うおお~5月が終わる。終わった。3~4月のお気に入り音楽まとめです。
toki nakayama / dreamin' on our spaceship
「未来デリバリー」というマンガ作品のトリビュート作品(bandcampで無料でダウンロードできます)の8曲目で、以前に一度取り上げたtoki nakayamaさんが楽曲を提供しています。揺らいだコードが中心に据えられたディープ・ハウスまたはダウンテンポで、まるでゆっくりと宇宙空間を揺蕩っているかのような穏やかなフィーリングが感じられます。こういう曲ほんと大好物で…いつまでも聴ける… ものすごく「完成している」という印象があります。
Zebra3 / warm blanket、warm blanket 2
聴いた回数やお気に入り度で言えば今回のまとめのトップなのですが、個別に記事を書いたのでここでは名前だけ… 興味があればそちらをお読みください。
ここからは3月に書いたStanding On The Cornerの記事で扱った作品の曲が出てきます。
MIKE / armour、GREEDY ft. Jesse Brotter、FOREVER FIND FLIGHT
MIKEの2017年作『MAY GOD BLESS YOUR HUSTLE』より3曲。後ろの2曲は少し時間が長いのですが、一曲の中に複数の曲が入っているような感じで大胆に展開していくので、特にダレるということはありません。 特に6分超えの「FOREVER FIND FLIGHT」(Sixpressプロデュース)はその濃密さ・テンションの高さから中盤のハイライトと言えそうです(個人的にはタイラーの「PartyIsntOver/Campfire/Bimmer」を思い出しました。名前の通り3曲が組み合わさっている長尺の曲)。
soundcloudのページでは曲ごとのプロデューサーの記載があります。bandcampでは(なぜか)無料で音源がダウンロードできます。
Adé Hakim / back in the game (feat. Cleo Reed)、to stay (feat. King Carter)、dance with me、good people、it's so pure (feat. Pink Siifu)
SixpressことAdé Hakimが2018年9月にリリースしたアルバム『ON TO BETTER THINGS』より。先ほどのMIKEのアルバムでも#7~#10の4曲をプロデュースしており、そちらの曲が気に入った人なら今作も気に入るのでは。初期のOdd Futureの作品やローファイ・ヒップホップを思わせるチルな感覚が特徴。スムースに流れていきます。この手の音には昔から抗えないのだ自分は…
Solange / Things I Imagined、Down with the Clique、Stay Flo、Dreams、My Skin My Logo、Binz、Sound of Rain
多い… Solangeの新作『When I Get Home』より。これだけの数取り上げていますが、基本的には前作にあったような、ある程度かっちりと作り込まれている曲の方が好きです。でもこの自由で流動的なスタイルだからこそ引き立つ部分もあるのかな、とも思います。冒頭の「Things I Imagined」はまさにこのスタイルを象徴するような、気ままに奔放にすらすら流れていく楽曲なのですが、どこか儚げな美しさが宿っているように思います。
ここからはまあいつも通りです。
Cass McCombs / Real Life、Rounder
『Tip Of The Sphere』より。「Real Life」はどことなく浮遊感のあるパーカッションがものすごくいい味を出している、なんというか辺境系のフォークソング。異世界を冒険中に立ち寄った村とかオアシスで流れてそう。すごくチルアウトできます。「Rounder」は正直後半のジャムはよくわからんけどSteve Gunnばりにギターのリフがドライブさせる前半部分がお気に入りです。
Cass McCombs / Petrified Forest、Morning Shadows、Crick In My Neck
Cass McCombsの作品を最初のEPからひたすら聴き続けるという“Cass地獄巡り”をしていたのですが、4ADから出た『PREfection』とDomino移籍後の『Dropping The Writ』が山だとしたら『Wit's End』(の後半)あたりは谷だと思いました。しかし山より谷のほうが良かったりするのが音楽の不思議なところ…。 pic.twitter.com/CEYGLy3ui5
— monchicon (@monchicon) 2019年3月7日
— monchicon (@monchicon) 2019年3月7日
ツイッターでモンチコンさんが紹介していた『Dropping The Writ』を購入。同じく紹介されていた「Crick In My Neck」という曲がめっちゃ良かった。音は変わらず柔らかめなのだけど、歌や演奏がフレッシュで溌剌としている。てかやっぱ曲がすごく良いですねこの方…。他の2曲もとても爽やかですごく良いです。良い~~~
Marvin Gaye / After The Dance、Since I Had You
Marvin Gaye - Since I Had You (1976) https://t.co/snuATiwyfx @YouTubeさんから 『I Want You』初めて聴いたけどいいアルバムだった… このとか曲めっちゃ好き てか普通に喘ぎ声みたいな音入ってるんですけど!?
