2018年に聴いてよかった作品

選抜範囲
・自分が2017年11月〜2018年12月の間に聴いた音楽作品。
※旧譜も入っています。

選抜基準
・作品を好きかどうか
・作品が完成していると感じたかどうか
・作品に新しさを感じたかどうか
・作品を自分が消化できたと感じたかどうか
・作品をみんなに聴いてほしいかどうか

 ここら辺をポイントとして、総合的に見て良かった作品から挙げていきます。それではどうぞ〜。







1. 小袋成彬 / 『分離派の夏』(2018)

 うーん、どうしようかな。自分ではどうやってもこの作品を書き表せる気がしない。変なことを書いてイメージを損なうことは避けたいけど、真に適切な言葉を探すとなるとたぶん超時間がかかるので…。とりあえずできる範囲で書きます。ソングライティングが最高。Frank Oceanっぽいサウンドは数あれど(本当か?)、ソングライティングの面でフランクに近づけたものはほとんどいないんじゃないか。さりげない部分の表現力が抜群。しかもここにあるのはただの模倣ではなく、アーティストなりに咀嚼した後に生み出されたオリジナルなもの。歌詞は美しくイマジネイティブ、そのサウンドへの乗せ方は自由闊達で、間違いなくS.L.A.C.K.や今作をプロデュースした宇多田ヒカルに続く言語感覚・リズム感を持っている。そしてシンガーとしての実力も折り紙付きで、特に高音部分で圧巻の表現力を発揮する。……
 ここまで複数好きなポイントを挙げてきたけど、自分の場合、最終的にこのアルバムと小袋成彬の良さはソングライティングに帰結する。Frank Ocean「Sierra Leone」に宿っていたものと同種のものが「E. Primavesi」や「Daydreaming in Guam」にも宿っている。かつてこの領域に到達した日本のアーティストがどれだけいたことか。間違いなくここ数年における日本のSSWのトップで……驚くべきことに、彼はアルバム一枚でここまで来てしまった。ぜひ多くの人に聴いてほしいと思う。そして、本人でなくてもいい、この音・この曲たちを取り込み、新たな音楽に昇華していってほしい。








2. AOTQ『e-muzak』(2018)

e-muzak | Local Visions
 日本で今もっとも勢いのあるレーベル「Local Visions」の記念すべきカタログ1番の作品。柔らかな音がゆったりとしたビートに乗ってどこまでも流れていく。各曲はシームレスにつながっており、さながら一本のミックス作品のようになっている。特筆すべきは流れの滑らかさ・サウンドのクオリティコントロールで、ぎこちない部分は一つもなく、また作品のあらゆる部分に神経が通っている。全体の統一感が本当にヤバいんですけど、それでいながら各楽曲でそれぞれのフィーリングを持っているのもヤバくて……。完全に一つの世界がここに成立している。完璧なエレベーター・ミュージック。








3. Lamp『ランプ幻想』(2008)

 ポップスの魔に憑りつかれたアーティスト特有の美しく複雑な構成と、ボサノヴァ由来の聴きやすさとを兼ね備えた稀有な音楽を作るLampが、日本的な趣のソングライティングに注力して作り上げたアルバム。全編にわたって繊細な美意識が貫かれており、唯一無二の空気感をまとっている。日本のポップス史に残る……いや、残さなければならない作品。








4. Jun Ishikawa『Kirby's Dream Land 3』(1998)

 スーパーファミコンのゲーム『星のカービィ3』のBGM。個人的にゲーム性、グラフィック、音楽や世界観と、すべての要素が満点なまさしく神ゲーと思っている作品なのだけど、その音楽を今年ひさしぶりに聴いて、あまりの良さに感動してしまった。かわいくて、キラキラしてて、どこまでも爽やかな音楽。音楽ファン的に言えば、チャイルディッシュな音色とメロディーが特徴の高速ドラムンベースといった感じ。真の意味でユニークでポップな音楽で、もはや一つのジャンルとして成立してしまっている。作者の石川淳は明らかにRichard D. Jamesに匹敵する天才で、いつか彼の仕事がアーカイブみたいな形でまとめて商品化されないかなと思っている。あまり認知されていないのではと思われるスタッフロールの曲がめっちゃ良かった(ゲームが難しくでここまでたどり着かないんだよ)。自分の2018年裏ベスト








