(文中の「今年」= 2015年と置き換えて読んでください。。。)
1. Guided By Voices「Bee Thousand」
最高 of 最高。
2. D'Angelo & The Vanguard「Black Messiah」
Kid Aみたいな、アルバムとしてのまとまりが魅力(Kid Aは曲もいいけども!)っていう作品じゃないけど、まあとにかくパワフルな作品で、また部分部分で未知の元素を目にすることができるというか、魔法がかかってるんじゃ?っていう瞬間がけっこうある、そんな作品。うーんうまく表現できないな。RPGの終盤で手に入る、「未知の素材でできている〜」みたいなフレーバーテキストが付いてる最強武器みたいな感じ。
とにかくつよい!
敢えて偽悪的に言うなら、これ以前の佐野元春を聴く必要はない。聴くべきは、単身ニューヨークに乗り込み、当時のヒップホップに感化されることで生まれた、ブルーアイド・ソウルとファンク、エレクトロが合体した、言わば日本のビッグ・オーディオ・ダイナマイトのような異形のアルバムだ。
スヌーザー#64 田中宗一郎
4. STAR☆ANIS「Calendar Girls」
アイカツ!のベスト盤。神前暁の薫陶を受けた田中秀和はWORKING!やらハナヤマタやらWUGやら、今年でいえばデレマスなんかで大活躍中な訳ですが、ちょい前にはアイカツ!の音楽なんかも手掛けていたそうで。なにも知らずにアイカツ見始めて音楽のよさにびっくりしてクレジット見たら田中秀和だったという。
初っ端の1話、前半の「Move on now!」でまず度肝を抜かれるわけですが、続くエンディングの「カレンダーガール」で完全に持っていかれます。ここで思うんですよ、(このアニメ、ちょっとやばいんじゃね?)と…。
「fashion check!」って曲もすごく好きで、でもこちらは石濱翔って人が作ったそうです。どんな人かと思って見たらまたMONACAで(当たり前っちゃ当たり前)、この集団はまだまだ注目だなあと思っております。
5. 曽我部恵一BAND「LIVE」
これも最高 of 最高なんだよなあ。。 安く手に入るので騙されたと思って入手して聴いてみてください。絶対後悔はさせません。
ぼくはサニーデイとかも(悪いけれど)ほとんど聴いてないし、知ってる曲は一つもなかったけど、それでも感動します。てかここに収められてる曲ってなんなんだろう。なんなんだろうというか。。 すごいクラシック感があるんだよね。いつ作られたものなのかわからないんだけど、すでに「上を向いて歩こう」みたいな風格がある。ふっとい真ん中。手塚治虫の作品みたいな感じ? とにかく名盤です。
6. Pavement「Crooked Rain, Crooked Rain: L.A.'s Desert Origins」
今更な名盤。無理してファーストから入ろうとせずにとっととこっち聴けばよかったですね(今はファーストも大好きですよ)。
ローファイの代名詞的な扱いをされていたりしますが、先にアリエル・ピンクとか聴いていたからかまったくローファイとは思えなかった(今も)。というか逆に完璧に作り込まれてるって印象です。
シューゲイザーにおけるマイブラではないけれども、一発目からいきなり完成形提示しちゃって、逆に聴き手が付いていけないみたいな感じじゃないですか?(おれだけか) で二作目でちょっと助け舟出すという… なんとなくそんな流れを妄想します。
個人的には完璧すぎるからもうちょい遊びがほしいなとか思っちゃいますが、まあこんな戯言は無視してください。最高!ファック!
7. Built to Spill「There's Nothing Wrong with Love」
これはまた上の作品とは対照的な印象の作品です。まあ基本的にはどちらも同じインディーロックなんですけど、ちょうど上に書いた完成度っていう面で対照的なんです。具体的に言うと、この作品、確実に「完璧じゃない」んですよね。
一番多いのが、その繰り返し、要る?ってやつ。ピクシーズ見習おう?みたいな気分になるんですけど、でもそれを補って余りある魅力があるのも事実なんですよね。何より屈託がなくて風通しがいい。(ペイブメントのセカンドは可愛げがないんですよ!)
