シューゲイザーとドリームポップについて

 

 

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 去年の終わりごろからシューゲイザーについて考える機会がちょくちょくあり、まあその機会自体は気持ちのいいものじゃなかったんだけど、まあ考えただけで終わるのもアレなのでここで個人的な見解を書いておく。

 

 自分の中ではシューゲイザーサウンドのジャンルで、ドリームポップは曲のジャンル。ギターのフィードバックとかで作られたぶ厚いサウンドが出てきたらシューゲイザー。ヴェルヴェッツ的な、簡素で退廃的な曲はドリームポップ(上に貼ったSunday Morningがお手本)。

 

 

 

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ドリームポップはこんな曲(サウンドにも一定の傾向があるかもだけどそこはいったん無視してくれ)

 

・ヴェルヴェッツ3rd

Galaxie 500『On Fire』 偉大なる金太郎飴

・Beach House 1stは敬虔なヴェルヴェッツチルドレン

Yo La Tengo

Low

Cocteau Twins『Heaven or Las Vegas』

 

 などなど。ステレオラブとか、もうヴェルヴェッツチルドレンは全部当てはまっちゃう。甘いコード展開やメロディーの反復にずっと浸る音楽なので、サウンドも聴き疲れしない、ずっと聴いていられるようなものがフィットする。最近だとFaye Websterが目立ってたか(カントリーのサウンド+ドリームポップの曲)。

 

 

 

 

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 シューゲイザーはダブ、エフェクトの音楽。音楽というかサウンド。ドリームポップみたいに具体例は挙げたりしない。

 自分的には、シューゲイザーサウンドの区分けでドリームポップはソングライティングの区分けなので、理論上「これはシューゲイザーだけどドリームポップではない」みたいなことが起こり得る(上に貼ったFucked Upなど)。ただ、ドリームポップ的な曲とシューゲイザー的なサウンドはめちゃくちゃ相性がいいので、両方の性質を同時に備えていることが多い(マイブラはまさに「シューゲかつドリームポップ」)。

 …そうでもないか。ドリームポップだけどシューゲイザーではない、という曲は多いけど、シューゲイザーだけどドリームポップではない、という曲はあまりない気がする。

 というか上のFucked Upの曲も、曲のシンプルさはほぼほぼドリームポップなんだよな。ゲシュタルト崩壊してきました。改めて、「シューゲイザーだけどドリームポップではない」曲は珍しい気がする。エレクトロニカとかメタル方面の方がそういう曲あるかも。

 

 「じゃあグランジとシューゲってなにが違うの?」という問。似てるよな~。今のところは(明らかな)オーバーダビングの差かなと思っている。エフェクトはかけてるけど基本一発録りというか、あくまでバンドの中のギターですよ、みたいな感じだとグランジかな。バンドという枠組みを超えて、録音芸術としていろんな音を重ねていくとシューゲになる気がする。音の層的なものや、それがさらに進んで音の壁みたいなものが感じられたら確実にシューゲイザー

 

 少し前はシューゲ=轟音と捉えて、さらに「轟音=ノイズ・音割れ」として、ノイズ・音割れがシューゲには重要なのでは?とか考えてもいました。「オーバーダビング」と「ノイズ・音割れ」って別の問題で、当然だけどオーバーダビングしなくともノイズや音割れは出る。まあでもどちらもシューゲイザーの要素な気がする。どちらか片方だけでもあればシューゲイザーってことで。(=オルタナグランジシューゲイザーは領域的に被る部分がある、ということで。)

 

 

 

 まあシューゲイザーの定義みたいな話はこの記事においては完全に横道なんですけどね。なので無視して大丈夫です。この記事で言いたいことは、自分にとっては「シューゲイザー≠ドリームポップ」であり、シューゲイザーサウンドの区分けでドリームポップはソングライティングの区分けだ、ということだけです。だから上で挙げたドリームポップの具体例たちを聴いて(曲の感じ似てるな~)と感じない人には自分の話は通じません。シューゲのサウンドもそうだけども。