5. Stephen Malkmus and The Jicks『Sparkle Hard』(2018)

 Stephen Malkmusの捻くれたポップセンスが遺憾なく発揮された快盤。楽曲の展開の凝りようは完全に職人のレベルで、彼特有のなんでもない空気を放ちながら軽々とアクロバティックな飛躍をしてのけるところが圧倒的にかっこいい。惚れるわ。個人的に一曲選ぶなら#2「Future Suite」、三曲ならそこに「Brethren」と「Refute」が加わる。本人の見た目はかなり老いたが、ことソングライティングにおいてはいまだに成長を続けていて…… この男、本当に底が知れない。








6. AIKATSU☆STARS!『BRILLIANT☆STARS』、『STARS☆SHOWER』(2018)

 アニメ『アイカツスターズ!』二年分の楽曲をまとめた待望のベストアルバム(これが出るまで(1年目が終わった時も!)フルサイズのアルバムは一枚も出なかったので本当に待望の存在だった)。MONACAagehaspringsその他所属の、現代のポップス職人たちの手による珠玉のポップスがCD3枚分も詰め込まれている。当たり曲の割合・一曲一曲の威力ともにトップクラス(もちろん人によりますが)。自分が全てを網羅しているわけでもないのだけど、今のところアイドルもののアニメ作品の中で一番音楽が充実しているのではなかろうか(アイマスはちょっと巨大すぎるので除外)。「Bon Bon Boyage!」二番のコーラスでいつも泣いてしまう…。「森のひかりのピルエット」は変態的なコード進行を持つ曲として有名(要出典)。








7. はっぴいえんど『ライヴ・ヒストリー〜レアリティーズ〜VOL1』(2004)

 『はっぴいえんどBOX』に収録されているライブ盤3枚のうちの一枚。(参考:はっぴいえんど ULTIMATE LIVE HISTORY VOL.1 1970-1971 | 自己覚知) 全17曲収録されている中、#4〜#11の「第2回全日本フォーク・ジャンボリー」でのテイクが猛烈にすばらしい。時期的に1stアルバムが出た直後のライブなのですが、まさにロックバンドというようなヘビーで激しいプレイが堪能できます。自分がはっぴいえんどの作品で最初に気に入ったのが3rdで、1stはここ二、三年でやっと消化できてきた感じだったんですけど、このライブテイクも聴いたあとだと、ますます「1stの時点でどうしようもなく完成していた」との思いを強くしてしまう。BOX収録ということでかなりハードル高いんですけど(自分はジャニスで借りました。渋谷のツタヤにも置いてなかったかな?)、それだけの価値があります。一応#4〜#6は『はっぴいえんど LIVE ON STAGE』にも収録されているのでそれで雰囲気を掴むという手もあります。でもここでしか聴けないそれ以降の曲も最高なんだよなあ〜〜〜おすすめの曲は細野のベースがリードする「雨上がりのビル街」。かっこよすぎる。








8. 折坂悠太『ざわめき』(2018)

 2018年を迎えてまだ間もない頃に@ryutaro_amanoさんのツイで知ることができた、(おそらく)これからの日本の音楽界を引っ張っていくであろう才能。問答無用のBest New Music。一聴すると清楚で素朴な印象ながらも、その実圧倒的な表現力を持つ歌唱がすばらしい。楽曲にはまるで昔から日本に存在していたかのような謎の風格があり……あるインタビューで「いつか教科書に載る音楽」を作りたいと語っていたが、それもう達成この作品で達成してない? 少なくとも自分は今作の収録曲が音楽の教科書に載っていても違和感を感じないと思う。新しさとスタンダードの風格をあわせ持つ傑作。(10月に出た『平成』はまだ消化できてないので扱いません。)








