お気に入り曲まとめ(2023.1~2)とその他

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 1月はじめ頃まで次の本の作業じゃ~と、あるレーベルの作品を中心に聴いてたのですが、途中で飽きて止め。そこからはマイペースに自由に音楽聴いてました。

 

 

 

顾忠山(Lawrence Ku) /

Send-off、Goodtime Speedlove、Unlived、Michael Dreams of Disco、Clarity

 from『Clarity』

 

Lawrence Ku 顾忠山、Damien Banzigou /

A Day in Lungmen、Jobimesque、Home Service、Last Pill

 from『鯉氏偵探事務所OST

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 激オモロなソシャゲ、アークナイツのスピンオフ?アニメ作品「リー探偵事務所」。1話10分くらいの尺なのでたまに見てるのですが、それの2話が神回で…。話も作画もいいけど同等以上に良かったのが音楽で……さすが自前で音楽イベントを開催してしまうほどの音楽フリーク企業なだけあるな…と思いつつクレジットからアーティストを検索していったら顾忠山(Lawrence Ku)という名前にたどり着きました。

 

鲤氏侦探事务所 - PRTS - 玩家自由构筑的明日方舟中文Wiki

 

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 上のツイートをしていた当時はまだサントラは発表されておらず、2月3日に解禁されたそう、と今調べて知りました。

 

 『Clarity』わかりやすくカッコいいジャズ~フュージョン。聴かせるポイントがはっきりしていて、曲ごとのメインとなるフレーズも明朗で、全体に非常にポップ。自分はジャズは本当に門外漢なので分からないのですが、この音楽の分かりやすさゆえに、逆にジャズのファンからは敬遠されたりすることもあるのでは……なんて思ってしまうほどにポップ(ロック?)です。なんか自分のジャズに対する偏見がにじみ出ている文章ですね。

 #1「Send-off」なんかはアドリブも少なくアレンジも整理されてて、なんというかバンドで普通にカバーできそう、そしてどちらかと言えばロックのフェスで演奏されてそうな雰囲気。#3「Unlived」、#9「Clarity」は数少ないレイドバックした空気の楽曲で自分のモロ好み。他の曲もけっこうそうなんですが、「Michael Dreams of Disco」なんかは特にデトロイトテクノなんかに通じそうなコード感。

 

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 『鯉氏偵探事務所OST』はアニメの劇伴ということで多様なムードの楽曲を揃えつつ、どんなときもオシャレであり続けている。またボーカル曲がかなりあるのが『Clarity』と比べると新鮮。「Jobimesque」なんてそのまんまなボッサな曲も。「Home Service」の後半部分の展開なんかを聴くとMPBとか、ブラジル~アルゼンチンあたりポップの影響も受けている感じが。メロディーとかボーカリゼーションがそれっぽい。これはアニメ側からの要請なのか本人の趣味なのか……

 

 現代的で洒脱なコード感覚とプロダクション。なにより楽曲の分かりやすさが魅力なアーティストだと思いました。流してすぐに(おおカッコいい…)となる。ギターの音色・残響の感じのせいか、基本的に夜の雰囲気があるのも特徴。HyperGryphは相変わらずセンスが良いなとも思いました。

 

 

 

 

 

 

 

Jesse Van Ruller、Maarten Hogenhuis /

Tideline、Bye, Bye, Big City, Bye、Sonder、Spirits High、First Steps, Born Again

 from『Spirits High』

 

Chamber Tones Trio / 

Ruimte、Smiling In The Cold、The Way The Whole Thing Ends

 from『The Ninth Planet』

 

 Lawrence Kuを聴いてから(自分、ギター中心のジャズ好きかもしれん…)と思いちょっと調べてみたりしていたときに出会ったアーティスト、Jesse Van Ruller。オランダ出身のジャズギタリストで、95年にセロニアスモンク国際ジャズコンペティション(現在はハービーハンコック~に改名されている模様)で優勝し、そこからどんどん活躍といった経歴。

 

 一番最近のリリースかな?と軽い気持ちで聴いた、オランダの若いサックス奏者Maarten Hogenhuisとのデュオ作である『Spirits High』がめちゃ良かった。全曲オリジナル(たぶん)。サックスとギターの音しか使ってない(とBandcampページに書いてある)のだけど、ポストプロダクションが相当練られており、単純なジャズに留まらない芸術作品へと昇華されている。

