D'Angelo & The Vanguard [Black Messiah]

粗製濫造ってわけじゃないけど、卒論発表終わってからあまりに自堕落な生活を送っているので、メリハリをつけるためにアップ。家から出ないから髭がじょりじょり。身体を起こしている時間より横になっている時間のほうが長い。なろう小説ってケータイで読めるじゃないですか。ケータイって片手で扱えるんですよね。つまりぼくらは片手だけで物語を読めるんですよ。これが慣れるとなかなか・・・ 本って基本両手が必要じゃないですか?あれちょっとつらいんですよね自分。無理すれば片手でも読めそうだけど本は傷めたくないし。まあもう紙の本はそんな買わないと思うのですが。電子書籍。でもキンドルはぼくの手には少し大きかったです。自分とか、あと日本人女性とか手の小さい人に配慮したモデルを出したほうが。出てるのか?なんにせよ、ぼくにとっては片手で扱えるかどうかは結構大きい問題です。というわけで最近はコタツで丸くなりながらアリュ―ジョニスト読んでます。

今回はこれ。

BLACK MESSIAH

BLACK MESSIAH

(いつもそうですが今回も歌詞など思想部分には触れません)
すでに語られつくしている?実際はどうかわかりませんが、もしそうだったとしても、重要なのは自分がどう思ったかなのでスルー。
とりあえず印象を述べていくと、最初はわりと変な感じでした(今もそう思ってるけど)。変というよりは不思議か。前作voodooは聴き手にすごく空間を意識させるような、というか空間を活かした曲・録音でした。ちょっと言い方悪いかもだけど、スカスカ。骨のみ・・・なんだけどその路線を突き詰めていって、構造の中の、なにもない(ように見える)空間に目を向けさせることに成功したのがvoodooでした。わかりにくいですね。とにかくvoodooは雰囲気・空気感や音と音のスキ間が非常に魅力的な作品だったわけです。
一方、今作は一聴して、正直ごちゃごちゃしているという印象を受けました。#2の1000 Deathsの最初の印象やばくないですか。あんま聴いたことない音。てかベースとドラムの音やばいだろ。まあ実際は音の数量は適当で、たぶん録音による魔術なんでしょうけど。
全体に音が、音そのものもですけど、音の配置が潰れている。塊のようになっています。前述した#2はその極致ですが、こういう音ってすごく生っぽい・・・とにかく迫力があるんですよね。それこそ暴動のような。暴力的なまでの迫力。めちゃくちゃかっこいいです。
でもこういう音って個人的にはちょっと疲れるというか。初めからよく分離していて整理されているものはすっと入ってくるんですけど、これは逆なわけです。まあこれでしか出せない魅力もあるでしょうし・・・
とか思っちゃうんですけど、実際流してみるとこれが疲れないんですよ!めちゃくちゃ説明長くなりましたけど、今作で驚いたことは、「なんかごちゃごちゃした感じだけど聴いててあんま疲れないしすらーっと流れる」ってことです。これが不思議。曲もわりと複雑、というかなんか掴めない感じなんだけど、なんかすっといくんだよね。でなんかよく分からないままリピートするっていう。
てかね、もうほんとわかんない。たぶん神がかったバランス能力によるものだとは思うけど。ぜんぜんわからないけどなんかいいっていう。謎。なんか中毒性弱い?とか思ったけどたぶんそれは掴めないから。前作よりずっと具体的っぽいのにつかめない。適当なのか完璧なのか。これに比べるとvoodooはまだ掴めた・・・自分の中で位置づけができたんだけど。でも実際アルバムでまとまってないってのは少しあると思う。まとまってないわけじゃないか。A面B面で分かれていて、特にA面はベストアルバム的な感じでちょっと散漫なので、アルバム単位で評価するときにはこの構成に注意しなければいけない。B面は文句なくすばらしいです。
まあとにかく、他のアーティストとはやはり格が違うかな、という。安易に括れない作品です。生まれながらにしてスタンダード。流行り廃りを越えたところにある。でもそれゆえにちょっと浮いていて、あまり年末ベストとかに入れたくない。隣に並べられる作品がないんですよね。でも2014年の終わりにこの謎な、それゆえに普遍的な作品が世に出たことは記憶されなければならない。



Black Messiah 9.3



追記(16:07) ごちゃごちゃしているというか、まあそう感じたのは事実なんですけど、とにかく変な音!ということを伝えたかったのですよ。焦点が合わない感じ、ちょっとずれてる感じがリズムだけじゃなくて曲・音の構造からも感じられて、幻惑されているような、まあとにかく変です。聴いたことがない。言葉にするの難しいです。そもそも自分がうまく掴めてないので。前作で音の距離感を完全に把握した彼にしか作れない音でしょう。