— にんず (@ninz51) 2019年3月2日
実際のサウンドのもこもこ具合がソファーのそれと似てる感じがする ソファーのもこもことタバコの煙のもわもわと、あとお酒のゆらゆらが合わさるとI Want Youのサウンドみたいな雰囲気になるんじゃないか というか当時のマーヴィンがそういう生活を送っていたのでは…
— にんず (@ninz51) 2019年3月2日
参考:
俺の好きなアルバムたち : 「お前が欲しいんだぜベイベェ」をアルバムまるまる一枚使って表現 - Marvin Gaye 『I Want You』
ソランジュの新作がきっかけだったかな…マーヴィン・ゲイの『I Want You』がTLで話題になったことがあって、そこからの2曲。上に貼ったリンク先で語られているとおり、Leon Wareという人が自分のソロ・アルバム用に作っていた楽曲群が今作の元になっているようで、機会があればLeon Wareの作ったバージョンも聴いてみたいと思う(『Musical Massage』)。
「After The Dance」はインスト。ストリングスをはじめとする色んな音が品よく重ねられており、なんというか高級な感じ。ムードたっぷりで、包容力がある。ヴァースでのエレピの「タタタタタッ」というプレイがかわいくて好き。
「Since I Had You」、そもそも自分がマリンバの音にめっぽう弱いのですぐお気に入り認定しちゃうのだけど、よくよく聴くとけっこう変わった曲で… 4~6つくらいのパートを次々に通り抜けていく構成で、それぞれのパートは再登場することはない。バックのアレンジはけっこうかっちりしてるのだけどボーカルのメロディーはかなり抽象的というかふわふわで、いつの間にか曲の雰囲気が変わっている。ある意味ソランジュの新作に通じるような移り気な感じがするのだけど、はっきりと違う点もあり、それは曲の展開を主導するのがボーカルではなくてバックの演奏ということ。うだうだ書いてますけど、とにかくコード展開がおしゃれで優雅ですごくいいです。2、3曲分のコーラス部分のアイデアが惜しげもなく放り込まれていてすごく贅沢という感じがする。いやLeon Wareこれ作ってるなら普通に天才なのでは…
このパートめっちゃ長くなっちゃったんですけど最後に一つ。ツイッターでみなさん毎日のように音楽の話してますけど、あれ絶対記録に残しておいた方がいいですよ。いや本当に常に音楽の話流れてくるので、いざやるとしてもまとめる側が追い付かないんでしょうけど。なんか本当にサロンみたいな感じになってるTL…
Pizzicato Five / Peace Music、Strawberry Sleighride、Sleeper、Sweet Thursday、Cleopatra 2001
今まで冒頭数曲の神曲っぷりにすぐお腹いっぱいになってしまっていた『Bossa Nova 2001』、改めて聴いたら中盤の流れがおしゃれなポップスとして完璧すぎてびっくりしました。本当に完璧すぎてどうしても職人という言葉が浮かんできてしまう…。序盤の神曲(「Sweet Soul Revue」「Magic Carpet Ride」など)と比べるとこちらは軽さがあり、胃もたれしなくて良いです。
特に#8「Sleeper」~#9「Sweet Thursday」の流れは、Slapp Happy『Casablanca Moon』における「The Secret」~「A Little Something」の流れに匹敵するすばらしさで、まさに至福のひとときででした。改めて考えると当時のSlapp Happyとは製作の体制的に似てるところがあるかもしれないですね(雑な思いつき)。
四人囃子 / ハレソラ、昼下がりの熱い日、気まぐれの目かくし
何気なく聴いた77年リリースの3rd『PRINTED JELLY』より。おそらくYesで言えば『Going For The One』にあたるような、ポップ路線に切り替えたアルバム。四人囃子はまともに聴いた作品は『一触即発』くらいなのですが、個人的には彼らの魅力はプログレ的な部分ではなく、「おまつり」に代表されるような哀愁を感じさせるボーカルと歌メロにあると思っています。そしてそれらがボーカル含めたメンバーの変動があっても失われなかったのは奇跡的だったのではないかと…。いやこのアルバム以降はどうなってるのか分からないんですけど。。
「ハレソラ」はまさしく「Going For The One」のような、ポップに振り切れた名曲で、他の2曲は日本的な?哀愁全開の曲になっています。今気づきましたけどどっちの作品も77年リリースなんですね。おもしろいです。
Pole / Düsseldorf、Jungs、Schöner Land
現在は活動停止している名レーベル「~scape」を主宰するPoleことStefan Betkeの2007年作『Steingarten』より。初期作にあったストイックなイメージは薄れ、よりカラフルで開かれた雰囲気になっていました。単純にエレクトロニック・ミュージックとしてとても質が高いです(その点でThomas Fehlmannを連想する)。#7「Düsseldorf」が一番ポップで聴きやすいと思う。名曲。
sora / revans
ペソさんのツイートがきっかけで聴いた曲。Takeshi KurosawaのSora名義での2003年作『Re.sort』より3曲目。何度かリイシューされているようで、中古品を入手したのだけどまだ通しで聴いてないのでこの曲だけ取り上げます。