 目立つところでは#1「Tideline」イントロの、遠くからそよ風のように音がやってくる演出。#2「Bye, Bye, Big City, Bye」の要所で現れる、うっすらと重ねられた柔らかなアンビエンス。#4「Sonder」での大胆な音響のマジック(1:37~)など。まあでもそもそもの話、録音がすごく良いし、自作の楽曲も良い。

 

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 アーティストとして気に入ったので関連作品もゆっくりと聴き進めていこうと思っていますが、今の時点でも、この作品が芸術性において頭ひとつ抜けているのでは、という印象がある。もしこれが事実なら、20年以上に渡るキャリアの中で今(最新作)が一番良いということになり、最高になってしまう。……のだけど、まあここらへんはじっくり過去作聴いて検証していきましょう。

 このアルバム(『Spirits High』)もそうなのですが、Chamber Tones名義の作品も基本的には音色・楽曲が牧歌的で馴染みやすそうです。ぬるっと最後まで流せてしまう。

 

 しかし『Spirits High』、本当に良いです。個人的年間ベスト10に入ると思う。聴いているとやっぱジャズとはいえどポスプロあってこそでは?なんて気持ちが沸いてしまう。このクオリティに触れると普通の(?)ジャズ作品が手抜きに思えてしまう。……いやまあこれはジャズって基本生演奏なのでは、という自分の偏見に基づいた発言なんですけど(だから実際はわからないです。ジャズのことなんも知らないので…)。

 ここらへん考えてると自分は演出が好きなんだろうな~とか思ったりする。

 

 

 

 

 

 

 

planet uterus / im rausch der tiefe、the day after tomorrow、about leaving

 from『life』

 年末年始の恒例となっている気がする、planet uterusの新作音源。繋がってないのでミックスではなく、普通にアルバムっぽい。ツイッターに流そうとしたら画像のせい?かなぜかセンシティブ判定され流せませんでした。

 昔ならDialなんかからリリースされてそうな、クラブとホームの中間を攻めた、少しスピリチュアルなダンスミュージック。9分ある1曲目を聴けばわかると思うけど、派手な展開は少なく、時間をかけてじっくりと聴かせるスタイル。2曲目は神秘的なストリングスにdj healerキタコレとなるが、ここまでユーフォリックな響きはこれ以降出てきません。いやまあたまにこういう曲が出てくるから彼(彼女)の活動を追わざるを得なくなっているんですけどね。3曲目はレイブ路線とスピリチュアル路線をうまく組み合わせた名曲で……#1~#3の流れは文字通り完璧です。中盤はやや退屈だけど最後の3曲でまた持ち直す。

 完璧な冒頭だけでも聴く価値あり。やはりこういう神秘的なダンスミュージックは自分のツボで、もっとこういう音楽増えてくれ~と思ったりするけど、そもそもplanet uterusの過去作もまだそこまで消化できていないので順に聴いていこうと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

Khotin / The Ransom Note Mix

 ごく最近新しいアルバムも出たKhotinの、今年最初のミックスリリース。正直に書くとKhotinはアルバムよりもミックスの方が良いです。おそらくだけど、Khotinの活動の中心にあるものは「特定のムードの追究」であり、それには、手法としてはアルバム製作(オリジナルの楽曲製作)よりもさまざまな音源を繋ぎ合わせるミックス製作の方がたぶん適しているんですよね。いや、そのムードがシンプルなものなら音を自作した方が早いかもしれないんですけど、Khotinの求めるムードってめちゃくちゃ微妙なもので、たぶんゼロから作っていくのがかなり大変なんですよね(だからミックスの方が効率的)。

 ひとつの曲・世界をかっちりと完成させるよりも、無限に広がるキャンパスで、「完成」なんて意識せずに自由に音楽・雰囲気を展開させたいという。たぶんKhotin以外にもそういうアーティストっていると思います。基本的に100%自作という前提があるからか、どうしてもアルバム中心にアーティストを評価してしまいがちですけど、ミックスの方が得意なアーティストももちろんいるんですよね。ダンスミュージック以外のジャンルでミックスの方が得意、というのは少し珍しいかもしれませんが。

 ということで、より微妙で繊細な雰囲気の移り変わりを求める人にはアルバムよりもミックスの方をお勧めします。(ミックスに)自分の新曲も織り交ぜてくることや作り込みの深さを鑑みれば、普通にアルバムと同じくらいの価値があります。というか今までのミックス全部フィジカルで出してほしい~。