でもこんなアルバムにも完璧な曲ってのが一つあって、それが冒頭の「In the Morning」なんですよね。
個人的にはツインギター好きを自覚させてくれた大事なバンドです。
8. Courtney Barnett「Sometimes I Sit And Think, And Sometimes I Just Sit」
今年出た作品の中で一番気持ちの良い作品。これ嫌いな人っているんですかね?
新しさはないかもしれないけど、でも、こんなにいいんだもん。いい。
9. Maxo「LEVEL MUSIC PURCHASE」
こんなピンポイントで心地いい音楽って作れるんだ…っていう作品。芳川よしのの作る音楽にも同じ感覚は覚えるのだけど、彼にはまだここまで徹底した作品はないので。
まあとにかく心地いいんですよ。残念ながら買い物用のBGMとして作ったわけじゃないみたいですが、ぼくはそんな感じで聴いてます。買い物に限らず、いつでも、どこでも最高の気分にさせてくれます。
こんな素晴らしい音楽が無料で聴けるんですよ! 今すぐ聴かなきゃ!
10. Move D & Benjamin Brunn「Songs From The Beehive」
今年一番のアンビエントの掘り出し物。超高品質なんだけど基本ユルい、というかあんま緊張感ないのがポイント高い。いや、集中したらしたでちゃんと返ってくるんですけどね。
11. 憂歌団「生聞59分」
これも今更って感じの邦楽名盤ですね。10点以外あげられない。本物のクラシックです。聴いた当初はこんなバンドいたんだ!?って感じでしたが今はこんなバンドが実在できたのか!?って感じです。この音楽、率直に言って奇跡だと思います。
12. Nav Katze「Nav Katze 1986-1987」
再発しろ再発しろ〜と2年間くらい祈ってましたが根負けして中古で入手したナーヴ・カッツェの初期音源。エイフェックス・ツインなどのIDM勢に早くからアプローチしていたことなど、場所によってはきちんと評価されているバンドなんだけど、まだまだ一般への知名度は低いんじゃないかと思います。
ソングライティング、バンドアンサンブル、どれをとっても非常に優れています。透明感のあるボーカルも最高。メジャー進出以降はそのボーカルを活かした、浮遊感のある不思議〜な感じのサウンドになっていくんですけど、一度バンドサウンドに振り切れた作品も聴いてみたかったです。アルビニ録音、みたいな。
初期のプロデュースはムーンライダーズの岡田徹です。
13. Nirvana「MTV Unplugged in New York」
説明不要の名盤。これを聴いたらシンガーソングライターとしてのカートを想わずにはいられなくなりますね。
このセットならリチウムが入っててもおかしくないんじゃないかな〜とも思いますがまあこれはただのボヤキです。
個人的にはこの作品がカバー元のデヴィッド・ボウイやミート・パペッツ、今作でカバーはしてないけどR.E.M.なんかへの架け橋として機能してくれれば最高です。
14. Pavement「Wowee Zowee: Sordid Sentinels Edition」
彼らこのリストで取り上げるの二回目ですね。サードアルバムです。個人的にはファースト、セカンドよりもはるかに聴きやすい印象。力が抜けて自然体になった感じ。実際はわからず、ただアレンジがこなれてきたってだけかもしれないけど。聴き手がどの音に注目すればいいのかがすごくわかりやすくなってきている。ポップとして単純に洗練されてきている。聴いてて疲れないからね。
曲はいつものクオリティで、もう成熟しきっています。極上のロックです。
15. くうきにみつる「はにほへといろは」
快作。人になにかいい音楽ない?って聞かれたらこれを渡そう、というような作品。
なによりもこの、圧倒的に開かれたフィーリングが最高です。どこまでもいける。
16. Mac DeMarco「Another One」
2015年作オンリーのリストでは他の力作に押されてましたがこっちのリストでは上位です。というかこれをはじめて聴いたときは(これ今年の一位だわ…)って本気で思っていたんですよ。でも慣れって恐ろしいもので、もうほぼ消化し尽くしちゃって、当時と同じようには聴けなくなってしまいました。(同様の現象がGBVにも起こっていて、すごく寂しいです)
しかしやっぱりいいものはいいです。今作は傑作だと断言します。8.6という評価は今でも妥当だと思っています。ぜひこれの良さがわかる人になってください。
ブルーにこんがらがった少年少女のためのベッドルーム・ポップ。
17. Fleet Foxes「Sun Giant」
個人的00年代の奇跡の一つ、フリート・フォクシーズの1stアルバム前に出たEP(2008年)。サウンド的には初期のMy Morning Jacketがフォークをやったような感じなんだけど。。 これはもう言葉にできない良さがあります。これが魔法や。
18. Royal Headache「Royal Headache」
ロックンロール! ロックじゃなくて! ロックンロールなんです! きけ!