9. Graham Kartna『Illegal Transmissions Over Boyos, On』(2017)

Illegal Transmissions Over Boyos, ON | Graham Kartna
 前々作を2016年のベストに選出したGraham Kartnaの新作。12/25というガチの年末リリースなので2018年の作品として扱っていいと思います(自分のリストでは関係ないけど…)。一番の変化はシンセだかのぐにゃぐにゃした音に取って代わってボーカルがメインのメロディーを担当していること。メロディーを声が担当することの影響って大きくて、単純に聴きやすさが今までの作品とぜんぜん違うし、メロディーの質自体も変化しているように感じる。#7「An Anecdote (Operatic)」はメロディーが特にキャッチーでキャリア初のアンセムといった感じなのだけど、この曲なんかは声をサウンドの中心に据えたからこそ生まれた曲なんじゃないか、とか思ったりする(実際はわかりませんが)。サウンド的に今までで一番開かれており、とっつきやすい。今後における名刺代わりの作品と言えそう。








10. SAKANA『LE RAYON 〜光線〜』(1994)

 1994年に録音された2枚のアルバムの内の一枚。ジャニスに感謝案件(レア盤のため)。おそらくディスコグラフィー上で一番シンプルで加工の少ないサウンドで、それゆえにポコペンのボーカルと西脇のギターのプレイが一段と胸に沁みる。素人の感覚なんでアレなんですけど、ボーカルやそれぞれの楽器の音がとてもよく録れていると思う。基本ギターとベースとボーカルだけでとても音数が少ないのだけど、どの音にも深い味わいがある。その後のアルバムに再録されるような名曲がいくつか入っているのだけど、今回のシンプルなサウンドだと曲の良さが引き立つ(ニルヴァーナMTV Unpluggedみたいな感じです)。さかなのアルバムで一番好きかもしれない。骨太。








11. Daniel Bell『Tresor.142 Globus Mix Vol.4 - Daniel Bell - The Button Down Mind Of Daniel Bell』(2000)

 Farbenの「Live at the Sahara Tahoe, 1973」で幕を開ける本作は、Mille Plateauxの『Clicks & Cuts』が世に出る前からクリックやミニマルといったジャンルにフォーカスしていた作品として、その先見性が高く評価されていますが、ミックス作品としての内容も極上のものでした。きめの細かいグルーヴとよく練られた展開がリスナーをガッシリと捉え、そのままエンディングまで半ば無理やりに連れて行ってしまいます。この作品にハマったのは3月ごろなのだけど、今だに飽きずに聴けるのはなんなんでしょう。クリックハウス/ミニマルハウスの金字塔。








12. ayU tokiO『遊撃手』(2018)

 2016年の1st『新たなる解』がめちゃんこに良かったayU tokiOの新作。ソングライティングのすばらしさはそのままに、サウンドがかなり変化しており…… それぞれのパートの音数をぐっと減らし、音の隙間を強調した大胆なプロダクション。まるで曲の骨格だけ抜き出したかのような感じで、言ってしまえばものすごくスカスカなんだけど、なぜかそれまでよりもずっとグルーヴィーに聴こえてくる不思議。この手のサウンドの例えとして毎回出しちゃうのでちょっと申し訳ない気持ちが沸き始めているんですけど、ディアンジェロの『Voodoo』の、あの快感ですね。この方向性が最も出ている「やどなし」「hi-beam」をよくリピートしました。こういうサウンド面での追究を忘れないところ、すごく好感が持てます。名盤だと思います。








13. Ought『Sun Coming Down』(2015)

Sun Coming Down | Ought
 2014年の1st『More Than Any Other Day』が各所で高評価を得ていたモントリオールのバンドの2ndアルバム。それぞれの楽器の音色・プレイが本当にツボ。ロック・バンドの理想のサウンドの一つだと思う。いやもうこのギターの音色が本当に好きなんですよ。ポスト・パンクは何よりもまずサウンドがかっこよくないとダメだよなーと思う。個人的にロック!という感じのサウンドを聴く頻度がここ数年落ち込んできていて、まあそれでも聴きたくなるときは絶対にあるんですけど、そういうときに聴くとヤバい勢いで効く。大音量で。








