Ernest Hood『Neighborhoods』

 

 

 アメリカのミュージシャンによる自主制作版で、去年リイシューされた作品『Neighborhoods』。ピッチフォークが2016年に「The 50 Best Ambient Albums of All Time」というリストを発表していて、その中で取り上げられていました。そのことがリイシューのきっかけとなったのかは分からないけど、実際に聴けないと再評価もなにもないので、簡単に聴けるようになって良かったね。。

 

 内容について、わかりやすい紹介文があったので引用します。

1975年の自主制作レア盤がCD化。音楽作品を「アルバム」と呼ぶのは写真のアルバムのように様々な情景や感情を閉じ込めているからだけど、本作はまさにその「アルバム」たる思い出の記録と言える。

住宅地で聞こえる子どもたちの声や車の往来、花火の音といった様々な雑音、生き物の鳴き声や遠雷などの自然音。そこにシンセやツィターの演奏を重ね、幼少期に体験した夏の日のサウンドスケープを1日の時系列に沿って表現したアルバム。

Ernest Hood / Neighborhoods - 雨と休日オンラインショップ

 

 

 

 めちゃくちゃ強いムードを持っていて、流し始めると頭の中に(いまだ見たことのない)昔懐かしの情景が浮かんできます。フィールドレコーディングの音素材の配置が巧みで臨場感があり、目を閉じて聴いていると自分がまるで古い海外の映画の世界の中に入り込んでしまったかのような気持ちになります。いや、本当。

 

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 楽器の演奏は素朴な味わいのある穏やかなものなのですが、時折とても切なく歌い上げることがあり(これがまた電子音の音色に合っているのです)、胸がきゅっと締め付けられます。そしてこの傾向は「The Secret Place」「Gloaming」などの比較的かっちりと作曲された曲で強いように感じます。というか自分が「Gloaming」聴いてもう一発で虜になってしまったんですよね。メロディーが綺麗すぎる。。

 

 いやーすごい作品です。昨年のベストリイシューの一つでしょう。体験型の作品なので、できるだけリラックスできる環境で聴いた方がいいと思います。日が昇る頃・沈む頃にこれ流したらヤバいよ絶対… The BooksとかNuno Canavarroとかフェネスのエンドレス・サマーとか好きな人はマストですね。

 

 

 

参考リンク:

post-ambient.blogspot.com