十三機兵、アークナイツ、SEKIROと続けざまにゲームをプレイしていて、今年はどうもゲームの年になりそうだ…と感じています。おかげで生活習慣がボロボロ、でもおれはゲームをする……でないとわざわざ新しく買ったPS4がもったいなく感じちゃうから…
音楽もそんなに聴けてないです。それでいいのか? ううーん…
AOTQ / ま・ぼ・ろ・し(feat.初音ミク)、う・そ(feat.初音ミク) 、ゆ・う・や・け(feat.初音ミク)
2018年作『e-muzak』が神がかっていたAOTQの新作『magical gadget』が出ました。2019年に単発で出ていた楽曲に続いて初音ミクをボーカルに据えたスタイルです。
聴いた当時の感想ツイをまとめて貼っておきます。
AOTQ『magical gadget』感想みたいなのつらつらと…
— にんず (@ninz51) February 10, 2020
・めちゃくちゃいい(大事)
— にんず (@ninz51) February 10, 2020
・e-muzakの機能性はそのままに、よりメロウでスロウに
・ミクの歌が入ることで物語的な概念が生じててめっちゃエモい
・チープなストリングス?がすごくドラマチック
・スローダウンして終わるのがすごくハマってる
・鳥の囀りや街の雑踏などのフィーレコっぽい音、めっちゃ雰囲気出てる
— にんず (@ninz51) February 10, 2020
・テンポや音素材、特に全体通して散りばめられたらフィーレコと「イェイ」というボイスが作品にめっちゃ統一感加えてる
・「のろい」とは…
・個人的には「ゆ・う・や・け」がクリティカル この曲は他の曲と比べて屈託がなくポジティブなフィーリングがあって それは曲調もそうだけど歌詞もそうで、この曲だけ歌詞に「のろい」が出てこない
— にんず (@ninz51) February 10, 2020
・敢えて誇張して書くと、個人的にこの作品は最終的に「ゆ・う・や・け」にたどり着くための作品だ
・もちろん他の曲もいいが!!??
— にんず (@ninz51) February 10, 2020
・「ゆ・う・や・け」の終わりは本当にに夕焼けが沈む感じですごい うううう
・あさとゆうやけ 間にはなんてことない日常が入っていそうだが、ここではうそとまぼろしが入っている…
・いや本当にめちゃくちゃいい作品 みんなでゆ・う・や・けを一緒に見よう…終
この作品、漫画と音楽が組み合わさった作品でして、バンドキャンプで購入すると楽曲データと一緒に漫画のPDFファイルが手に入ります。…で、上に貼った感想なのですが、漫画を無視して先に音楽だけ聴いた感想となっていまして、ところどころ的外れな指摘があるので一応注意してください。音楽性についてはともかく、歌詞については漫画の内容と地続きのものになっているので、先に漫画を読んでから吟味したほうがいいと思います。まあ、まっさらな状態で先に音楽に触れるのも、それはそれでいい体験なんですけども。。(ちなみにそのときは本作のストーリーを歌詞から「Vtuberに恋しちゃったけどそのVが引退しちゃった女の子の話」なのかな~とか想像してました。)
上でも触れてますが、最終曲「ゆ・う・や・け」以外、とてもビターなムードで、ダウナーな魅力に満ちています。トラックには『e-muzak』と地続きの機能性があるのですが、ここではさらにファンクに通じる「ねばり」が加わっています。サウンドはデジタルな質感ですが非常にグルーヴィー。それでいてSSW的な歌・曲としての良さもあり……。
デジタルなスロウ・ファンク・バラッド(なんだそれ)集。テンポ遅いし一曲一曲が長いし、そもそも暗いし……と、もしかしたら一般受けはしにくいスタイルかもしれませんが、一度馴染むとそのままズブズブとハマっていってしまう妖しい魅力があります。妖しいというか、ストレートに切ないんですが。。
ラストの「ゆ・う・や・け」は涙なしには聴けません。ここへきてポジティブで穏やかな曲調に一転し、その名の通り沈む夕陽のごとくじんわりとフェードアウト……完璧かい。年間ベストにたぶん入ります。なんかアーティストのツイによるとこの作品、どうやら卒業制作として作られたようで。天才かよ~ありがとう……
