『十三機兵防衛圏』ネタバレなし感想など

  『十三機兵防衛圏』、クリアしました。自分の感想と、あと他人の感想を適当にまとめていきます。。

 

 

・『十三機兵防衛圏』とは

www.youtube.com

 ヴァニラウェアが開発し、アトラスより発売されたPlayStation 4用ゲームソフト(2019年11月28日発売)。

 

13sar.jp

 

 

 

 ゲームの基本的な内容についてはIGNのレビューが参考になります。

jp.ign.com

 完璧なレビューで、これを読めば本作をまったく知らない人でもすんなりとシステムなどを理解できる……けどぶっちゃけそんなシステム的には複雑なゲームではないので、未プレイ者はこれを読まずにダイレクトにゲーム世界に飛び込んでいってほしい。どちらかというと既プレイ者が改めてゲームの内容を整理するときに訳に立つ記事という感じです。

 デスストと並ぶ超高評価。普段から見ているメディアではないので分からないのだけど、ここで9点超えの評価ってかなりレアなのでは…。

 

 

 

 自分の感想に入る前に、未プレイ者を惹きつけそうな記事やらツイートを貼っておく……

news.denfaminicogamer.jp

 

 

 

note.com

 

 

 

 ということでひとまず、自分の感想を書いていきます。ネタバレなし。

 

  TLに唆され、わざわざPS4本体を購入してのプレイ。休日3日、平日3日の約一週間かけてのクリア。クリア時のプレイ時間は約31時間でした。未プレイ者への参考になれば…

 

 全体的な印象は、「怪作」。 

 ジャンルとしてはSFで、とにかくいろんなネタというか、ストーリー上のギミック・おもしろい設定がこれでもかというほどに詰め込まれている。このネタ一つだけで長編の小説なりが一本作れるのでは?というようなものが惜しげもなく大量投入されており、ぶっちゃけ、SFというジャンルの闇鍋とでもいうべきものになっている。

 

 13人の主人公たちによる群像劇、というだけでもかなり複雑なのに、そこにSF的なギミックがめちゃくちゃに組み込まれ、もうすごいことになっています。

 話の進行とともに新しい情報がどんどん出てきて、今までの話で前提としていた情報がひっくり返される、というようなことが頻繁に起こります。この情報の錯綜具合がある意味、本作の一番の特徴のように思います。

 それぞれの出来事を整理しつつ物語を読み進め、現れる突然の新事実に今までの認識を崩され… それによって見えてくる新たな光景に心震えつつも、情報を再び整理し直すのに疲弊して…

 

 断片的なエピソードをプレイヤーが自由に追う、という形式のゲームで、つまりこういうことか!という、話が自分の中で繋がる快感がとても強いのですが、その一方でプレイヤーは常に話の筋道を整理しなければならないストレスにさらされます。だからあんま一気に読むと頭がパンクしちゃうんじゃないかな…。事前にSF作品に触れてメジャーなSFのネタ・ギミックを掴んでおくと多少は話が理解しやすくなると思う。

 

 「クラウドシンク」という、あるキーワードについてその主人公の視点で、自分のタイミングで振り返ることができる機能があるのだけど、それがストーリーの整理・理解にすごく役立った。13人も主人公がいて、しかも読む順番がバラバラだと(あれ、いままでコイツなにしてたんだっけ…?)ということがもう頻繁に起こるので。正直この機能がなかったらクリアまでたどり着けていたかどうか…。

 

 UIやらなんやらといったプレイまわりの部分はとても洗練されており、快適にプレイできるようになっている。だからもう…あとはいかにプレイヤーがこの混沌に向き合い続けられるか、根気強く物事を整理し続けられるか、という感じです。

 なんかすごく深刻っぽいですけど、要は「疲れたら休憩入れて、自分のペースで進めましょう」ということです。急がなくていい。そもそもキャラも魅力的で話自体も訴求力があるので、普通に続きを読みたくなります。のでプレイヤーのモチベーションの部分はそんな気にしなくていいと思うのですが、ただ、すごくいいシーンまでたどり着いても、それまでの話の流れをあまり理解できていなかったり、単純にその時の自分がひどく疲れていたりすると、そのシーンを楽しむことができなかったりするので…

 

 話全体の印象はあまりまとまっているという感じはなくて(これ書いてる時点でまだ自分がしっかり理解できていないため。あとで印象変わる可能性がある)、わりとギリギリというか綱渡りな印象なのだけど、しかしめちゃくちゃにエネルギーの詰まった、パワフルな作品だと思います。とにかく謎が多く、その語り口もかなりプレイヤーに負担を強いるスタイルで、そういう意味で万人向けではないかもしれませんが、その代わりに振り切れた、この作品でしか持ちえないようなおもしろさを獲得しているように思います。

