden / Balance 005

(2003)

 

 (二枚組の作品で、このコメントはDisc2に対するものです。)トランス~プログレッシブ・ハウスでブイブイいわせてたイギリスのプロデューサーの、その路線での(おそらく)最高傑作。というかもうその「ジャンルの」最高傑作なのでは?という思いがある。この官能的に揺らめくウワモノに魅了されない輩がいるか? 聴き手を問答無用で引き込むパワーと芸術性を両立させた怪物DJミックス作品。

 

 

 

 

 

 

 

 

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4.

Aimee Mann / Bachelor No. 2 or, the Last Remains of the Dodo

(2000)

 

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 アメリカのSSWの3rd。グランジ以降のささくれ立ったサウンドの感傷的なバラッド集。Beck『Sea Change』のファンは気に入ると思う。アレンジもプロダクションもソングライティングも全部完璧で、もう、書くことがない。あとは受け手の趣味の問題です。当時の多数派の感性を掴めていないのでアレだが、それでもこの作品を手放したInterscopeは短絡的だったと思わざるを得ない。久しぶりに流すとカラオケ大会が始まってしまうタイプの作品。

 

 

 

 

 

 

 

 

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3.

月ノ美兎 / 月の兎はヴァーチュアルの夢をみる

(2021)

 

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 にじさんじ所属VTuberのデビューアルバム。アイドルや声優の作品でよく見られる複数のプロデューサーに曲を提供してもらう形式で、実際それぞれの楽曲の方向性もバラバラだが、アルバムとして見ると不思議なまとまりが感じられるのがおもしろい。それはそれとして一つ一つの楽曲の充実度合いが図抜けていて、アルバムがなんかマンガでよくある「最強を決めるトーナメント」みたいな様相を呈している。アニソン的な成分が苦手であっても触れる価値があるエンターテインメントの塊で、時代的・流行的な意味でもマストな作品。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2.

Phonolite Strings / Phonolite Strings

(2012)


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 水谷浩章が主催する、ストリングス+フルートという編成のユニットの作品。どこまでも柔らかなサウンドがまずツボなのだけど、不思議な味わいの楽曲もすばらしい。ユニットの特徴は上に貼った「カフェおじさん」ですべて掴めると思うので、まずは聴いてみてください。個人的には今年最大の掘り出し物という位置づけですが、掘り出し物というのはちょっと失礼な表現かもしれない。コミカルで軽やかで少し不思議な極上の室内楽集。

 

 

 

 

 

 

 

 

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1.

Serani Poji / MERRY GO ROUND JAILHOUSE

(2010)

 

www.youtube.com

 

 実は2019年にセラニの作品をまとめてツタヤで借りた際に出会ってはいたのだけど、それからかなりの間をおいて、思った以上にハマり込んでしまったのでした。セラニポージ(ササキトモコ)の4作目にして現時点での最終作。

 これはなかなか推しポイントを説明するのが難しい……音の機能性では2ndに劣るのだけど、音と曲と詞……作品を構成するすべての要素が、最終的に「物語」という一点に収束していて、その物語の体験がたまらなく感動的。だから、なんというか、「音楽」のアルバムじゃなくて「ストーリーテリング」のアルバムなんだよね。ナラティブかな?

 音楽性ではこれより優れた作品はいくらでもあるけれど、音以外の面も含めた総合的な芸術性の高さではこれを超える作品はなかなかないと思う。これはつまり、音と曲と詞の組み合わせによっては単純な足し算以上の結果が得られるということで。詞を理解したら個人的な評価がひっくり返るような作品が(おそらく)無限にある、ということでもあるんだけど。

 そしてセラニポージというアーティストの大きな魅力の一つである「ギャップがもたらすおかしみ」は今作でこれ以上ないほどに極まっている。公式でビデオが上がっている「笑うカエル」を一度聴いてみてほしい(上に貼ったものです。アニメーションで歌詞が示されます)。作中で起きている出来事のコミカルさと男の心の悲痛さ、そして歪んだギターが唸るかっこいい楽曲のギャップが、名状しがたい感動を生んでいます。そしてこの感動はやはり詞だけでは足りなくて、曲と合わさることで初めて生まれるものなんだと思う。

 童話的な世界観は人を選ぶかもしれないけど、他の要素とのギャップを深めるのに貢献しているし、なんにせよ本作の芸術性の高さを損なうものではない。音だけ聴いたらそつのない小綺麗な作品だねと感じるかもしれませんが、歌詞と一緒に味わうことで他の作品よりも一段深い体験ができます……あーダメだ、歌詞を意識しながら聴くたびに涙が出る。マジで自分の心の深いところにグサッと刺さってしまっている。なんか自分としても例年と比べるとちょっと異色かも?と思わなくもないんですが、刺さってしまったんで自分ではもうどうしようもないです。モノはあまり流通していませんがiTunes Storeダウンロード販売などしてるのでぜひ入手して聴いてみてください。

 

 

 

 

 

番外編 今年聴いてよかったアンビエント

・Alejandra and Aeron / 『Scotch Monsters』

・Arooj Aftab / 『Vulture Prince』

・Claire Rousay / 『a softer focus』

・Nala Sinephro / 『Space 1.8』

Stephan Mathieu & Ekkehard Ehlers / 『Heroin』

 

 

 

 

 

 以下雑文。

 

 年々、なにかを順位付けることが個人的に難しくなってきています。昔はこういうの大好きだったんだけどな~なんでだろう? 今回のランキングも10位くらいまでは自分としては固い感じなんですが、以降はもう暫定です。

 思ったよりも最近の作品が入っているので頑張っとるな!という感じ。ぶっちゃけリアルタイムでその年のベストを決めるのは無理! 他所の年間ベストで初めて知る作品だって無限にあるし、そういうのも含めて消化しきってから総括すれば?とは毎回思ってるけど、それでもやるのはこれが一種のお祭りだからなのかなと思う。後年の再評価前提のお祭り!

 そういう認識があるので、毎回、自分の年間ベストは過去作も入れた超個人的なものとして作成しています。これこの位置に書く内容じゃないね。

 

 ソシャゲに人生を侵食された影響……だけではないと思うのだけど、だんだんメディアをあんま見なくなっている。もうピッチフォークくらいしかチェックしてないです。RAも見れてないから露骨にダンスミュージックを聴く量が減っている。

 TMTの不在がデカい……とは去年の年ベス記事に書きましたけど、改めて確認したらFACT誌も年間ベストやらなくなっているんですね。再開したらしい紙媒体の方でやってるのだろうか。自分の中ではTMTとFACTの年間ベストが一番“変”でおもしろかったと思っているので、寂しいというか実際にいろんな作品を見逃していると思う。真面目にBandcamp Dailyをチェックしろということか…。

 

 リアルタイムの音楽がこれだけランクインしてるのはほぼSpotifyの恩恵なので感謝しています。Spotifyがないとやっていけない身体になっちまった……。アーティスト側からしたらどうなのかな、とは思ったりもしますけど。Arooj Aftabのアルバムとか、前は聴けたのに今は聴けない、みたいな作品もちょくちょく見かけるので。

 

 とりあえず、またそのうち近年のお気に入りをまとめたミックスを作ろうと思ってるのでよろしくお願いします(?)。来年も良い音楽に出会えるといいですね。