14. Ao『君はひとくせ』(2005)

シャーペンおよびソロ名義で活動してきたシンガー・ソングライターの木全務(キマタツトム)と、空気公団のボーカル・山崎ゆかりの二人が新たに結成したユニット。

君はひとくせ
 木全務の趣味であるボサノヴァを含むブラジル音楽と、空気公団流のシティポップが見事に融合した作品。後に公団のメンバーとなる窪田渡が関わりだした作品であり、今作を聴くと『あざやか』以降の公団の音楽における彼の働きをなんとなく感じられる(ような気がする)。発表のタイミング的に『あざやか』とは双子の関係にあると言えそう(今作が2005年11月、『あざやか』が12月の発表)。新しい人間的な環境がそうさせたのか、こちらの方が爽やかな空気があり、リラックスして聴くことができる。曲数は少ないが内容は本当に充実していて、ぶっちゃけ一曲一曲の完成度は『あざやか』よりも上なんじゃないかと思う。








15. The Dismemberment Plan『Emergency & I』(1999)

 90年代のインディー名盤としてよく挙げられる99年の3rd。サウンドの説明は「90年代だなって感じ」で終わっちゃうんですけど、本作の特徴はサウンドよりもソングライティングにあって。基本はエモ/ハードコアなんだけど、『Terror Twilight』以降のStephen Malkmusに通じるようなアクロバティックな飛躍をそこかしこでぶちかましてくる。この捻くれ具合から初期のXTCを連想する人もいるらしい。一筋縄ではいかないところがくるり岸田やタナソーが共振した部分か。とにかく耳に引っかかる捻くれポップ・ロック。名盤です。








16. NAMCO(Various)『塊フォルテッシモ魂』(2004)

 2004年にナムコから発売されたゲーム『塊魂』のサウンドトラック。ゲームとしては初のグッドデザイン賞を受賞するなど、センス溢れる作風のゲームなのだけど、そのゲーム部分に負けないくらい音楽にも力が入っている。田中雅之や松崎しげるなどのゲスト陣の豪華さもさることながら、もっと根本的な楽曲やサウンドのクオリティが非常に高いのだ。いろんな要素が混ぜ込まれているが、中でも一番大きなものがエレクトロニカで、Four TetFennesz通過後のサウンドが歌謡曲的なボーカルとうまく(?)融合している。
 これだけ多様な音楽性を取り込みながらもアルバムとしての統一感を持たせられているのがすごい(この折衷感覚は渋谷系の音楽にも通じるものがあると思う)。インタビューによればアルバムをまとめ上げているのはある種のユーモア感覚らしい。なるほどね〜〜〜(好き……) 一応、今年海外のレーベルからアナログでリイシューされました








17. Silver Jews『American Water』(1998)

 David Bermanを中心としてペイヴメントのメンバーも参加しているインディー・ロックグループの3作目。フォークやブルースの要素も色濃く、ジャケットが想起させるような泥臭い部分がある。ソングライティングにどれだけStephen Malkmusが関わっているのかはわからないが、Pavement同様に高品質で、特に飄々としながらもツボを押さえたアレンジは99年の『Terror Twilight』に通じる味わいがある(というか二つの作品は確実に繋がっている)。序盤の3曲は少し執拗で頑固なところがあるが、4曲目から軽やかなポップさが顔を出してくる。移動時のBGMにピッタリで、北海道に住んでる人なんかにおすすめ(雑なおすすめをやめろ)。








18. Lamp『彼女の時計』(2018)

 今回のリストで2回目の登場ですね。Lampの今年にリリースされたアルバム。とても柔らかな雰囲気を持った作品で、疲れてなにもしたくないようなときにも、静かにそっと寄り添ってくれるような作品です。名作『ゆめ』の次の作品ということでかなりプレッシャーがあったんじゃないかと勝手に想像しますが、とても充実した作品を作り上げてくれました。一聴すると地味なのですが、いつの間にか何度もリピートするようになっていました。








19. ゑでぃまぁこん『やっほのぽとり』(2009)