 

 

 

 

 

 


Stevie Wonder / Power Flower、Send One Your Love、Outside My Window

 from『Journey Through The Secret Life Of Plants』

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 前に話題を見かけたことがあったのを思い出して聴いた、映画のサントラ作品。サントラなので半分以上はインストで、本来はそちらを評価すべきなのだろうけど、やっぱ自分はボーカル入りの曲に惹かれてしまう……ということでボーカル曲を3曲。

 微妙なコード展開と控えめなサウンドによる、キャリアでも屈指の美しい楽曲だと思う。有名なアルバムしか聴いたことないけど! いまいち他のなにかで例えることができない……スティーヴィー節としか言えないような3曲。サウンドに関してはエレピの音色と粘り気のあるベースを真似できればスティーヴィーっぽくなると思うけど、楽曲に関してはなかなか真似できないアーティストなのではないか…と思う。

 この翳のある美しさ……それでいてしっかりと中毒性のある楽曲。なんなんだろう……唯一無二な3曲だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

ミツメ / フィクション、睡魔、メッセージ、VIDEO

 from『VI』

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 リリース年見てびっくりした。2021年! もうね、時間の感覚が老人のそれなんだよな(もっと最近だと思っていた)。

 前作『Ghosts』もあまり聴けてないのだけど、サウンドもアンサンブルもソフトになった感じが自分にはちょっと合わないなと感じていて……それを引きずってこの『VI』に触れるのも遅くなったような。

 今回は『Ghosts』に比べればアンサンブルの比重が大きくなって……有体に言えば「ちゃかぽこ度」が増しています。特に、曲によってきちんとスタイルを使い分けているとはいえ、ドラムの音数の多さがかなり目立っている。特にアルバム前半の楽曲など、少し過剰かなと思ったりもするけど、複雑なシンコペーションは聴きごたえがあり、何度も聴ける強度を作品に与えている。

 どちらかといえば抑制された曲調とリズムの旨味に溢れた演奏が合わさって、日常でボーっと流しておくのにちょうどいい。部屋に緩い熱とグルーヴが供給されます。はちゃめちゃな品質の高さは相変わらず。滋味深い名品だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

Brian Eno / New Space Music

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 個人的に、イーノのアンビエントを流すときは『On Land』か『Thursday Afternoon』を選ぶことが多いのだけど、それらに次いでちょくちょく流すのがオレンジのジャケットの『Neroli』という作品。この沈~~~とした感じがたまにハマったりするんだよね、とSpotifyで検索するとNeroliのExpanded Editionなるバージョンが登録されているのを発見。収録内容を見るとボートラが1曲追加されているだけで、え~一時間のアンビエント1曲勝負のアルバムにボートラって、余程のクオリティじゃないと蛇足になっちゃうのでは……と思ったのだけど、これがとても良かった。

 というかそもそもボートラも一時間ある(Neroli本編より少し長い)。どうやら2014年に、Neroliを含むイーノの90年代のアルバム4作が同時にリイシューされており、その時にボートラとして追加された未発表曲らしい。ボーナストラックといっても、これのためだけにCD一枚分新たにプレス・パッケージしてるわけで、作品に対する自信の高さがうかがえる。

 

 内容は厚みをゆっくりと変えつつ揺らめき続けるドローンミュージック。自分の好みドンピシャで、なんならNeroliより好きなスタイルなんだけど、アンビエントとしてはあるあるなサウンドでもあるので、そこらへんを鑑みて未発表になっていたのかなとか。とはいえクオリティは極上で、似たようなスタイルの他作品を蹴散らしてしまうレベル。なにより音が、身体で聴いてめちゃ気持ちいい。低音大事。

 アルバムとしてリリースするには少しスタイルの個性が弱いので、アーティストとしての矜持が許さなかったのかもしれないけど、こういう音のファンとしてはこうして陽の目を見る機会がちゃんとできてよかったねという感じ。この手の音はいつでも需要あるので…。傑作。

 

 

 

 

 

 

 

結束バンド / 青春コンプレックス、Distortion‼、カラカラ、なにが悪い、星座になれたら、フラッシュバッカー、転がる岩、君に朝が降る

www.youtube.com この神曲が10曲目ってのもなんかすごくない!? 

