Various Artists [Dark Was The Night: A Red Hot Compilation]


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Red Hot is a not-for-profit, 501(c) 3 organization dedicated to fighting HIV/AIDS through pop culture.

 ポップ・カルチャーを通してエイズと戦うことを目的とした団体(うんこ翻訳)Red Hotのコンピレーションアルバム。2009年作。

『Dark Was the Night』はコンピレーションアルバムとは思えない程の統一感+ごった煮感の二枚組 - ロックTシャツ通販Lyme-Records(ライムレコード)@hatena
http://blogs.yahoo.co.jp/freaksfreaxx/58842340.html

 ザ・ナショナルのデスナー兄弟がキュレーターとなった今作では当時のアメリカのインディーシーンが俯瞰できるような豪華なメンツがそろっている(上記リンク参照)。ので当時のインディーの雰囲気を掴むにももってこいだよ〜なんて意識の高い話はここで終わり。そういうの関係なく単純に一つの作品としてすごくいいので紹介します。


 「THIS DISC」、「THAT DISC」の二枚組で、個人的なイメージではTHIS〜がしっとりおだやか系、THAT〜がわいわい系です。でどちらにも共通するのはいい感じに肩の力が抜けた、開放的な感覚。全体的にフォーキーというか、重い音が少ないってのもあるでしょうけど、聴いてるとなんとなく身体が軽くなったような感じがします。
 でも最終的には曲がいい、ということになるのかな。基本的にはどの曲もここでしか聴けない未発表曲・新録音源なんですけど、よくこんないい曲を集めたなというか、おまえこんないい曲提供しちゃっていいのかよ、という具合。基本アーティスト同士のつながりだけで今作は形作られているんだけど、それでここまでの作品ができるのだから、海外のインディーシーンは本当に豊かだったんだな〜と。


 個人的なお気に入りはTHAT DISCの方で、正直全曲素晴らしいんだけど、作中でも特ににぎやかな前半部分が大好きです。Spoonは軽快にとばしてくれるし、Arcade Fireはなんかすごく切ないし。Beirutもめちゃくちゃ名曲なんですよ。。 時期的にぼくの大好きな「The Flying Club Cup」の頃の曲で、これ一曲のためだけでも買う価値があった。

The Flying Club Cupほんと好きなんですよ。。

 続く4〜5〜6(My Morning Jacket、Sharon Jones & The Dap-Kings、Dave Sitek)の流れは今作の懐の大きさを象徴してるような部分で、すごいおおらかな感じです。おおらか〜。もはやお父さん感、お母さん感まである(?)
 中盤、Arcade Fire並にエモいThe New PornographersのHey, Snow White(名曲。)を経て、次のYo La Tengoくらいからだんだんおだやかになっていきます。



 作品のテーマとかそういうものはぼくわからないんで触れてないですけど、まあこういう作品はそれぞれが楽しめればいいんじゃないかな、とか思います。身もふたもないことを言えば今作が購入された時点で彼らの目的は達成されてるでしょうし。でも「Dark Was The Night」ってタイトル、すごくかっこいいよね。

 二枚組だしいろんなアーティスト一度に聴けるしお得だよ〜っていう方向性で煽るのもありですけど、この作品においてはそんなことしなくとも単純に一つの優れた作品ってことで推せるのでつよいです。きけ!(乱暴だ...) あと今作は休日のBGMとして流すとめちゃくちゃよくて、なにげに自分が今作で一番気に入っている部分でもあります。なにもない午後をなにはなくとも最高の時間に変えてくれるので、暇を持て余していた学生時代によく聴いていました。イヤホン・ヘッドホンもいいですけど、こういう作品は窓なんか開けて、スピーカー使って空間で聴くことをおすすめします。最の高ですよ。



8.6