19. Tonstartssbandht「Overseas」
いつ聴いても最初の曲でそういう状態になってしまう。一度そういう状態になったら後はもうなにやっても最高になっちゃうという状態…
やっぱ一番近いのはCANのTago Magoだと思います。オウガのライブめっちゃ好き〜って人にもおすすめです。
20. LIL UGLY MANE「THREE SIDED TAPE VOLUME ONE」
よい。仕事明け、元気がまだ残ってるときなどよく聴きました。
彼の周辺も非常に活発なようで、いつまでも掘りが終わらない。
21. d'Eon「LP」
全体の統一感となめらかさ、あとはいくつかのキラーチューン。特になめらかさは今作の特徴の一つだと思います。
22. Tame Impala「Currents」
別段好みのサウンドではないんだけど、むしろサウンドだけ見たら甘ったるすぎて胃もたれしそうなんだけど、それでも聴いたのは曲の良さがずば抜けてたからでしょう。
SSWとしてはもうトップレベルだと思います。今後もどんどんいい作品を作っていってほしいと思います。
(個人的にはサウンド面で変化がほしい、ぶっちゃけもっとアコースティックな、風通しのいい音で聴いてみたいと思う。今までの作品は全部気軽に聴くには重すぎる。といって軽くなったらなったで多分批判とか出るんだろうなーという気がする。なやむ……)
23. Sleater-Kinney「Dig Me Out」
海外インディーなんだかんだ聴いてないのいっぱいあるな〜ってことで、去年あたりからちゃんと聴いてこ。。ってムードになってたんですけど、いざ聴いたらいっぱいいい作品あったよね。GBV、Pavement、Built to Spillらに続いてスリーター・キニーです。確か今年新作も出したはずだけどそちらは未聴。というか過去作のリイシューも含めて、今年はわりと彼女たちの年でしたね。
普通に名盤でした。曲もサウンドも最高にかっこいい。理想的なロックバンドの一つではないでしょうか。これがまだ現役で活動してるってのはとても喜ばしいことですね。にしてもパワフルなボーカルすごい… クロスアンジュとか連想しちゃう…
24. Gobby「Wakng Thrst For Seeping Banhee」
去年の作品。Gobbyって音の影響元とかぜんぜん読めないし正直謎すぎるんだけど、作品かなり出してるしRAとかTMTとかではとても高く評価されてる。で去年出たこの作品がTMTで満点とって、それを受けてなのかピッチフォークも続く作品で(唾をつけるように)Best New Trackを進呈している。
とこんな感じで、もういつでもブレイクできる状態なんだけど、この作品聴くかぎりでは彼にその気があるのかないのかわからないですね。うーんこの音楽をどう形容すればいいのかな。。 TMTだとポストアンビエント〜なんて書いてあったように思うけど… まあだらだらと流しておく分にはいい感じです。変なことばかりしてるけど、気持ちの悪いことはしない。
とにかくヘンテコな音楽です。変、としか形容できない。でも距離感というか、感情の振れ幅みたいなものはわりと一定に保たれていて、そこはなんとなく職人技めいたものを感じる。てか正直「Friday for Spiralhead」って曲を聴く限りではこの人、なにをどうすればポップに聴こえるのかってことを完璧に知ってるんだけどな。うーむ。。
25. EUGLOSSINE「COMPLEX PLAYGROUND」
フュージョンとゲーム音楽のいいとこどりみたいな。最初はヴェイパーウェイブの突然変異かと思っていたけどどうやら違うようで。この動画を見てからはSandro Perri並に好きになったし、また期待もしています。もろ好み。
26. Sacred Tapestry「Shader」
ヴェイパーウェイブ。サイケデリックなアンビエント。「新たな夢Spirited Child (Color Ocean Sky)」のサンプリングから感じられるように今までの総決算的な印象。「移住」なんかは初期のOPNも感じる(サンプリング?)。
