プリティーリズムテレビシリーズ完走記念与太話(AD、DMF)


 今日(6/5)の早朝、とうとうプリティーリズム・レインボーライブを観終わることができました。いやもう端的に言って最高でした… プリパラも一応リアルタイムで追えてるので、これで今年3月頃から観始めたプリティーシリーズのアニメの主な部分は観ることができたことになります(一応、傑作選扱いであるプリティーリズム・オールスターセレクションと劇場版が残ってはいます)。
 (プリパラは別として)元々は「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(以下、キンプリ)を去年の冬に観て衝撃を受けたのがきっかけで観始めたシリーズですが、とりあえずの目標はキンプリの続編である「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」(以下、キンプラ)の6/10の公開前にシリーズを一通り観ることでした。今回それを達成することができたので、後はなんの憂いもなく劇場公開を待つのみなんですけど、それまでに時間的な余裕が少しあるので、ここでちょっとシリーズについてつらつら書いていこうかと思います。
(手間もあるので直截的なネタバレは避けるようにしますが、まあ基本与太話です。)





プリティーリズム・オーロラドリーム
 実は過去に一度視聴を試みたことがあったんですけど、そのときは7話くらいで挫折してました…。実際の放送開始時期は2011年の春からだったようですね。その頃は自分は大学に入りたてで、アニメは観てはいましたけど、まだ女児向けの作品には欠片ほども興味がありませんでした。興味を持ち始めたのはけっこう後…最初に観たのは「Go!プリンセスプリキュア」だったので、大学生活の後の方ですね。それまでは自分が見たことも考えたこともないようなお話が好きだったんですけど、そういう作品を観始めてからは(新しさがなくてもいい話はいい話だな…)とか思ってた記憶があります。また、年単位で映像作品を追ったことがなかった(特撮とかも観てないです…)ので、作品と一緒に積み重ねていく時間の重さも新鮮に感じていました。



 さてオーロラドリームですが、観始めてしばらくは(いいペースで話が進むな…)とか(マスコットかわいくねえな…)とかそのくらいの感想とも言えないような感想だったのですが、それが変わり始めたのが6話、りずむちゃんの母親への強い執着があらわになるシーンでした。

 イベントに母親が急遽来られなくなり泣いている子に対して「泣いちゃだめ! もっと強くなるの!」と言い放つりずむちゃん。そのあまりの剣幕に正直引いてしまったのですが、終盤になれば解決するだろ…と思いそのまま先へ。しかし結局りずむちゃんの心の問題は全く、ほんっとに全く解決の目を見ないままその回は終わるのでした。(後味悪っ! こんな終わりってアリなの??)と思い、このアニメちょっと普通じゃないかも…と自分の中のイメージとの違和感を持ち始めたのがこの回でした。(改めて考えると、初めてシリーズの本筋がはっきり示された重要な回だったと思います。「プリズムの輝きはいつもここに」なんてサブタイトルもそれっぽいですし。)



 このアニメ普通じゃない…という思いが確信に変わったのは1クール目のクライマックスである11、12話でした(1年もののアニメも1クールもののアニメと同じタイミングでクライマックスを持ってくることが多いようですね)。今までファッション分野以外は平凡以下というように描かれてきたあいらちゃんが、本人の不断の努力によって周囲の予想を超えて結果を出す回です。

 自分はなにかがこちらの想像を超えることによってもたらされる驚きというものが大好きなんですが、この回ではあいらちゃんがとても鮮やかに想像を超えてきます。自分の大好きな作品である「ハンター×ハンター」の製作にまつわる話で、『仲間を一般的な正答にたどり着かせた上でさらにその斜め上の答えを主人公に出させる(意訳)』、なんてものがかつてあったように思うのですが、この回ではそれがまさに完璧な形で成し遂げられているように思うのです。またハンターで主にその役割を担っていたゴンは、特に初期では何を考えているかよくわからないブラックボックス的な印象が自分にはあったのですが、あいらちゃんにはそういう感じはなく、ちゃんと自分の頭で考えているように描写されているのも好印象です。
 エピソードなど具体的に書くことはしませんが、シリーズ中でもあいらちゃんというキャラの個性が一番よく表れている回なのでは、と思います。また、キャラの心の動きがリアルタイムでプリズムショーに反映されていく様子も単純にドラマチックで見ごたえがあります(これ、キンプリで感じたゾワゾワと同じだ…!なんて一人感動してました)。



