Grouper [Ruins]

Ruins

Ruins

Grouper『Ruins』 - いまここでどこでもない

卒論担当の先生に「今度から研究室には午前中から来るようにしてください」といわれてから、まあ6割くらいの確率で午前中から来るようにしているんだけど、研究室には基本自分ひとりだけなので、休憩時間とか、相当暇である。まあ休憩だから暇でもいいんだけど、自分は暇を見つけると何かに急かされるようにネットサーフィン、というか情報収集してしまうなんか残念な人らしくしかもネットサーフィンしているときはまっっったく頭が休まらないどころか逆に集中してしまう始末で、あれ、おれ休憩してたんだっけ?・・・ しばらく熱中して疲れを実感して初めて本当の休憩を取る・・・みたいな。

なにをするにせよ休憩って必要だと思うんですが、いざなにもない時間がくるとついつい考え事をしちゃう、ということがよくあります。まあもしかしたらそれは自分が疲れていないからだ→その休憩ってほんとに必要?ってなることもあるかもですが。

休憩時間に考え事をしないためには音楽を聴くといいんですよ。

ということでgrouperです(前置きなげええ、てかいろいろめんどくなった)。こんな短いスパンでの新作にまず驚く。うれしい。
まあアーティストの説明は他のブログさま↑を見てもらうとして。なにが「ということで」なのかというと、この作品が休憩時間にぴったりな落ち着いた音楽だってことです。日本人的にはこれからの季節にもぴったり。
研究室に来るようになってから、今まで見なかったピッチフォークのnewsやbest new trackとかも見るようになって、そこで「Holding」("Holding" by Grouper Review | Pitchfork)を聴いて(これはくるやもしれん)と思っていたんですが、案の定きましたね、今年度ベスト級。
ピッチで8.8BNM、TMTで満点だった訳ですが、個人的に気になったのがTMTのレビューで(Grouper - Ruins | Music Review | Tiny Mix Tapes)、STYLESのところに「repeating patterns」ってあるんですよ。このstylesってのはその音楽のジャンルを表しているんじゃないかなーと思っているんですけど、リピーティングパターンズですか・・・まあTMTのこれは今に始まったことではないんですけどねー。というかレビュー読まなきゃ意図が伝わるはずもなく。いや、でも一通り聴いた後だとなかなかいいなその表現って思えます。なんでいいのかってのは自分の中で文章化するのにすごく時間がかかりそうなので省きますが、なんで今までどおりドローン・フォークにせずにこの表現にしたのか、考えながら聴くとおもしろいです。

個人的に今回のアルバムで注目する曲は#4labyrinthと#5lighthouseという中盤の2曲です。どちらの曲もそれぞれのフレーズを繰り返していくんですが、終盤の、そのフレーズが崩れていく様がとてもいいです。砂のお城みたいに、一曲の中でゆっくりと崩れていく。特にラビリンスは、個人的には迷路というよりも壊れたオルゴールといった印象です。Ruins...「崩壊する」、「遺跡」ですかね。というか多分このラビリンスって曲があったからリピー〜にしたんだと思います。みにまる。
他の曲も素晴らしいですが、良くも悪くも今までと同じと言えるかもしれません。大好きですけど!でも自分がこの作品を代表する曲を選ぶとしたらこの2曲になります。

サウンド的には「AIA」と「The Man〜」のちょうど中間です。で、ソングライティングの平均は今までで最高で、なによりアルバムとしての流れ・まとまりがすばらしいです。コンセプト含め。最高傑作でしょうねー。

8.8