Guided by Voices [Bee Thousand]

あまりに記事書いてなくて、右側にある最新タイトルを見ると感想記事が一つもない状態に・・・
まあいいです。簡単に更新だ!

Bee Thousand

Bee Thousand

ガイデッド・バイ・ヴォイシズの、7th?いっぱいあってわからない。とりあえず、彼らの作品の中で一番有名な盤でしょう。ピッチフォークの90sのリストの10番であり、またAmazon.com の“The 100 Greatest Indie Rock Albums of All Time”の一番、ということで。
Top 100 Albums of the 1990s | Pitchfork
Amazon.com MP3 Downloads: 100 Greatest Indie Rock Albums of All Time
大学生活四年もあったのにこれを聴いたのはほんとに最後の方でしたね・・・。最初はよくわからなかったけれど、一度はまったらすごい勢いで消費してしまった。もったいないだろ、なんて感覚も覚えつつ、聴かずにはいられなかった。久々の体験でした。
なにがいいって、歌メロですね。曲が流れだしたら思わず一緒に歌ってしまう。彼らは公式サイトでコードと歌詞を無料で提供してるんですが、そこ即ブックマークしましたからね。
中には(これが曲?)なんてのもあります。なんせ20曲で約35分ですからねこのアルバム。30秒くらいで終わる曲もある。てか計算すれば一曲平均2分切りますからね。でもその100秒くらいの間に歌が一番輝く瞬間が詰まってる。ピクシーズのドリトル製作時のエピソードなんかを思い出しますが(HAND IN GLOVE *** special issue Pixies)、ここでもそれと同様のことが行われている。というか、こっちはもっと極端な気がします。ピクシーズの方はポップさを突き詰めた結果の、プロフェッショナルの判断、という感じがしますが、こっちはあんま気持ちよくない部分をずぱずぱ切ったらこんなんなった、というような自然さがあります。
悪いところ全部切ったら良いところしか残らないじゃん?ってのはまあもっともなんですけど、彼らのこの作品はその良い部分ってのがほんと〜に良すぎるんですよ。それこそ「こんないいメロディーあったら完璧な曲作れるじゃん!」ってレベルの。最高級の素材を気の向くままにどんどん使い捨てていくんですよ彼らは。こんな贅沢なことってないです。他のアーティストが悩みに悩んで生み出すようなフックとアイデアを、わずか数十秒の間に惜しげもなく詰め込んでいくんです。ある意味正気の沙汰じゃありません。もったいない精神なんてなかった。
アルバム中最長の曲。
このアルバムのいい意味での適当さに触れると、彼らにとっては全てのアイデアは等価値なのかもなあ、なんて思ったりします。もしそうだとしたら、一枚の中にこれだけいいものが集まった、というのは奇跡的なことなんじゃないかと思います。一応、アルバムの始まりと終わりの流れくらいはちゃんと考えられているように思いますが。
音はぜんぜん作りこまれていません。でも、それゆえに流行り廃りとは無縁でいられます。この作品を永遠のものにしています。

決して完璧だなんていえません。これよりももっと、隅々まで作りこまれた作品なんていくらでもあります(比較するのもおこがましいですね)。でも、じゃあ完璧ってなんなんでしょうね。



10.0