The Witness(2016)感想・評価

 一人称視点のオープンワールド「一筆書き」パズルゲー。

 

 

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評価:9 /10

プレイ時間:21時間(452クリア、+45)

 

 なんかずっと前にネットで「風景パズル」の動画を見ていて、そのことを思い出して触ったゲーム。しかし気軽に触れるにはかなりボリュームのある、「沼」ゲームだった。

 

 パズルゲーとしての出来は最上級。一筆書きというシンプルな基本ルールながら、発想の転換がたびたび要求され、そのたびにマジか……!と感動する。特に沼地で登場する「ブロック(テトリス?)」のルールには苦労&感動させられた。。

 

 ただ、オープンワールドというデザインによるところもあると思うのだけど、基本的に「不親切」なのでそこには注意。本当に最低限のガイドしかないです。パズルではあるけど、そもそものルールを把握するところまでもがゲーム内容に含まれている。どういうことかというとゲーム内でパズルのルールは説明されません。自分で経験則からルールを推測しないといけない(そしてその「ルールの推測」自体がゲーム性に含まれている)。上で挙げたBoyMeetsCaveなんて比じゃないレベルの不親切です。このゲームのことを思い出すと世界の不親切にある程度寛容になれる気がする。だから、BoyMeetsCaveの作者さんとかあんまり色々気にしなくてもいいと思うんですが…(?)

 

 そして……また話は変わるけど、このゲームの核心は「価値観・見方の決定的な変化とそれに伴う畏怖(感動)」だと思う。それは一筆書きパズルのルールの拡張からも感じられるけど、究極的には「風景パズル」と、ゲーム内で視聴できる講演「詩篇46篇の謎(The Secret of Psalm 46)」がはっきりと示していると思う。いわゆるパラダイムシフト……そのおもしろさ・怖さにフォーカスしたのがこのゲームだと思っている。一般的でわかりやすい例を挙げるなら「妻と義母」の隠し絵だろうか。実際ゲーム内でもそのような隠し絵とかが大量に忍ばせてあるのだけど、それをよりゲーム的に、大きなスケールで実践したのがこのゲームというか。

 

 最後に一応書いておきますが、講演「詩篇46篇の謎」で示されるものには陰謀論にも通じるような危うさがあること……そして単純にパズル部分は難しいのでストレスにならないように大人なつきあい方をした方がいいよーということだけ書いておきます。9点ではあるけど神ゲーといって差し支えないと思います。…あ! あと酔う! このゲームすごく酔うのでプレイ前はちゃんとごはん食べておいた方がいいです。