Blanc Bunny Bandit / ビター・エスケープ、シンクロフィッシュ、箱庭のエチュード、おにぎりディスコ、全力ドラマティック、ひふみで湯~とぴあ
前回のお気に入りまとめ記事でもチラっと紹介した「バンめし♪」発のバンドのアルバム『漂白脱兎』より。ひなビタ♪がバンドものを標榜しつつもまだなんというか「キャラもの」感を漂わせていたのに比してこちらはよりバンド演奏にフォーカスした内容になっていると思う。具体的に言うとバンド以外の楽器によるアレンジがほぼなくなり、またそれぞれの楽器の演奏がめちゃくちゃキレを増している。
上に貼った「ビター・エスケープ」(バンめし♪シーズン1のオープニングテーマ)を聴いてみてほしいのだけど、初っ端からキレッキレで驚いてしまう(ZAZENのすとーりーずなんかを思い出したり)。続く2曲目3曲目も演奏の切れ味とテンションは衰えず、この時点で(あ、これ名盤…)と確信してしまう始末。なんというか、リアルな焦燥感がサウンドに宿っている。
実際は4曲目で「オタク的なスタイル(謎表現)」の曲が出てきてガクッとなってしまうのだけど、しかしその後も一定の水準を軽く超えたレベルの楽曲が続々と… 結局、名盤という評価は覆ることはありませんでした。いや、一枚に5曲以上ハマった曲あったら名盤でしょう。…でしょう?
ブリッジ部分の下降クリシェの鮮やかさ…。あと全体的にリズムギターが良すぎる。
このアルバム(『漂白脱兎』)の約半分の曲をやぎぬまかなという方が手掛けているのですが、つい最近リリースされた2ndアルバムでは彼女がプロデューサーとして全面的に関わっているそうで。声優・アニメ界隈では複数の作曲家からの楽曲を集めて一つのアルバムにまとめるスタイルの製作が一般的だと思うので、このアルバム一枚全面プロデュースってかなりすごいことだと思うのですが。しかしそれも『漂白脱兎』の1~2曲目を聴けば納得というか、それほどまでに鮮烈なオープニングでした。この2曲でアルバムの方向性・雰囲気が決定づけられている。
とりあえず、早めに2ndアルバムの音源を入手しないとですね。やぎぬまかな、自分の中ではササキトモコと同じくらいの要注目人物になりました。要チェックや!
本日(3/20)21時から!
— 月ノ美兎🐰 (@MitoTsukino) March 20, 2020
ササキ・トモコさんが音楽を作られているということで、ずっと気になっていたゲームをします。登場人物がみんな動物の格好してるので多分熱盛です。
キマった世界観で美女が尻相撲する神ゲー【スーパーギャルデリックアワー】 https://t.co/Mecq1DeoRu pic.twitter.com/s0NKFQkq8e
ササキトモコ、ラジオやってたんですね。
「温故知新でいこっ」はマジで神曲。
V界の委員長こと月ノ美兎さん、どうやらササキトモコのファンらしいです。それもかなり年期の入った…。バンめしにはササキトモコは関わってない?っぽいですが、流れでここで紹介しておきます。またツタヤでいろいろ掘ってくるか…… 委員長にはササキトモコ関連の企画をぜひなんかやってほしいですね。いや本気で。
国府達矢 / 青の世界、キミはキミのこと、not matter mood、彼のいいわけも、fallen、青ノ頃、シン世界
去年の夏頃にリリースされた『スラップスティックメロディ』より。とりあえず初聴時の感想を。
スラップスティックメロディ、名盤じゃん…
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
歌の気持ちよさはそのままにテンポを落として、サウンド的にはよりドリームポップに近づいている 自分があまり聴いてないから強く言えないんだけどThe Cureとか好きな人には刺さるんじゃないか
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
自分が最近聴いた作品だとPeople In The Box『Tabula Rasa』を思い出した メロディーの少しこんがらがったところとか
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
国府達矢、サウンドの作り込みもすごいんだけど、それよりも単純にSSWとしてやっぱめちゃくちゃ良い… 歌メロの作り手として最高…