27. Radiohead「The King Of Limbs」
傑作ですよ。素直にいい。もうそんな広いところにはいないけれど、だからといって閉じているわけじゃない。むしろ開かれている。
まだまだ挑戦しているし、なによりもそれをちゃんといい音楽に落とし込んでいる。やっぱすごいですよ彼らは。
28. 七尾旅人「鉄曜日の夜→蘭曜日の朝」
天才なんだよなあ。。
29. Home Blitz「Foremost & Fair」
この強引なごちゃ混ぜ感、嫌いじゃないです。すがすがしい。勢いだけじゃなく、きちんと歌心もあるのがよい。
30. kmfh「The Boat Party」
リズムリズムリズム。
その他聴いた作品。どうせなので残しておきます。順番はてきとう。
A Guy Called Gerald「Black Secret Technology」
Terre Thaemlitz「Routes Not Roots」
Parquet Cuorts「Content Nausea」
Herbert「100Lbs」
Earl Sweatshirt「I Don't Like Shit, I Don't Go Outside」
Bonnie Pink「Heaven's Kitchen」
Metamatics「From Death To Passwords Where You're A Paper Aeroplane」
Burning Star Core「Challenger」
Deadbeat「Drawn & Quartered」
Radicalfashion「Garcon」
Benny Blanko「8ft in the Air」
Moodymann「Forevernevermore」
Thee Oh Sees「Floating Coffin」
Dean Blant「Black Metal」
Frank Zappa「Studio Tan」
John Grant「Pale Green Ghost」
大森靖子「魔法が使えないなら死にたい」
Rustie「Essential Mix 2012-04-07」
Ahnnu「World Music」
Meat Puppets「Meat Puppets II」
はっぴいえんど「はっぴいえんど」
No Age「Losing Feeling」
Machinedrum「Room(s)」
Luke Wyatt「Teen Hawk」
Child's View「Funfair」
Demdike Stare「Triptych」
Ricardo Villalobos「Fizheuer Zieheuer」
Prosumer & Murat Tepeli「Serenity」
Move D「move d freero sun 2013-07-14」
Al Green「Let's Stay Together」
Derrick May「Innovator」
Melchior Productions Ltd.「No Disco Future」
Brock Van Way「White Clouds Drift On And On」
空気公団「わかるかい?」
HTRK「Psychic 9-5 Club」
False「2007」
Motion Sickness of Time Travel「Seeping Through the Veil of the Unconscious」
SpaceGhostPurrp「God Of Black」
Isolee「Western Store」
V.A.「プリパラ ミュージックコレクション DX」
Quarta 330「Mokelembembe EP」
The Foreign Exchange「Connected」
めっちゃ遅れたし蛇足コメントめっちゃついてるけどとりあえず上げられてよかったです。便宜的に順位的なものがついてますけど、どの作品もすばらしいです。作品名のところに試聴リンク貼っておいたので、興味があったらぜひ聴いてみてください。
2016年もいい音楽にたくさん出会えますように。