 兵庫は姫路を拠点に活動するアシッド(?)フォークグループ。ジャニスに置いてあったのをたまたま見つけたのが出会い。柔らかい空気が特徴のフォークで、例えば青葉市子のファンとか、かなり広い層に受けるサウンドだと思うのだけど、自分の観測範囲ではあまり話題を見かけない。もっと有名になってもいいと思うのだけど…(おれが知らなかっただけの可能性はある)。まさにインディーといった形で活動しているため音源が入手しにくいのですが、がんばる価値はあります。ソングライティングめちゃ良しなので。ホームページを見るとわかるのだけどかなり作品数があり、またリアルタイムで増えていっているので(ライブの度に音源作ってる?)じっくり堪能していこうと思う。そうでなくても定期的に聴きたくなるサウンドなのだから。個人的には空気公団と同クラスの大きな鉱脈だと思っている。








20. Takecha『Deep Soundscapes』(2018)

 滋賀を拠点に活動するプロデューサー、福島武司 aka Takechaが3月にリリースした作品。RAのレビューを見るまではまったく知らなかったのだけど、アルバムのクロスフェードを試聴して一発で惚れてしまった。まるで鎮静作用があるかのような、落ち着いた空気を持つアンビエント・ハウスで、聴いているとジャケットにあるような幾何学模様をじっと眺めているときのような気分になる(どんな気分だ)。あらゆるエモい音楽に対する最高の解毒剤。Soichi Terada『Sounds From The Far East』とWill Long『Long Trax』が合わさったらこんな感じになるんじゃないか、とか。作品はそれこそ幾何学模様のようにどこまでも整っているのだけど、ことそれぞれの音色に関してはアナログの、人の手による温かみが残っていて、そこがなんとも言えず良い。








21. Parquet Courts『Wide Awake』(2018)

 バンドの運動神経はそのままに、ソングライティングを成熟させてより広いところへと飛び出した意欲作。今までの作品にはライブハウスが似合っていたけど、今作はより人が多く開放的なアリーナやスタジアムが似合う……そんな感じの変化がサウンド・楽曲に起こっている(ここら辺はプロデューサーとして起用されたDanger Mouseの功績か)。アンセム的な曲も多く収録され、「Total Football」や「Freebird II」なんかはその筆頭だろう。というか「Freebird II」ですね、こんな素直にいい曲を作ってくるとは思わなかった。こういう曲を衒いなく出せるようになったことが一番の変化かも。ハイライトは#4〜#6の一連の流れ。ライブがとても観てみたいです。








22. Kanye West『Ye』(2018)

 カニエの待望の新作はなんと全7曲の約25分。自分はそんなにアルバムとかEPとかのフォーマットについては気にしないんですけど、これだけコンパクトにまとまってると精神的にかなり聴きやすいです。内容について、やはりどうしようもなくマッチョなところはあるのだけど、今回は(特に後半の4曲において顕著なのだけど)ソウルフルで祝祭的な空気が前面に出ていて、苦も無く聴き通すことができました(他のアルバムはマッチョさが鼻について長く聴けない…)。前にも書いたけど、ドラマチックなコード進行を作らせたらカニエの右に出るものはいないんですよ! 最終曲なんて超超超ミニマルだけど超ドラマチックですからね。本人の行動がいろいろと話題になりますけど、とりあえず今作は純粋にいいアルバムだと思います。あと地味にアートワークが好き。
(「祝祭的」なんて書きましたけど、リリックまでまだ消化できてないので、その内容によってはイメージがめっちゃ変わるかもしれないです。)








23. Toki Nakayama『Fracturama』(2017)

fracturama | polar pluto production
 pixivの運営する、Web上で開催される音楽即売会「Apollo」の第7回で見つけた作品。toki nakayamaによる2枚目のEP。伝統的なIDMサウンドで、サウンド的には新鮮さはないのだけど、とにかく曲がいい。展開が丁寧で、よく練られている。音による演出とか誘導とか、そういったものが抜群に上手い。自分語(?)で言えば、予感のコントロールが上手い。ゲームや映像作品など、物語のあるものの音楽とかもこの人には向いてるんじゃないか(余計なお世話)。 電子音楽って他のジャンルに比べてサウンドインパクトが重要な感じがしていて、その点においては今作は目立ててはいないのだけど、それを補って余りあるほどの楽曲の良さがある(のでみなさん聴いてください)。ぜひ末永く音楽活動を続けていってほしい。