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
実際に自分でメロディーに乗せて歌ってみて気持ちいいかという指標があって、国府達矢はそれのめっちゃ上位にいる(他には例えばFleet FoxesとかFather John Mistyとかがいる)(いや元Fleet Foxesじゃん…)
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
当初の予定から遅れはしたけどちゃんと3枚アルバム出して偉い 超偉い
— にんず (@ninz51) February 25, 2020
『ロックブッダ』に比べるとオーソドックスなバンドサウンドになっている。アレンジは比較的シンプルで、例えばU2なんかが思い浮かぶような、骨太で王道なロックという感じ。
前作から一番変化したのはおおまかな曲調・雰囲気と歌詞だろうか。ロックブッダはどちらかというと「ガンガンいこうぜ」的な、自ら外へ積極的に働きかけるような、いわば「陽」のエネルギーに満ちた作品だったと思うのだけど、今作はその反動か、とても内省的な雰囲気の楽曲が多くを占めている。歌詞もそのスケールを大幅に狭め、より身近で内的な世界の描写が増えているように思う。
ソングライティングはキャリアでも一番というくらいに充実している。演奏の比重が下がったせいもあるのか、より歌がサウンドの中心に据えられ、空間的な音響も相まって聴いていると国府達矢のおおらかな歌声に包み込まれるような感覚がある。
ぶっちゃけ言うと『ロックブッダ』はその密度・テンションから自分がそれなりに元気なときにしか聴けなかったのだけど、今作はわりといつでも……疲れているときでも普通に聴けるのがいい。……というのは作品の評価とは関係ない部分なんですけど、まあともかく、年間ベスト級の傑作です。ちゃんとリアルタイムで聴いておけば…。これよりももっと暗そうなもう一枚のアルバム『音の門』も聴かないとね。しかし「彼のいいわけも」~「fallen」の流れ、サビの歌詞の嵌め方、すごいものがある。節回しでカモフラージュされているけど「彼のいいわけも」の歌詞は刺激的でおもしろい。
石川 淳・安藤浩和 / ワールドマップ - ハコボーイ!、たびのはじまり - ハコボーイ!
わくわくショッピング - ハコボーイ!、たびのおわり - ハコボーイ!、スタッフクレジット - ハコボーイ!
ワールドマップ - ハコボーイ! もうひとハコ、めざめのとき - ハコボーイ! もうひとハコ、
ステージその3 - さよなら!ハコボーイ!、さよならキュービィ - さよなら!ハコボーイ!
任天堂発パズルゲームのサウンドトラック『ハコボーイ! 音楽全集』より。星のカービィシリーズの音楽を手掛けるコンビによるミニマル・エレクトロニカ。ほぼほぼ単音で鳴らされる、まるでなにかの信号のような電子音に、これまた独り言のように鳴らされるギターやピアノ。音響面にもこだわって作られたサウンドは、構成要素で言えばコーネリアスの「あなたがいるなら」なんかが近いだろうか(あれから歌を排し、より機械的にした感じ)。
非常にシンプルなデザインのゲームの内容と噛み合ったこれまたシンプルながらも奥深い作品。音の響きをしっかりと味わうためにそれなりの環境で聴くことを勧める。というかゲームやりたいですね(ハードがない)。たぶん、任天堂が本気で作った『ゼリーのパズル』みたいな感じなんじゃないだろうか。
Frankie Cosmos / Floated In、If I Had A Dog、Fool、Too Dark、I'm 20、On The Lips、Sinister、Outside With The Cuties、Sappho
2016年作『Next Thing』より。なんかめちゃくちゃ曲数挙げてますが、ちょっと最近こういう軽やかなインディ・ポップに触れていなくて、クリティカル・ヒットという感じです。 シンプルなバンドサウンドでどこまでも親しみやすく、無限に聴けてしまう。風格みたいなものはない……とはいえ欠点みたいなものもない、非常にいい盤です。ファルセットがすごく良くてつい合わせて歌ってしまう。
