Tunic(2022)感想・評価

 クォータービュー3Dアクションアドベンチャー~からの高難度謎解き。

 

 

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評価:10 /10

プレイ時間:19時間

 

 基本はゼルダ+ソウルシリーズみたいなゲーム性のアクションアドベンチャーなのだけど、とにかくワールドの作り込みが秀逸。ワールドの作り込みというか、レベルデザインとか謎解きとかいろいろ組み合わさっているのですが。

 

 うまく言語化できないけれど、一つの場所に複数の、なんというかレベルの異なるギミックが用意されていて。だから同じ場所でもゲームの進み具合やプレイヤー側の知識の蓄積次第で見えるものが変わってくる。結果的に、ワールドの広さ・規模のわりに超濃密なゲーム体験が味わえる。そして、おそらくこの色んな種類の謎/ギミックをスマートかつ高密度に詰め込んでいるところが本作の一番の特徴なのだろう。

 

 やっぱり、自分の「物の見方」を変えさせられる、価値観を揺さぶられる体験がコンテンツとして一番おもしろいと思う。そして、そのような体験をするのにゲームって一番向いてるよなあ…としみじみ考えてしまう。「The Witness」や「Outer Wilds」など、近年はそういう「プレイヤー側の認識の変化(に伴うおもしろさ)」に焦点をあてたゲームデザインが流行っていますが、その最前線がこのTunicだと思います。

 

 「プレイヤー側の認識の変化」を利用することで初めて実現できる世界の濃密さ……なんですよね。謎が一つあるとして、普通に見たら解は一つなんだけど、別の視点で見たらもう一つの解が浮かび上がる。……そんな風にして謎の、世界の密度を高めていく。まあ実際は、一つの謎に複数の解があるという形ではなくて、今までなんとも思ってなかったものが見方を変えたら実は謎だった、というようなケースがほとんどなのですが、プレイヤーの認識の変化を利用しているという点では変わりません。

 

 上記のような理由で、間違いなくネクストレベルのおもしろさに達したゲームだと思います。「The Witness」「Outer Wilds」らが発見し植え付けた「ツボ」を利用しておもしろさの次元を引き上げた。ここまでレベル/レイヤーの違う謎解きが綺麗に組み合わさったゲームは他にないでしょう。いやーしかし最近神ゲーしか触ってないな。