24. Charly Bliss『Guppy』(2017)

Guppy | Charly Bliss
 warszawaさんの2017年のベスト記事で知ったバンド。そこでも触れられていますが、ツボを押さえたソングライティング、的確なアレンジととても完成度が高いです。自分の印象ではWeezerが1st2ndをすっ飛ばしていきなり3rdを作ってしまったかのような感じで……言ってしまえば「拗らせ」が足りないというか、もう少し毒があった方が好みかなと思ったりもするのですが、今作は今作で純粋さや爽やかさが感じられて良いです(それらの要素はトレードオフの関係にあるような気もするしね)。普段音楽聴かないような人も悪い顔をしなさそうな、なんというか「丸い」作品だと思う。もっと広いところへ。








25. 浜口史郎『ガールズ & パンツァー オリジナル・サウンド・トラック(2012)

 ポップミュージックを聴くのに疲れたときにこういう目的のはっきりした機能的な音楽を聴くことがあります。聴き疲れしないから! しかしそういう目的ありきの音楽の中にもキラリと光る曲というのはあって、それが今作の#6〜#8の曲群。特定のフィーリングだけを音楽に昇華させたような、まさにBGMな#9以降の曲とは違い、1曲の中で起伏があり展開が練られている。……なんかすごい失礼なことを書いている気がしてきた。とにかくこの3曲はおすすめです。ガルパン音楽の顔とも言える勇壮なブラスが主役の冒頭5曲もすばらしいです。#1〜#10は通しでよくリピートしました。








2018年のまとめ
・お金を使いすぎた。新しいデスクトップPC、新しいディスプレイ、HTC Vive…… あれ?でもそのくらいかな? CDはいつものことなので無視。
・2017年の8月に東京に越してきて、これで約一年半。今年は一年丸々東京を拠点として生活していたことになる。特に問題もなく過ごせていて大変よい。
・今年の後半、閉店の報が出た頃(8月くらいでしたっけ)からジャニスを利用する頻度が格段に上がり、代わりにBandcampやSoundCloudを使って音楽を掘る頻度が減った。そのことが今回のリストにも如実に影響している。挙げられているほとんどの作品が自分が借りた、あるいはフィジカルを購入した作品となっている。
・借りる作品は旧譜の方が割合的に多いため、リストにおける旧譜の割合も上がっている。まあいつものことなのだけど、個人の記録としての側面が強いリストです。
・なんだかんだお金を払って入手した音源はちゃんと聴く気が起きるように思う。

連絡事項
・昨年と同様に、選外となったけれどお気に入り、という作品を軽いコメント付きでいくつか挙げたいと思います。2019年1月中目標。
・2018年によく聴いたお気に入りの曲を使ってミックスを作ろうと思います。出来次第、記事として上げます。2018年内目標。



 驚くべきことは、ベスト3がすべて邦楽だということ(しかも内二つは2018年の作品)。トップが邦楽というのも2014年ぶり。正直、邦楽は掘れてる自信がない……というか実際まっっったく掘れてないと思っているので、そのような状況でこれだけいいなと思える作品に出会えたのはただただ幸運だったな……と。邦楽については基本的にはツイッターで情報を得ているので、ツイの音楽ファンたちには本当に感謝しています。ツイッターもね!
 というか今回、邦楽の割合が異様に高いです。なんでだ? まあ偶然だと思うんですけど、もしかしてもしかしてもしかして、洋楽をあまり聴かなくなっていたりするのか? …一応、ありえそうな説があって、自分、ヒップホップはそこまで聴かないんですけど、洋楽に占めるヒップホップの割合が増えてきていて、それにつれて総体として自分が洋楽を聴く量が減っている……とか。まあ実際にヒップホップの作品の量が増えてきているのかどうかは知らないんですけど、とにかく、今後は少し意識してヒップホップを聴いていかないとな、と思います。できるかわからんけど……(ここまで書いておいてなんだけど、自分の実感としてはインディーロック・ポップの方が聴く量が減ってきているように感じている。)



 2018年も多くのすばらしい作品に出会うことができました。来年もいい音楽にたくさん出会えますように。