実は去年の年間ベスト用のミックスの選曲中(つまり2019年12月最終盤~2020年1月始めという微妙な時期)に出会った作品で、本来は前回のお気に入りまとめで取り上げるべき作品だったのですが、普通に忘れていました。ついでに言えば、微妙な時期で、しかも出会ったばかりの楽曲を年間ベスト用のミックスに使うのもなんだかなという感じなのですが、ミックスの流れのためにそこは無視することにしました。使った曲はアルバムの1曲目で、当時は頭ん中ミックスのことだけでアルバム単位でもまともに聴いてなかったので、「(去年ではなく)今年出会ったお気に入り作品」の枠に入れておきます。
(長々と書きましたが読者的には無視していい部分です。今年の個人の年間ベストに載るかもね、ということを言い訳がましく書いているだけです…)
Ernest Hood / Neighborhoods
これめちゃくちゃ良かった。未消化ゆえあんま書けることないけど…。すごく「雰囲気」のある作品で、もろもろのサウンドトラックが好きな人には刺さると思う。明快で親しみやすいメロディもある。黄昏時のThe Booksみたいな…いやあそこまで奔放ではないんだけど。「alan's psychedelic breakfast」がもっとメロディアスでセンチメンタルになった感じです。これを朝焼け・夕焼けのタイミングで聴いたら死にそう~。
fhána / 星をあつめて
劇場版『SHIROBAKO』を観ました。みなさん観ましたか? あんまり話題を見かけないような気がする。コロナ禍の真っ最中の公開だったのであまり人入ってないのかもな…とか。
この曲はその劇場版『SHIROBAKO』の主題歌で、エンディングで流れます。壮大で劇的な転調がね、もうものすごい…(佐藤純一は天才)。たぶんAメロ~Bメロ~(ブリッジ)~Cメロ(サビ)で、ここまででもうすごくいいんだけど、この後にダメ押しのDメロ(サビ2?)が来る。リスナーを昇天させる気か?もうおなかいっぱいです…
アニメ関連の楽曲、求められる役割的にやっぱ一曲一曲がめちゃくちゃ強くて、日本が誇れるすんごい鉱脈だと思うのだけど、数年前からアニメ観なくなったのでほとんど掘れていません。ここら辺自分にとっては必須栄養素のはずなのだけど、たぶんゲーム音楽やら渋谷系やらでごまかしているんでしょうね。
最近?ではそこにVが参入してきている感じで、アニソンやボカロと同じようにVtuberという枠組みができているように思います(今さらな言及のような気もする)。なにが言いたいかというと、にじさんじの新しいアルバム早く配信してくれ。あとまた別の神(田中秀和)が全面プロデュースしているという鹿乃のアルバムも聴かないといけない。たしかこの人、昔にダンまちだかの主題歌でお気に入り認定してた気がする。
鹿乃 / 午前0時の無力な神様、KILIG、漫ろ雨、おかえり、罰と罰、エンディングノート
上を書いてるうちにその気になってきて二週くらい聴いてしまった。結論:傑作。全9曲とコンパクトながら内容は超充実。どの曲もすごいクオリティ…。バラエティに富んだ内容でアルバム単位でなにかを語るのは難しいのだけど、代わりに曲単位でならいくらでも語ることができそうな感じ。そんな体力ないのでやりませんが。
一応一言づつ書いていこう。「午前0時の無力な神様」ハイテンポキュートで元気いっぱいな曲。ファニーな効果音?が飛び交うカラフルなサウンド。「今日が最低なら 明日は人生最高の始まりさバースデイ」というサビの歌詞がポジティブで泣ける。「KILIG」下降クリシェに抗えないその1。Aメロでのロボットダンスのような(他の例えなかったんかい)途切れ途切れのグルーヴがサビでの開放感を増幅させている。「漫ろ雨」下降クリシェに抗えないその2。ベースのドゥ↓ドゥ↑ドゥー↓というリフがなぜかツボ。大サビの後、シームレスにAメロのしんみりとしたフレーズに移行するのがたまらなくエモい(転調してるけど)。この曲に限らないけどバンドサウンドの録り音めちゃくちゃよくないですかこのアルバム。「おかえり」力を入れた結果なのか、結果的に貴重となったほのぼの系の楽曲。こういうほのぼのした曲、好きです(もっとテンポ落としてもいいぞ)。ギターのプレイがめっちゃいい…。たぶんペットの犬の歌なんだけど……これめっちゃ歌詞が切ないです。歌詞を踏まえて聴くと歌の最後で切なすぎて泣いてしまう。。「罰と罰」前曲から一転エキセントリックな楽曲。かわいい系の楽曲ばかりだと思ってたぜ。曲名からも匂うのだけど、椎名林檎を意識しているような気がする。映画におけるラスト直前、クライマックスのアクションシーンみたいな曲。「エンディングノート」エンディングにふさわしい、堂々とした名曲。ボーカルもきゃぴきゃぴした感じではなく、「きれい」と「クール」の中間のような、大人びた歌唱を聴かせる(こっちが本人の素なのだろうか)。スタイリッシュなシティポップ。