 最後にもう一話だけ……#21「嵐のサマークイーンカップ」です。プリリズファンの間ではもしかしたら有名だったりするのだろうか。せれのん(セレナとかのんという二人のキャラによるユニット)という新登場のライバルとの決戦回です。
 …上でネタバレ避けます〜なんて書きましたけど、これは触れずに書くのはちょっと無理ですね。ぶっちゃけ、挫折回です。負けます、せれのんに。
 この回ではあいらちゃんたちが自分で気が付くのが難しいある落とし穴にはまってしまい敗北を喫することになるんですが、見どころは彼女たちとは別のところにもあります。それはジュンさんというマネージャー兼コーチ的な役割の人物。普段は意味深かつクサいセリフが満載で、いちいち迂遠な表現を用いるためその意図が作中人物には伝わらず視聴者だけにそれとなく伝わるという、ちょっと説明が難しいのですがなんというかメタな動きをしてくる人物なのですが、プリズムスターとしてのあいらたちのことを誰よりも理解しているよき指導者でもあります。そんなあいらたちの目が届かないところまで物事を見通している彼は、誰にともなく今回の勝負に関するある辛い決断を下します…

 改めて考えると、ジュンさんのこの辛いことが目に見えていてもその先のプリズムの煌きを信じて突き進むところはDMFのボスキャラと少し重なる部分がありますね。なにはともあれ、21話のラストシーンは必見です。この先に待ち受ける過酷な運命の存在を嫌が応でも感じさせる回となっています。



 後はもう本当に与太です… マスコットについて、かわいくないかわいくない言いつつも、なんだかんだで愛着が沸いてきました。彼らのこの可愛すぎない造形は美少女がひしめき合う深夜アニメとの差別化を意識したものなのかなーと思ったり。主人公たちもかわいいはかわいいんですが、あざといところが微塵もなく、素直なイメージが伝わってくるデザインになっていると思います。まありずむちゃんは素直すぎますが。男子でもそこまで食い意地張ってないぞ。
 せれのんについて、とにもかくにも、最初のライブで跳んだプリズムジャンプの印象が強いですね。一応、キンプリでこういうまるで攻撃魔法みたいなジャンプがあるということは知っていましたが、何も知らずに見たら呆然としますよあれ。まあそれはそれとして、個人的には一番楽曲に恵まれたユニットだと思っています。恵まれたというか、ただ自分の好みというだけですけど。ADだけでなく続くDMFにおいても自分のストライクゾーンを貫き続けました。歌詞もポジティブですごい好きなんです。いや〜〜〜 フルが聴きたい…
 かなめちゃんについて、どこまでも声がツボです。伊藤かな恵…今までに他のアニメでも彼女の演技を聴いたことがあるはずなんですけど(そもそもめが姉ぇが彼女ですし)そこまでハマったことはなかったはずなんですよね。やっぱかなめちゃんという役が特別なんだと思います。かなめちゃんのソロ楽曲「Shall We Go?!」をぜひ聴いてみてほしい… キャラとしては、ADではそうでもないかもしれませんが、DMFまで含めるとあまり縛られるもののない、自由なところが魅力ですね。





プリティーリズム・ディアマイフューチャー
 ADからの続きであいらちゃんなどのメインキャラも引き続き登場するのですが、各キャラ間の因縁などもそのまま引き継がれています(当然ではありますが)。AD内で発展・完結できなかった関係性はだいたいDMF内でけりが付くようになっています。またそれらに加えて新しく登場するDMFのメインキャラ9人(ADの3倍…)のお話もそれぞれ展開していきます。…とまあそんな感じなのでわりかしキツキツというか、やらなきゃいけないことがいっぱいあります。
 シリーズの中で一番なんというか縛りが強い作品かなあ、という印象があります。キャラクターも自身の運命に翻弄されている感じがかなりあります(とくに社長など)。そのわりにはコメディ調が強くなっているんですけど。新キャラたちは単純に人数が多くてADに比べれば一人ひとりのキャラの掘り下げが甘くなっています。
 そんな中、一番の見どころはやはりグレイトフルシンフォニアでしょうか。一回のプリズムショーで3話まるまる使うとか、正気の沙汰ではありません。ここに至ってはキャラそれぞれの運命力というか業の深さもプラスに働きます。というかこれのために今まで諸問題を解決させずにぐつぐつに煮詰まった状態を維持させてきたのか…と思います。しかしこれが成功することで文句なしにきれいなエンディングにつながるのですから…
 一話選ぶとしたら46話ですかね。一番の仲良しが一番のライバルとなる回なんですが、この回でようやくADで至った高みにまたたどり着いたような気がします(個人の感想です)。



