お気に入り曲まとめ(2018.4〜5)パート1


 めちゃくちゃナチュラルに先月のまとめ作業をサボったので、2か月分となる今回はちょっと量が多いです。ので記事を分割します。掲載順に意味はありません。あ、でも改めて見てみたらパート1は旧譜が多いかもしれないです。
 ログでも書いたように4月はいろいろやっててあんま音楽聴いてなかったんですが、それを補って余りあるほどのリリースラッシュが5月から続いています。スケジュール重なりすぎててびっくりする。




James Ferraro / Solar Panel Smile

 ヴェイパーウェイブの始祖的な作品の一つとして扱われることの多い2011年リリースの『Far Side Virtual』からアルバム最終曲。出だしからWiiやらWindowsのシステム音源を加工した音が鳴らされ、蒸気っぽいなあ〜と同時にきれいな音だなあ〜と思う(ブライアン・イーノが作ったんでしたっけ→XPはビル・ブラウンという方が手掛けたらしいです)。陽気で爽やかな曲が多いアルバムの中で鎮静的な空気を持つ最後の2曲が印象に残った。
 参考:vaporwaveがどのようにしてインターネットで作られ、そして、壊されたか。 | CAHIER DE CHOCOLAT








AOTQ /e-muzak

e-muzak | Local Visionsフリーダウンロード
 いつもツイで楽しそうにしている(?)捨てアカさんが立ち上げたレーベルLocal Visionsからのカタログ001番(関係ないですが自分は仕事でほぼ毎日ホースリールを使っています)。エレベーター・ミュージックを真面目に掘ったことはないけどこの作品以上に完成度の高いものってないのでは?と思ってしまうほどの出来。無限に聴ける。派手な展開がなく似たような雰囲気でずっと流れていくため個々の楽曲が掴みにくい…のでアルバム丸ごと取り上げているけど、まあでも全曲いいです。作品世界が本当に1mmの隙もなく完成されており、新規性はあまりないかもしれないが字義通りに完璧な作品と言える。すごいです。
参考:すべてのインターネット・ユーザーのためのヴァーチャル・ラウンジ・ミューザック。―AOTQ『e​-​muzak』がLocal Visionsからリリース | MikikiAOTQのニューアルバム:『E-muzak』 | CAHIER DE CHOCOLAT








DJ healer / We Are Going Nowhere、The Interview

 Prince Of DenmarkやらDJ MetatronやらTraumprinzやらどの名義で呼んだらいいのかわからない人の新作より。healerなんて新名義からなんとなく察せられたように今までよりもさらにアンビエント色を増し、ハウスとアンビエントが1:1くらいの割合になった。個人的にはちょっとキラーが少ないかなーと思うけど、代わりにいつまでも聴けるようになっている。それよりもその一月後くらいに出た新しいミックス音源も聴かなければ… オリジナルのマテリアルで約3時間って、いったいどういうペースで曲を作っているのか…








国府達矢 / 薔薇、weTunes

 今さらながらロックブッダを真面目に聴きました。普通に傑作。なによりきちんと彼の存在を認知・評価されたことがね、ね… とりあえず個人的なお気に入りは上記の2曲。ちょっと少ないですが今作には既発曲も収束されているので仕方ない(次作以降に期待だ)。「weTunes」は一本のギターのリフを中心にぐいぐい展開していくタイプの楽曲で、自分はこの手の曲にめっぽう弱いです。








N.B.W / いずな、luke、ありっちゃあり (feat.夢眠ネム&初音ミク)、ねむれるものたちへ (feat.夢眠ネム)

 今年リリースされたEP『magni cantos』『battle,duel&struggle』より。今までボーカロイドにボーカルを任せていたけど、『magni cantos』では生の歌声を披露。ふつうにかっこいいやんけ… 相変わらず好調なペースで創作しておられてなによりです。今はサウンドに凝るよりもとにかく楽曲を形にする方を優先してる感じでしょうか。もしそうならそれでいいと思います、たぶんサウンドは後から作り直すこともできると思うので。今のところ2、3曲に1曲はキラーという感じなのでやっぱ好調なんだと思う。








Mouse On Mars / tamagnocchi、scat、Download Sofist

 たまに彼らの作る独特の質感の音が懐かしくなって聴きなおすんですけど、今回は特に程度が著しく思わず過去の音源をまとめて買ってしまった(衝動…)。まあいずれは買っていたのでいいんです。とりあえず3rdの『autoditacker』と6th?の『Niun Niggung』より。後者はまだぜんぜん消化できておらず頭の1曲(「Download Sofist」)だけ取り上げているんですけど、これがまたThe Booksの1枚目に通じるようなめっちゃいい曲で… しばらくゆっくり聴いていこうと思います。








SAKANA / Johnny Moon、その気になれば、たとえば、clothing myself with love、smile

 さかなも定期的に聴きたくなるアーティストですね。そういう存在になるには必要条件として「音楽性が唯一無二(彼らの作品でしか聴けない)」ってのがあると思うんですけど…それはさておき、「Johnny Moon」は野田努氏の敬愛する『BLIND MOON』の最終曲で、それ以外の曲は2006年の『Sunday Clothes』というアルバムからピックアップしています。どちらのアルバムも一生聴ける… 『Sunday Clothes』は今回初めて聴きましたが陽サイドの『BLIND MOON』という趣で え、これも名盤じゃないですか。楽器の、特にリズム隊の音数が増えて少しにぎやかになっています。




井手健介と母船 / 青い山賊、帽子をさらった風、雨ばかりの街、魔法がとけたら

 リアルタイム(2015年)で音源を入手しておきながら今頃聴いてるやつ。

 「雨ばかりの街」の途中から出てくるギターはもろに「恋がしたい」ですしね。「めまい」以降のゆら帝がルーツにあるという点で「homely」以降のOGRE YOU ASSHOLEとも親和性がある音楽だと思う。ラウンジっぽいキーボードとかフルートとかね、抗えないやつですね。良い盤です。タイミング的にそろそろ新譜が出るのでは…








久保田麻琴と夕焼け楽団 / 初夏の香り

 『ハワイ・チャンプルー』より。学生時代に入手したけど地味すぎてよくわからなかった作品がいい感じに馴染んできました。極上じゃん! 日本の南は沖縄か。これからの季節が一番似合うでしょう。








伊藤真澄 / サザナミの唄、往復書簡 〜Greetings〜、ふしぎふるふる

 2nd『花の音』、3rd『夢降る森へ』より。アルバムを真面目に集め始めて、1stのリマスタリング版を除いたアルバム4枚の音源はこれで揃ったのかな。どれもアルバムとしての流れをよく考えて構成されていて、またもともとの音楽性がとても穏やかなこともあってめちゃくちゃ浸ることができます。アルバム1枚でアンビエントのミックス1つ分みたいな趣。もっと評価されていい方だと思います。