 

 …ということで、自分的には「怪作」という印象の作品でした。プレイ中、(このよくわからんまま突っ走ってる感覚は『虎よ、虎よ!』を読んでるときのそれに近いな…)とか思ったり。改めて考えると主人公たちもみんながみんな現状を正確に把握して戦場に立っているわけではないので、プレイヤーの側がそういう感じでもまあいいのかな、とも思いました。とにかく、おもしろい作品を探している人にはぜひプレイしてほしいゲームです。

 自分はダウンロード版を購入してプレイしたのですが、クリア後に(これパッケージ欲しい~~~!)となったので、とりあえずプレイすることは決めた、という人はがんばってパッケージ版を買った方がいいかもしれないです。今品薄状態らしいですが…。

 

 

 

 

 

 これでメインの感想は終わり。ここからは個々のトピックについての感想やら他人の感想やらをまとめていきます。既プレイ者向けで、ネタバレにも注意。

 

バトルパートについて

dengekionline.com

 初心者はプレイ前にこの記事をサラッと読んでおくといいですよ。というか自分がそうすればよかった。いやまあ問題なく進められましたが。

 すごくよくできてたと思う。難易度はちょうどいいし、どんなプレイにもしっかりとした快感がある。やり込み要素は薄いかもしれないけど、自分のようなライトなプレイヤーにはとてもよく嵌った。

 個人的にはアドベンチャーパートの良い箸休めとして機能していた。ストーリーをまず進めて、それにつかれたらバトルでちょっと息抜き~みたいな。

 

 

 

機兵起動シークエンス最高

www.youtube.com

 最高ですね…。アドベンチャーパートでのそれもヤバいのだけど、バトルパートでの起動シークエンスもヤバい。というかこれバトルパートでの唯一のカットイン演出なのでは…。

 アドベンチャーパートのは全プレイヤーが見ることになると思いますが、バトルパートのものはプレイ中に機兵を起動させなければ見ることができず。場合によっては一度も見ずに終わってしまうプレイヤーもいるのでは、と。自分自身、ノーマルモードでクリアまでに二回しか見ることがありませんでした。システム上、プレイが上手い(機兵がダメージを負わない)ほど見る機会が減る感じなので、うーん…。戦闘前後の掛け合いの部分で起動シークエンスを挟むのもアリだったのではと思わなくもない。

 個人的には緒方くんの足首とかね、ウッときましたね。あと網口くんはイケメンすぎ。

 思わず呟いてしまったやつ。

 

 

 

 ・サイドビューの影響

 アドベンチャーパートにおける視点というかカメラの位置が現実世界における人間の視点に近いせいで、ゲームプレイ後にリアルで外出して街中を歩くと(十三機兵だ…!)と謎の感慨を抱いたりしちゃう。

 

 

 

 ・音楽めっちゃ良い

www.youtube.com

 安定の(ヴァニラウェアといえば!)ベイシスケイプ崎元仁の仕事。サントラ買うぞ。因幡深雪による「渚のバカンス」も良かった。「渚」とか「バカンス」というワードから連想されるようなカラッとしたサウンドではないけど…(どちらかといえばシンフォニックでヒロイック。勇壮な感じ)。バトルパートの佳境でこの曲が流れたことがあって、アドベンチャーパートで彼女が出てくるまで進めていなかった自分は(なんだ急に…)と思いつつも盛り上がっていたのでした。

 

 

 

 ・アドベンチャーパートで困ったら

 一休みしましょう。ちょっと休めばまだ試していないパターンが浮かんでくるはず。あと□ボタンで呼び出せるチャートで、分岐に必要なキーワードを見ることができるので活用しましょう。自分は鞍部編、緒方編、東雲編でちょっと詰まったかな?

 

 

 

 ・ぼくの地球を守って

 これはリファレンスに名前を挙げること自体がちょいネタバレ感あったので上で出しませんでしたが、似ているところは多くあります。ぼく地球、超超超名作なので未読者はぜひ読みましょう。

 そしておれは『天冥の標』を読まなくてはならないらしい…(過去に電書で買って積んである)。

 

 

 

 ・わかりみがあったやつ

 SFと種の話ってめっちゃ関わりがあって、種の話と生殖の話ってめっちゃ関わりがあるんですよね。

 

 

 

 

 このくらいで終わっておきます。未プレイ者は早くプレイしておもしろい感想読んだり投げ合ったりしましょう。