たいぼく [うそでも笑って暮らそうよ。]

 COMITIA126で頒布されたたいぼく先生の新刊『うそでも笑って暮らそうよ。』の感想です。基本ツイッターのまとめです。初見の衝撃をちゃんと味わってほしいのでこれから本書を読むよって人は続きは読まないでほしい。 読めばわかる。 感想と言いつつ解説みたいになってるのは自分のクセです。 たいぼくさんは流れの緩急を作るのが抜群に上手い。 この辺はそれぞれの好みによります。ガチ恋ムーヴも好きなんだけど、おれはこっちの側面を推したい… 自分にとってはこのセリフが本作の核です。 たいぼくさんはギャップを作るのが抜群に上手い。読んでる間にキャラの印象がどんどん変わっていく。この印象が変わっていくところに妙な感慨がある。 人間っていろんな側面がある。そのときそのときの相手によってキャラを変えている。Vの場合相手は画面の向こうの不特定多数になるわけなんだけど、改めて考えると不特定多数向けの人格ってふつうの人は持っていないんじゃないか? 不特定多数を相手にする機会ってふつう無いもん。たぶんみんな0からオリジナルの人格を考えることになるんだろうな。そしてそれは新しい自分を見つけることに繋がると思う。あなたがVTuberをやるとしたらどんなキャラを作りますか? あとたいぼくさんは情報量のコントロールが抜群に上手いです。一流の映画みたいな感じで、説明が過剰になることはないし、かといって足りてないということもない(読者が見逃すことはある)。読者を侮ってない。びっくりすることに、作中で睦実という名前は一度しか出てこない。

 ぶっちゃけはじめの方はめちゃくちゃ読みづらくて…… 二回目以降の読書の方が理解が進んでおもしろくなってくるタイプの作品でもあるんだろうけど、初見時のインパクトも相当にすごいので、読みにくいのを我慢して一回目でできるだけ話を理解するようにして読んでほしい。あーでもこれは作品からより大きな衝撃を受けたい衝撃厨の意見なのでその辺気にならない人はふつうに読んでもらっていいと思います。
 今回もとてもおもしろかったです。知らないうちに『沖縄に夜の魚』という作品も出てたみたい。読もう。



追記:完全に書くの忘れてたけど元ネタ?はたぶんこの動画。まあ参考程度に。



 ついでにこのツイも貼っておく。たいぼくさんのマンガ読んでるときの感じ、めちゃめちゃ映画観てるときのそれに近いです。実際テリングの技術すごいんだけど(具体的に言葉にできないんだけど…)、これがもし商業誌に載るとなったら編集さんに直されちゃったりするのかなあ、とか。読み手にけっこう読解力が求められるスタイルなので…