 与太話… 個人的なお気に入りのキャラはかりんとシユンのコンビ。単純にリアルの自分に性向が近いから。予想外によくなっていったキャラが、辺りの空気をパクパクと咀嚼することで雰囲気などを正確につかむことができる異能を持つジェウン。最初はなんだこの…この変なキャラはと思ったものですがだんだん自分の方が慣れていきました。ジュンさん並のメタな働きをこなしつつ、みんなを引っ張るムードメーカー的な気質も持ち合わせる、力強いキャラでした。

 LOVE-MIXも強かった…。コナンくんとCCさくら小狼くんのコンビという、ここでしか見ることのできない超個性派ユニットです。よくこんなユニットが実現したな…。3Dモデルはないですが、持ち歌もライブもちゃんとあるという。イロモノ扱いかと思いきや本編ではきちんと活躍します。ヨンファは設定上も強キャラではありますが、それとは関係なく二人とも頭がいいです。いつきくんは論理的で彼の行動には納得しかないし、ヨンファは一見ぶっ飛んだ言動をしますが、振り返って見てみると一番スマートに最良の結果にたどり着きます。てか声優的にこの組み合わせはめちゃくちゃインパクトがあるのでプリリズに興味がない人も一度ライブを観てみるとおもしろいと思います。
 新登場ブランドDear Crownのデザイナー・ユンス。めっちゃくちゃいいやつ。報われるべき。序盤中盤はショウさんと犬猿の仲というか、堂々とみんなの前で火花を散らしていましたが、後半はお互いの実力を認め合い、同棲が疑われるほどの近い距離(観ててドキドキしました)で切磋琢磨していく。ここぞという場面ではショウさんの方が力を発揮するようだけども、ユンスの日々の積み重ねも評価してやってほしい。途中からは男性版かずさ&雪菜(from WA2)を見ているような気分でした。



 楽曲について。DMFからは長岡さん作曲が減り、michitomoさん山原一浩さんがメインで曲を書くようになったようです。結果的には(おれって長岡さんの書く曲が好きだったんだなー)と再確認することになったんですが、本当に個人的な話なので気にしないでください。
 全体にPrizmmy☆楽曲以外でもメロディーが中音域(感覚で使っているぞ!)に寄っているような印象。男としては歌いやすくて大変助かるところではあるのだけど、もっとはっちゃけた曲があってもよかったかな、なんて。特にPrizmmy☆とPURETTYのシャッフルユニット結成以降。
 そんな中、ADから続投のSERENON with K(せれのん・ウィズ・かなめ)の楽曲「よいなかそ♪」は突き抜けた明るさ・パワーがあっていい意味で目立っていたと思う。最初この曲長岡さんかな?と思ったけど違いましたね。めっちゃ好きです。



 MARsの新曲「Que sera」もわりかし落ち着いた、男に歌いやすい曲なんですけど、これはサビ終盤の転調があるから許された、というか転調を引き立てるためのメロディーですよね。りずむちゃんもこんな曲が似合うようになったか…。しかし相変わらずみおんさまの歌唱は味わい深いところがありますね。まあそこが彼女のチャームポイントでもあるのですが。
 韓国勢であるPURETTYの「チェキ☆ラブ」「シュワシュワBABY」はもちろん作編曲もあちらの方の手によるもので、クオリティは世界レベルと言っていいものだと思います。まあ別段プリティーリズムという枠内だけで勝負しているわけじゃないですからね。自分は知らなかったですがPURETTYはKARAの妹分という扱いのようですね。





 とりとめのない話でしたが、とりあえずここで一区切りということで。レインボーライブについてはまた後日書きます(ほんとか?)。シリーズ未試聴の人にはとりあえずAD12話まで見て!と言っておきます。Dream goes on…