[lust]の頃のrei harakamiをもう少しクリック・グリッチ寄りにしたような音楽性で、日常生活に寄り添ったフィーリングがあるのがとてもいい。サンプリングされているのはBill Evansでしょうか。このアーティストの作品はそんなに出てないようですが、とりあえずアルバムを聴いていこうと思います。。
Alan Sond / Clown Around Town(アルバム)
『warm blanket』と出会うきっかけとなった作品。フィジカルのカセットテープと同じ構成で一曲20分弱あるので全体を掴みにくいが、基本的には親密な空気が流れています。サウンド的にはJames Ferraroや初期のOPNに昔のゲーム音楽的なファニーさを少し加えた感じ。クラシック音楽には疎いので的外れな可能性があるのだけど、シンセ音源で作られた交響曲のような趣があります。Side BはおそらくSide Aの逆再生。
ind_fris / Sink in(アルバム)
RA: ニュース: ind_fris主宰のScaffolder Recordingsが初のヴァイナル作品をリリース
大阪を拠点として活動するアーティストのアルバム作品。アンビエント~ニューエイジ~バレアリックを横断する穏やかなサウンドで、柔らかく湿った感じもありながら爽やかでもあるという非常にいい感じな作品。Mark BarrottやCFCF、Andrew Wilson(Andras Fox)などの名前に反応する人は気に入るんじゃないでしょうか。こういう作品はいつでもウェルカムですね~。
Sam Kidel / Silicon Ear(アルバム)
2016年にMuzakをテーマとして扱った作品をリリースして話題になったSam Kidelの新作。検索してみると今作についての日本語の記事がかなり見つかったので、コンセプトなどの詳しい説明はそちらに任せようと思います(上に貼ったリンク先の記事を読んでみてください)。
収録されている2曲の内、1曲目は(コンセプトの堅苦しさに似合わず)ストレートなダンス・ミュージックで、特別な集中などを必要とせずに普通に楽しむことができます。サウンドは多少無機質でザラついていますが、リズミカルでフィジカルに訴える力が強く、聴いていて気持ちいいです。2曲目の「Voice Recognition DoS Attack(音声認識DoS攻撃)」はボイスサンプル?を用いて作られたミュージック・コンクレート的な作品で、楽曲としてはより抽象的になっています。アンビエント的に聴けなくもない感じ。
番匠カンナ(BanjoKanna) / VirtualMuseum
モスコミュール(Moscowmule) / IsekaiMarche
バーチャルねこ(VirtualCat) / KenranHakurannkai
おっキター! #Vket pic.twitter.com/AGTIYnzy2a
— にんず (@ninz51) 2019年5月29日
バーチャルマーケット2の会場内で流れていた曲をまとめたCDが届きました。ということで音源を入手したのは5月なのですが、実際に聴いていたのはイベントが開催されていた3月上旬なので、今回のまとめで取り上げます。
【会場BGMをちょっぴり公開!】
— VirtualMarket2019 (@Virtual_Market_) 2019年2月25日
6つの会場それぞれにオリジナルBGMを実装!
作曲は、モスコミュールさん @Moscow_ojisan 、番匠カンナさん @Banjo_Kanna 、Sigさん @sleepyslowsheep 、ミディさん @mid_midy バーチャルねこ @neko_vtuber さんです!#バーチャルマーケット pic.twitter.com/xKEGhxKgLj
それぞれのワールドはコンセプトが被らないように設定されているため、必然的にその雰囲気を象徴するBGMもユニークで個性的なものになっています。個人的なお気に入りは上記の3つ(バーチャルミュージアム、異世界マルシェ、絢爛博覧会)。
曲が盛り上がる直前に終わります。
バーチャルミュージアムはメロディアスなエレクトロニカ。なぜかわからんけどすごく懐かしさを感じる…
異世界マルシェはなんですかね…トラディショナル風味のイージーリスニング? 自然を感じさせる開放的なワールドに合うように、環境音で鳥の鳴き声が入ってるのが得点高い。バーチャルマーケット、次回はVRを活かして各ワールドに合った環境音をいい感じに配置して、立体音響みたいにしたらどうでしょうか(提案)。機械に近づいたら駆動音が聞こえたり、みたいな。臨場感が出ると思います。難しいかもしれないけど…
動画はめっちゃ長いけど音量が少し小さい。バーチャルマーケットはこういう……みんなで服屋さんを見て回るような感じです。9月に3が開催予定(早いな!)
絢爛博覧会は少し中華な雰囲気のあるローファイ・ヒップホップ。バーチャルミュージアムと絢爛博覧会はぶっちゃけBGMがワールドを食っちゃてたような…
今現在バーチャルマーケット2の各ワールドはVRChat内で公開されており、そこでBGMも無限に聴けるので興味があれば行ってみてください(PCさえあれば見て回れます)。
5月分のも! がんばって早めにアップしたい!