Ricardo Villalobosの個人的印象

 

 

 ここしばらく「人生の夏休み」みたいな感じでめちゃくちゃ余暇があるのと、最近誕生日を迎えてキリのいい年齢になったことがあって、今までに自分が聴いてきた音楽作品を振り返るという作業をしています。なので自分にとって新しい音源とかはぜんぜん聴けてないのですが、その作業の過程でなんか思うことがあったらこうして適当に書き残しておこうかなと。思って今書いています。(とくに結論とかまとまりとかがあるわけではない、100%雑文です。)

 

 タイトル通り、Ricardo Villalobosの個人的印象について。過去に「変人」なんて書いたりしましたが、それは変態的なトラックからの連想で生じた言葉の綾で、実際は言わずと知れたミニマルハウスの超大御所。……なわけですが、個人的には「求道者」みたいなストイックなイメージも強くあります。

 どこからそう感じるかと言うと、それはやはり彼の作るグルーヴのきめ細やかさからで、この点において彼はマジで他の追随を許さない領域にいると自分は思っています。

 

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 1stの『Alcachofa』の頃からずっと、その時代の平均的な(ミニマルな)グルーヴの、一歩二歩先のレベルのサウンドを提示し続けていると思います。いやまあ平均的なグルーヴがどんなものだったかは分からないんですけど、たぶんそうだと思う。で、すごいのはその追究を継続的に続けているところ。少なくとも自分がある程度まともに聴いた『Alcachofa』、『fabric 36』、『Dependent And Happy』(、『Empirical House』)といった作品では、後発のものの方が明らかにグルーヴがより細かくより気持ちよくなっている。

 『fabric 36』の前に『Fizheuer Zieheuer』(2006)があって、こちらではグルーヴの細かさよりは反復の持つ力強さが追究されている。これだけサウンドがスカスカでも(=グルーヴが細かくなくても)これだけ気持ちいいしずっと聴いていられるんだぜ!という。ようなことをVillalobos本人も作ってて再確認したんじゃないか、なんて思ったりもする。

 

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 で、個人的には、グルーヴの細かさと気持ちよさのバランスが『Dependent And Happy』(2012)において頂点を迎えたんじゃないかなと思っている。というのもより細かなグルーヴが追究された『Empirical House』(2017)では、ダンスミュージック的な快感がDependent~でのそれよりも劣っているように感じられたから。まあ個人的な話なんで人によっては変わるかもしれないけど、とりあえず自分にとってはサウンドは細かければ細かいほど気持ちいい、というものではないっぽい。ある程度ダイナミックな音や構造が同時にあったほうが気持ちいい(細かなサウンドと共に引き立てあっているんだろう)。

 

 そしてそんなVillalobosに並ぶ存在がいるとしたら、Luciano以外にはいないんじゃないかなと思っている。いやそんなにミニマルに詳しいわけじゃないのだけど(Lucianoも『Tribute To The Sun』しかまともに聴いてないのですが!)、マジでグルーヴの気持ちよさで匹敵するのがLucianoしかいなくないですか? というかポップさという観点だったら『Tribute To The Sun』は普通にVillalobosを超えていたので…。

 『Empirical House』でのちょっとした停滞?を思うとマジでミニマルハウスのジャンルで行けるところまで行ったアーティストだと思ってます。これ以上ないという上限にタッチしちゃったアーティスト。そんな印象を持っています。

 

 『Thé Au Harem D'Archimède』は2015年にCDで入手してるけどなんかよく分からなくて積んである。『Achso』は前からBandcampのお気に入りに入ってましたが、これを機に購入しました今日。『Sei Es Drum』はレコードあるけど取り込みめんどくてずっと積んでます。もしDL購入できるようになったらそっち買って聴くと思う。レコードは扱いめんどくさすぎてもうDL購入のオマケでしか買わないと思う。