一言に収まってねえ~。とてもいいアルバムですよ。終わり。
2月頃から00年代の作品聴き直すか~という機運が高まってきまして……というのも、またパーソナルなディスクガイドでも作ろうかなと思ったからなんですが。そんなこんなで00年代の重要作品で、かつ自分が聴いていない・消化できていない作品をリストアップしたりしていました。
ここからはその00年代の作品で聴き直したものを挙げていきます。曲単位でいいなと思ったものは一段下に書いておく。書いてなければまだあまり消化できてないということで。
Daft Punk - Discovery
fav:Digital Love、Superheroes、Voyager
実は『Homework』くらいしかまともに聴いていないDaft Punk。このアルバムについてはやたら高評価されてるなーと思っていたのだけど、一通り聴いた後でもその感想は変わらなかった。当時はこのサウンドがすごく新しかったのかな。
とはいえ楽曲のクオリティは高いしアルバムとしての完成度も高くて、名盤だなあとは思う。きらびやかなサウンドなのだけど、全体にどこかノスタルジックな空気があり、その明暗をあわせ持った感じが広い層に受けた要因なのかなと思ったり。
「Superheroes」は2分半~終わりの展開のための曲ですね…。花火って咲いた後にパラパラ落ちていくところが一番きれいだよね…とでも言っているかのような曲。…このアルバム、聴けば聴くほどに「懐古」が重要な要素のように思えてくる。アルバム後半とかもう完全に浸ってるでしょこれ。そういう意味ではヴェイパーウェイブとも通じているような…。
Jay-Z - The Blueprint
fav:Izzo (H.O.V.A.)、Never Change
これもいまいちメディアの高評価について行けなかった作品。マッチョすぎる? 押しが強すぎる。がんばって聴こうとしてもいつも5曲目くらいでおなかいっぱいになり止めてしまう。これを最後まで通しで聴ける日は果たして来るのか? でも考えてみればこの押しの強さってカニエのMBDTFに感じるものと同じもので、そういう意味ではこのアルバムもすごい傑作なのかもしれない。ポップとはあまり思わないけど死ぬほどキャッチーな音楽だとは思う。とりあえずこれ書いてる間に飛ばし飛ばしで最後まできました。なんとなく後半の方がナイーブな雰囲気が出てきますね。
Ghostface Killah - Supreme Clientele、Fishscale
fav:Whip You With a Strap、Clipse of Doom、Jellyfish、Big Girl、Underwater
まだ一周しか聴いてないのであまり大きな声では言えないのだけど、これも上のJay-Zと同じで、とくに前半のノリが辛い。でもギャップもあるのか中盤以降めっちゃ良くなった気が(特に『Fishscale』)。なんにせよもうちょい聴かねば…。あと、MCU観た今だから分かるのだけどところどころでアイアンマンのネタ?が出てくる。
Yeah Yeah Yeahs - Fever to Tell
基本に忠実なパンク。各楽器の鳴りはとてもかっこいい。しかし個人的にはちょっともったりしてるかなと思わなくもない。艶のある、粘っこいボーカルに合わせるにはこのテンポしかなかったのだろうか。けっこうこぶしを効かせて?熱く歌い上げる系のボーカルなのだ。個人的には全部1.5倍速で聴きたいな、という感じなのだけど、楽器のヘビィな鳴りを意識すればこのままでもいいかなと思わなくもない。ゆっくりめな曲を聴くにつけ、なんだかんだでボーカルのパフォーマンスはすごいので、パンク以外のスタイルでもなんでもできたんじゃないかと思う。
Lightning Bolt - Wonderful Rainbow
fav:Dracula Mountain、2 Towers、On Fire、Crown of Storms