 7曲目まで聴いたときの感想。

 

 #10「なにが悪い」くらいまで来たときの感想。

 

 しばらくしてからの感想。

 

 #2#5#6#7に邦楽の悪いところ……ではない、自分の苦手な「邦楽らしさ」が詰まっています。自分だったらこの4曲を抜いて10曲のアルバムとしてまとめる。いや他の曲にももちろん同じ要素はありますが、まあ程度の話ですので。

 サウンドに統一感があるのはもちろん、楽曲も粒ぞろい。いいアルバムだと思います。あまりに邦楽邦楽してるので、洋楽ばかり聴いている聴き手の場合は若干感覚のチューニングが要るかもしれないですが。「フラッシュバッカー」みたいなスローな楽曲はもっと欲しいけど(老人)。

 いやでも#4「ギターと孤独と蒼い惑星」の再生数の多さを見るとやっぱり断絶を感じる(みんなの好みと自分の好みが違うことの絶望です)し、やっぱ#5~#7の三連苦手邦楽はキツいと思う。そこで再生止められてもなんも文句言えない。

 

 改めて考えればBlanc Bunny Banditを気に入った自分が気に入らない訳がない、みたいな作品だった。逆に結束バンド気に入った人はBlanc Bunny Banditを聴いてくれ。お気に入りを交換しようじゃないか。あとまだアニメ見てないよ。自分の中でのハードルが上がりすぎている……

 

 

 

 

 

 

 

睦月周平下地悠 / SOS(歌:黛 冬優子)

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 去年の年末にMVが公開され、そこで聴いて気に入ったのだけど、よくよく調べてみたら楽曲自体は2021年の2月に(ゲーム内で)リリースされていたらしい。アイマスはメディア展開を頑張っていて、このMVもとあるキャンペーンの一環らしく(MV内のイラストもしぐれうい製作だし)……今年の1月には、最近ヤクルトのCM出演により茶の間でも声を聞くようになった壱百満天原サロメによるカバーなんかも公開されている。

 シャニもぜんぜん楽曲聴けてないっす。すんません。でもSOSはめっちゃ良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

佐高陵平 / どきどきアイデアをよろしく!(潟女DIY部!!)、続く話(せるふとぷりん)

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 DIYというアニメを見てめちゃ良くて……6話までで視聴止まってるんですが、それのOPテーマが良かったのでここでも挙げておく。サントラも良い。

 自分にとって久しぶりのアニメ視聴で……絵上手すぎ~と感動していたのだけど、たぶんDIYだけじゃなくて業界全体のレベルが上がってるんだと思う。いや、平均のレベルは上がってるかわからんけど、上限のね、値がね…

 

 

 

 

 

 

 

yojikとwanda『仕事の歌』

 2020年に連続してリリースされた楽曲群のラスト。歪んだサウンドと共に歌詞も攻めている。この歌詞の曲が2年前か~~2年前からぜんぜん状況が良くなっていないことが分かって絶望しちゃうね。名曲。

 

 

 

 

 

 

 

QN / Jet Coaster

 from『PRACTIVE』

 

Space Cowboy

 from『Bad Inc』

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 以前お気に入りしたアーティストを久しぶりに検索してみると活発な活動が続いていたようで嬉しい。そしてかつて良いと感じたところはいまだに良いままで……ちゃんと追います。

 

 

 

 

 

 

 

その他のこと

 

・橋元優歩のその後

 『サイダーのように言葉が湧き上がる』のときにソシャゲのシナリオに関わってる的な発言があってへ~~~と思ってたけど、どうやらシャニマスに関わっていたらしい。シャニマスはシナリオとその演出がたぶん世界一良いゲームなのでみなさんぜひ読んでみてください。定期的にイベントシナリオが全開放されるのでそのときにゲーム始めればイベントシナリオだけは読める。「はこぶものたち」あたりを読んで判断していただければ…

 

 

 

・『窓から見える』という神ゲー

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 シナリオが2本あって、上に貼ったツイは主に左側(プレイすればわかる)のシナリオについての感想。ここまで純粋な話は見たことないかもしれない。右側もめちゃおもろい話だった。

 

 

 

 

 

 まとめ、めんどいしそんな音楽聴いてないから2ヶ月に一回ペースでいい気がしてきた。春っぽくなってきたので元気。