No Age [Losing Feeling]


 それは別に歩きでも電車でもなんでもいいんですけど、自分けっこう移動時間ってのが好きで、それがなぜかを考えるに、なんというか今「移動をしている」っていうことが進行形で「移動するという目的を達成している(し続けている)」ように感じられるからなんじゃないかと思いました。なんとなく安心する。それで、すくなくとも目的は達成しつつあるのだから、移動している間は余分なリソースでなにやってもよくない?なんて考えて、普段聴かないような音楽を聴くことになる。余分な部分がどんなにクソであっても、本来の目的(移動すること)は達成しているのでオケオケオッケーというわけである。

 学生時代、毎年部活の合宿があったんですけど、毎回、行き帰りはバスでした。で、そのバスの中でどんな音楽を聴こうかな〜ってのがかなり大きな楽しみだったんですけど、なぜか毎年聴いてる作品があって、それがノー・エイジの「ノウンズ」でした。

http://blogs.yahoo.co.jp/freaksfreaxx/58548521.html
 たしか大学生のはじめころに出会って、後追いではありますけどめちゃくちゃはまりました。個人的には9点超え確実。昨日はこの曲がずっと頭の中で流れてた(爆音推奨)。

 でその合宿ってのが毎年夏にあったんですけど、それのせいかこの時期になるとノー・エイジが聴きたくなるんですよ。でも持ってる音源って最初のコンピとノウンズとその次のアルバムしかないんで、そろそろ他の曲も聴きたいな〜と思って、買っちゃいました(衝動買い)。

 「ルージング・フィーリング」。2009年に出たEPで、ノウンズの次の作品です。CDでは出てないっぽいのでダウンロードで購入。
 基本的にはこの前後のアルバムのちょうど中間のような音です。ノウンズのパンキッシュで激しいスタイルからだんだん"歌"の要素が目立ってきた感じがする。


 #1の「Losing Feeling」は前作の「Eraser」を思い出すような名曲。ゆっくり盛り上げていく。
 続く「Genie」が彼らには珍しい歌ものの佳作で、自分としてはこれが聴けただけでも満足な曲。枯れたフォークソングのような感じで、ここではシューゲイザーちっくな音になってるけど、ギター一本での弾き語りも非常に映えそう。
 #3「Aim At The Airport」はいままでの作品にも見られたようなノイズ・アンビエントで、一休みといった感じ。
 最後は前作に収められてても違和感のないパワフルなロック・チューン「You're A Target」で締め。



 全4曲、約15分のよく引き締まった作品です。全部タイプの異なる曲が収められてて、彼らの音楽性が凝縮されたような一枚になってるんじゃないかと。あとこれは(も)印象ですが、これまでよりも音が整理されてる・コントロールされてるような気がします。考えて曲を作っているような気がする。いや今までもそうだっただろうけれども、より衝動に任せた部分が減っているような気がする。
 これと引き換えになったのかはわからないけど、曲中、なんとなく不自然さを感じる部分もあったり。今までならもう勢いでいっちゃってたところをもうちょい上手くできねえかな〜なんて試行錯誤をしているような印象がある。なにかスタイルの変化があったとして、まあまだ慣れてないだけだろうと思うけど、それでも現時点でこれだけの曲を書けるのなら問題なしです。というか結果はもう次作で聴けるんですけどね。



8.1