Maxo [Chordslayer]


ブルックリンの音楽家?マクソが4月だかに出したアルバム、ということでいいんでしょうか。ぼくは去年の秋ごろ(データを見ると10月らしいですけど)に彼を発見して、とりあえず当時バンドキャンプで落とせた音源は全部落としたのかな。落としただけで満足してあまり聴いてなかったんですが。
たぶん、こういう界隈では前から人気のあった人だと思う。たしかそのとき自分はこういうkawaii系のゴキゲンな音が聴きたい気分になっていて、サウンドクラウドを彷徨ってるうちにたどり着いたのが彼だった。

ブルックリンの音楽家、Maxoについて - 世の中
この記事は今みつけたものだけど、マクソのバンドキャンプは二種類あるようで、このレベルミュージックって名前が付いたものは特にゲームっぽい音の作品がまとめられているようだ。前述したように自分はまだぜんぜん聴けてないんだけど、オススメはこれ(LEVEL MUSIC PURCHASE | Maxo)。名前から察するに、ゲーム内でのお買い物時のbgmだと思う。町ごとにバリエーションがある感じ。(追記:バンドキャンプページの説明読んだら買い物ぜんぜん関係なかったっぽい・・・。なんかアメリカのいいとこの大学(SUNY Purchase campus)のために書かれた曲らしい。てか、マクソがそこの卒業生で、在学中に書かれたらしい。まあ一応買い物とかけてる可能性もあるけどね)音は実際にニンテンドーのゲームから採ってきてるようで。よ、よんじゅうななきょくて。。にしてもゴキゲンな曲たちですね。元気で、懐かしくて、優しくて。まああまりゲームに馴染みのない人にはどう感じられるのかわかりませんけど。これ聴きながら買い物行ったら最高でしょ。というか、お店のほうでこれをbgmとして流してほしいですね。ゲーム屋さんとか、ゲームのサントラ流せばよくない?と思うんだけど、どうなんだろう。法律とかあるのかな。それとももう流れてたりして。最近は行くことまったくないからわからんです。ともかく、ぼくは当時これを聴いて、がんばってバンドキャンプの音源全部落としたんですよ。

彼がより広い範囲に知られるようになったきっかけって・・・今回PCの調子悪くてあんまり調べてないけど、いや少しは調べたけど日本語の記事あんまないんすよね・・・想像するに、PC Musicから出したSnow Otherがあるんじゃないでしょうか。ぼくがマクソと出会った時、もうその曲はリリースされていたはずですが、ぼくはPC Musicについては知らなかったので。。後でマクソがあそこからリリースしていたと知って、へえ〜・・・となりました。


内容に移ろう。コード・スレイヤー?コーズ・レイヤー? たぶん中身からすると前者でしょう。
冒頭でアルバム?てな感じに書いてるのは、この作品の収録時間がすごく短いことから。全6曲で、17分くらいで終わります。短い! でも聴き終わったあとで、ちゃんと満足感があります。というのも、一曲一曲が高密度だから。とにかくめまぐるしく曲が展開していくんですよ。これについては実際に聴いてもらうしかないんですが、この作品、オリジナルの視聴サイトがあるのでぜひそこに行って聴いてみてほしい。
http://chordslayer.com/ ここ。
このサイト、画面上部に曲中で使われているコードがリアルタイムで表示されるんですよ。耳で聴くだけでもおおう、となりますけど、実際、こう視覚的に示されると唖然としますね。一秒にも満たない間隔でコードが展開していく。すげえ。で、たぶんアルバムタイトルはこの切り刻まれたように展開していくコードのことを示しているんでしょう。

こういうスタイルの音楽では(前から言ってるけど)ぼく芳川よしのさんの音楽がすごく好きなんですよね。たしかマクソのサンクラもよしのさんのページから見つけたような気が。。
Maltine Records - [MARU-056] 芳川よしの - Beyond The Chasmこれが2009年ですよ。まあ遡ればもっとあるんでしょうけど。個人的にはザッパのこの名曲もルーツの一つだと思っています。
69年。サビの直前とか。

たぶん、これ聴いてるとき、曲の構造あまり把握できてないような気がする。あまりにめまぐるしくて頭が追いつかない。でも身体の方はちゃんと反応してるんだよね。反射。結果、よくわからんけど、とにかく気持ちいい、ってなる。
なんか10年代あたりからこういう曲によく出会うようになったような。複雑、というかめまぐるしく展開する曲。展開の間隔が短すぎ、また差が微妙すぎて、展開したことに気づかないレベルになっている。この手の曲では音が滑らかでするする抜けていくようなものが多い気もしていて、たぶんその音の滑らかさも展開を気づきにくくさせていると思う。
何度も聴ける曲って、方向性としてシンプルか複雑かってのがあるかも、と思ったりするんだけど、これは複雑方向の極致って感じだろうか。ただ、音が滑らかってのと、あとなんというか一つ一つの変化率が小さいってことが、耳あたりをよくしている。複雑なんだけど、シンプルな曲と同じように楽しめる。複雑な曲は何度も聴くうちに展開が分かってより楽しめるようになっていったりするんだけど、これらはその性質に加えて、最初から(よくわかってないまま)楽しめるようになっている。ある意味印象派的なところもあるのかな。てか曲を把握しなくても気持ちいいって、もうそれ賞味期限なしというかグルーヴだけで聴かせる作品と同タイプというか・・・

うーん、あまり真に受けないでくださいね、感覚で言ってるので。たまに妄想も混ざるし。何度も聴けるうんぬんのところとかは曲以外にも音の要素もありますし。
サウンドについては、いろいろおもしろい音が入っています。ちょうど自分の世代にドンピシャだろうなというサンプリング。スーファミのゲームとニコニコ動画ですね。具体例を挙げるとカービィ(ドンッ"0%" "0%" "0%")とかマリオ、ボカロとか修造とか。だから、そこらへん通過してきた人にも聴いてみてほしいですね。ほら、流星群とかあったじゃないですか、あれがちょっとオシャレになったようなもんですよ。


個人的なお気に入りは#5Honeybellですね。50秒くらいのワープスターが飛んでいくところでどうしようもなく胸が熱くなります。最後の曲ではどことなく寂しい気持ちになっちゃったりして。
作品のリリースからけっこう経っちゃいましたけど、ポップでカワイイ音楽探してる人はぜひ聴いてみてください。



8.3