すごい音圧…! この音を二人で出してるのか。ニール・ヤングとかはっぴいえんどの、これがエレキだぞ!みたいな(主にライブ音源の)ギターサウンドがすごく好きなんですけど、それをもっと尖らせるとこんな感じになるのだろうか。すごく刺激的で、サウンドの時点で他を圧倒するほどの個性がある。
基本的にはリフの組み合わせで生まれ、変化していくリズムを楽しむ音楽で、その点ではクラウトロックに近い(ただしめちゃくちゃ暴力的)。そのバカ高い音圧もあり速攻でトランス状態へ連れていかれます。いや、名盤ですね。このサウンドを生で体験したら死んでしまうんじゃないだろうか…。当時、このバンドから影響受けたって言ってるバンド・アーティストがけっこういたような気がするんだけど、それも納得という感じの音でした。
Lawrence - The Absence Of Blight
fav:If You Can't Understand、Last Friday
ローレンスの2nd(2003年)。RAとFACTの00年代ベストに選ばれていたので聴いてみたけど、これ傑作でした。現在とそう方向性は変わっていないのだけど、こちらの方がストレートに聴き手を盛り上げるような展開が多い。これから察するに、フロア向けからリスニング向けにだんだんシフトしていったアーティストなのかな、と。初めて3曲目にたどり着いたときうおーっってなりました。
Godspeed You! Black Emperor - Lift Your Skinny Fists Like Antennas to Heaven
映画やん! これ映画のサントラでしょ! すいません、取り乱しました(実はこのバンド聴くの初めて)。パンクのようなキャッチーさや即効性のある音楽とは真逆のスタイル。なのでちゃんと集中して聴けるのかな…とも思うのだけど、これが意外にもリスナーの気をうまく引き続けてくれる。とはいえ歌(歌心)があるわけでもないしやはり日常的には聴けないような…(個人的にはこの手のスタイルではシガー・ロスあたりが限界)。これもプログレなどと同じく集中力のある若い時分に触れた方がいいと思う。クオリティは高い。けどまともに評価できるほど回数聴く自信がない。
Metro Area - Metro Area
RAなんかでめちゃくちゃ評価されている。フロアとリビングの中間みたいなやや上品な空気を持つハウスで、聴く場所・時間を選ばない優れた作品だなと思いつつも、なんか薄味~~~との思いを拭えない。繊細ではあるけれども凝っていたりひねくれていたりするわけでもないので……「良い」まではいくけど「好き」まではいかない、みたいな。うーん…
Dizzee Rascal - Boy In Da Corner
ピッチの替えられた奇妙で唐突なサンプリング、電子音主体のサウンドと、かなりヘンテコな作品。既存の枠に収まっていない感じがある。アウトサイダー。勢いはある。調べてみるとイギリスのロンドン出身らしく、アメリカのヒップホップとはなんというか系譜が違うらしい。あー、たしかに、なんとなく…
あとこれは直接関係あるわけではないけどネットをさまよっていたら出会った良さげな記事。
The Other People Place - Lifestyles Of The Laptop Café
すごく機械的で、言ってしまえばかなりラフな印象がある。なんともいえない奇妙なセンチメンタリズムがあり、それが作品をユニークなものにしていると思う。ともすればズブズブとアンビエント方面に傾きそうだけど、ラフなマシンビートがそれを留めており……非常に微妙なバランスで成り立っている作品だと思う。森林ジャケットだけど、内容からするとやはりジャケ写は深海の方が良かったのでは… 名盤。
音楽関連の言及久々にしたらめっちゃ長くなりました。こうして書き出してみるとまあ多少は音楽聴いてる……んだけど、それでも掘ってる感覚がないのはまだあまり評価のない、あまり知られていないような作品を聴いてないからか。あと、それ以上にネットで音楽について調べることをあんましなくなったのが大きいような…。なんかレビューとかも全然読まなくなっちゃった。掘る人としてはもう終わってしまった感じが… 知らないアーティストの音楽どんどん聴かないとですね。。